今回ご紹介するのは、去年、渋谷パルコに復活した【WAVE】。

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80年代・90年代を中心に世界中の音楽をはじめさまざまなカルチャーを発信。大きな人気を博した レコードショップ【WAVE】。

その新たなスタートについて、プロジェクトを進めるオオスミタケシさん、吉井雄一さんにお話をうかがいました。

いま、六本木ヒルズがある場所には、かつて【六本木WAVE】がありました。多様な音楽のレコードやCDがそろい、当時の文化の最先端をいくような存在だった【WAVE】。一時は姿を消していましたが、去年、渋谷パルコに復活しました。その再スタートのきっかけは、どんなことだったのでしょうか? 

吉井さん:オオスミとやっている MISTERGENTLEMANというブランドが半年に一度、東京コレクションでショーをやらせてもらっているんですが、あるときのテーマが、フューチャリスティックだったり音楽を感じさせるものだったんです。

ふだん自分たちのブランドはロゴを前面に出していくようなブランドじゃないんですけど、そのときはそういうテンションをいれてみようとなりました。

その時、自分たちが共通して以前通っていた場所、そして音楽でノスタルジックにもなりながら未来感のあるものというのを考えたときに、WAVEのロゴが『そういえば新鮮だったね』という話になって。

WAVEのロゴってW,A,V,Eで全部直線でできているんですね。『あ、WAVEでロゴを作って服に落とし込んでみたら新鮮かもね』ということで始まったんです。

そのショーでTシャツとかキャップに落としこんでランウェーショーでモデルが着て歩いたんですが、当時はそのショー1回だけというノリでした。

その後、ひょんなことからその商標権を得ることになって、新しいプロジェクトとしてWAVEをもう1回スポットを当ててみようという役割が回って来た、という感じなんです。」

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ファッションブランド MISTERGENTLEMANでデザインを手がけるオオスミタケシさんと吉井雄一さんが【WAVE】を引き継ぎ、新たなプロジェクトが動き始めました。

「吉井さん:1回ショーで発表したあとで、WAVEに影響を受けた人たち、関わって来た人たちからたくさんメッセージを頂きました。やっていくのはいいけど、音楽のジャンルの数の分、みんなの想いがあるというか、そう簡単に軽く始めてはいけないと思いながら...2年が過ぎました。

そして、今回、たまたまパルコさんのリニューアルのタイミングで場所をいただいて、まず小さなことからトライしてみようと始まったんです。

場所はすごく面白いのですけど、面積が見たことないくらい狭かったので、キオスク的なノリでやるしかなくて。

ものを売るには、レジもストックもいれて4坪強で、とてつもなく小さい。オオスミと考えたところ、自分たちが向かうWAVEのアティチュードっていうんですか、姿勢を見せる場所にしなきゃいけない。

オオスミさん:ビジュアル的にわかりやすいというか、伝えやすいというか、一番目に止まるような店であって、名前がまた浸透して、何か発信していく序章みたいなものが伝わればな...というところでした。」

レジのスペースもストックのスペースも含めて、4坪と少し。店舗のデザインは どのように考えられたのでしょうか?  

「吉井さん:オープン3ヶ月前までは、壁面に普通にプロダクトを並べるという内装のまま進んでいたんです。

いわゆるオリジナル商品を並べた壁になったのですが、オープンが迫るなかで『なんか...こういうことをやってたんじゃだめだ』となって、ここの壁に商品を埋めるのではなく、その逆のことをやらないと人の心に刺さらないなと。

それでモジュラーシンセで壁を埋め尽くそうという案がポンと出て来ました。ちょっと近未来的で誰が見てもわっと圧倒するものもあって。

で、簡単にはできない。そこから内装チーム全員集まってもらって、こういうことやりたいと写真を並べて、みんながモジュラーシンセを集める旅に出る...。」

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いくつものモジュールをパッチケーブルでつないで音を作るモジュラーシンセ。実に400台ものモジュラーシンセが 集められました。

【WAVE】の新たなスタートに際して、オオスミタケシさんと吉井雄一さんがこだわったのは、、、WAVEを象徴する【色】でした。

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「吉井さん:WAVEグレーって呼んでるんですけど、当時のレコードバッグとかと同じグレーを使っています。このロゴとこの色があわさったときに胸のなかを駆け巡るものがあるというか。

オオスミさん:再現するのに、袋を探していたんです。今、工場も存在してないので、その色を再現するのにどうすればいいかって考えて、瀧見さんに頼んだんだよね。

吉井さん:このWAVEグレーの袋って当時みんな持ってたじゃないですか。

だけど、悲しいことに今、僕も含めて部屋のなかのどこにもないんです。でも、WAVEのプロジェクトを再現するにはこの袋を作らない限り再現できない、と思いました。

この袋を持ってるのは誰だろう?と考えた時、心から音楽を愛している人...『DJの瀧見憲司さんは持ってるんじゃないか』と思って、聞いてみたら『あるよ』と、持って来てくれたんです。それを使って色からオリジナルで再現したのがこのWAVEのレコードバッグなんです。」

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【WAVE】では今後、コラボレーションも実施していく予定で、その第一弾が、アナログレコードのプレスメーカー 東洋化成とのコラボシリーズです。

「オオスミさん:アナログの東洋化成さんとコラボをすすめさせてもらっています。

僕らもアナログは売っているし、アナログへのリスペクトも大切。その工場とコラボできたらなというのがありました。ウェアなんですけど、Tシャツとか、おみやげに買っていただけるような。

吉井さん:デジタルにはない人の温もりを、というキャッチコピーがあって、それがプリントされるみたいな。」

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最後に、重要なポイント。

【WAVE】のプロジェクト、渋谷パルコのショップはその始まりにすぎません。

「吉井さん:今回のパルコのショップも、ここから先、スタートしていくWAVEのプロジェクトとしてはイントロダクション的なところでしかなくて、長い目で見てゆっくり育てていこうというプロジェクトなんです。

ただ、この先には次なるWAVEの構想は控えていています。この数年、3年前後くらいには、そこに到達するのではないかと思ってやっています。

今回のパルコの中にあるキオスクっぽいショップが全てではなくて、その先に控えているものが、実は本編です!というものがある、ということだけは言えます。」

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WEB

https://wavetokyo.com

INSTAGRAM

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