今朝登場するのは体操の白井健三選手です!4月に日本体育大学 体操競技部に入りました。現在18歳です。白井選手といえば、得意種目は「床と跳馬」です。特に床では、2013年、高校2年生の時に行われた全日本の種目別大会で優勝!すごいヒネリ技を連発して、一躍有名になりました。あのヒネリが凄い少年は誰だ!...話題になりましたね。

そして同じ年に行われた世界選手権で 「後方伸身宙返り4回ひねり」と、「前方伸身宙返り3回ひねり」を成功させて、それぞれ 「シライ / グエン」「シライ2」という自分の名前がついた技を持っています。やっぱり昔からヒネリが得意だと思っていたんでしょうか?ヒネル時に、気をつけていることは何ですか?・・・伺いました。

「気づいたのは世界選手権の後ですよね。やっぱり皆がすごいすごいって言ってくれる中で、あ、もしかしたら凄いのかもな?って思って...その感覚は今も変わらないですね。ヒネリ回数が多くなるので、最後ヒネリを止めないと、ブレーキがかからないで着地が乱れてしまうので、多く捻ってる分ヒネリを止める事を意識しています。

体操をみているお客さんとか、若い選手で凄い選手がでてきたなと思ってくださるのは、体操競技の名前も広がりますし、すごく嬉しい事です。体操の選手からしても、やっぱり人間の限界って...例えば3回ヒネリとか、3回半ヒネリとかじゃなくて、4回までいけるんだなとか、体操選手からしても幅を広げられたというのが凄くうれしいかなと思います。」

え、、、新技を成功させた大会の後に気づいたんですか???ひねっている時は「回る事」じゃなくて、「止める事」を意識してるんですね。さぁ、本当に凄いキャリアを重ねている白井選手ですが、 実は、勢いだけでこのキャリアを築いたわけではありません。その裏には、過去のある苦い経験がありました。

「2012年の種目別全日本選手権...僕が高校1年生の時なんですけど、中学3年の時に全日本の2番になって、そのとき優勝した内村航平さんが次の年棄権してて、普通にやれば絶対に優勝って言われてたんですけど...そこで失敗したんですよね。結果的に5位。

得意種目で失敗したので、すごくダメージ的にも大きくて...。その時「まだ若いから次のチャンスがある!次は、絶対に失敗しない!」と思って、そこで初めて"考える体操"をしたんですよね。

それまでは感覚頼りで、結構カンでやってたんですけど、それだと、全日本とかの大きな大会で緊張して少し舞い上がった時に、自分でいられなくなるんだなというのを身にしみて感じて...。頭で考えて、どこのポイントを押さえておけば、この技は絶対に失敗しない!という感覚を身につけようと思いました。失敗がなかったら、絶対に世界選手権にはいけてないと思います。」

それまで感覚で覚えていた技を、一つ一つ考えて、動きを頭で分析し理解していく...どうしても勢いで...感覚で回ってるんだ!・・・と私たちは思ってしまいますが、大変な努力の末に、 一つ一つの技ができているんですね。なので白井選手、実は「天才」と言われるのが好きではないんです...と取材の時に本音を明かしてくれました。そんな白井選手、実は今、とんでもない新技を練習しています! 一体どんな技なんでしょうか?

「今、抱え込みの「リ・ジョンソン」という技が、G難度で。後ろに2回、回っている間に、3回捻る技があるんですけど、それを伸身で、ヒザを伸ばした状態でやる技です。本当にわかんないんですよね、審判から見ても速すぎて!3回ヒネる技なんですけど、2回ヒネリなんじゃないかとかたまに言われたりするくらい、すごく難しくて複雑な技です。G難度という技が体操の中でも数えるほどしかない難しい技なので...それを伸身でやって、認定されればH難度になるかなと思うんですけど、かなり難しい技です...。」

もう体操競技はH難度の世界に入っています。この技を試合で成功するともちろん世界初!今度は「シライ3」という名前になるのでは?と言われています。白井選手が出場する、体操の全日本種目別選手権は 6/20(土)から行われます。前人未到の領域へ。そのチャレンジ、是非、応援しましょう!