税理士さんによる、税のワンポイント解説をお届けしています。今月は、毎年7月に、新聞などで大々的に発表される、「土地の路線価」についてです。税金とも深く関わる、「路線価」について、東京税理士会の、立崎美香子さんに教えていただきます。

「路線価」とは、基準日を毎年11日として、国税庁が、その年の7月に公表するもので、道路に面している土地の1㎡(ヘイホーメートル)あたりの価格です。相続や贈与の場合に納める税額を計算するためには、その価値を決めなければなりません。しかし自由に決めてしまっては公平ではなくなります。そのため、土地財産の価格を決める基準として存在するのが「路線価」です。全国において、土地に面している道路を基準として決められます。ただし、すべての道路に「路線価」があるという訳ではありません。「路線価」がついてない場合には、倍率方式という別の方法が使われます。

相続や贈与の場合に納める税額の基準となるのが「路線価」なんですね。それでは実際の不動産取引価格とは、どう違うのでしょうか。

不動産の価格として発表される数値には、「路線価」の他に、国土交通省が発表する「公示価格」など数種類があり、用途により使う価格が違います。「路線価」は、相続税や贈与税の計算をする場合に用いる土地の評価額の一つで実際の取引の指標となる「公示価格」の8割程度です。実際の不動産取引価格と「路線価」との違いは「売買するため」か「税金を計算するため」かの違いです実際に取引する時には「公示価格」を基準に計算をし、近隣の「実勢価格」、「相場」「時価」などを参考にします。

税金の計算のために、年に一度、見直しが行われる「路線価」は、相続税や贈与税を計算する際に使います。「路線価」がなぜ、「公示価格」の8割程度なのかというと、実際に取引される際、売り手と買い手の事情によって取引価格が「公示価格」を下回ってしまう可能性があるんですね。その場合、「路線価」が「公示価格」と同じ程度の金額だと税金を計算するときに、納税者の負担が大きくなってしまう。このことを加味して、8割程度になっているそうです。

今月は、土地の「路線価」がテーマでした。東京税理士会の、立崎美香子さんに教えていただきました。

ありがとうございました。