今週は、政治について分かりやすく発信するメディア【POTETO】を運営する株式会社 POTETO MediaのHidden Story。代表取締役社長の古井康介さんにお話をうかがいました。

20211015h.jpg

「僕たちは政治の発信をわかりやすくして、すべての人に政治を届けようということをテーマに活動しています。具体的には、政治専門の広告代理店と銘打っておりまして、例えば、政治家さんだったり行政だったり、政治に関する分野の発信のサポートをしています。行政の方からご依頼いただき、新しくできた制度でなかなか使われていない制度をグラフィックにしてtwitterで発信するお手伝いをしたり、はたまた、政治家さんの政策や思い、ヴィジョンを動画にして発信するお手伝いをしている会社になります。」

例えば、どんな制度についてサポートされてきたのでしょうか?

「特に去年とかはコロナ禍だったので、コロナによってお困りの事業者さんだったり、生活が苦しくなった方に向けた制度がいろいろできたんです。ただ、そういったコロナについての制度も認知の問題が発生していて、使われていないとか、なかなか知られていないという話をいただく中で、僕たちのほうで制度をわかりやすくグラフィックにまとめて発信してみたらどうか、ということで、それをメディアにしてtwitterで発信して、去年は1000万回くらいその情報が見られたんですけど、そういうコロナの行政情報をグラフィックに発信するということを大きな仕事としてやったりしました。」

では、そもそものお話、、、古井さんが、こうした活動をおこなおうと考えたきっかけはどんなことだったのでしょう?

「もともと僕の原体験的にあるのは、中学2年くらいのときに、リーマンショックがあったんですけど、リーマンショックのときに家計が傾きまして。両親は自営業をやっていたんですが、お金がない生活に突入するんですよ。ほんとにお金がない状況のなか3人兄弟の長男として育つなかで、大学進学をしたいなと思うんですが、なかなかお金の都合で希望の大学に行くのは難しそうだと。ただ、高校3年のときに偶然教室で奨学金の募集案内を見まして、両親は大学に行ってないので奨学金のことも知らなくて、『あ、こういうのがあるんだ、これを使えば自分も希望の大学に行けるんだ』と知りまして、その奨学金のちらしを持って両親を説得して大学に進学できたということがあるんです。そのあと僕の弟も国立大学の学費免除の制度を使って、さらに下の弟も授業料が無償になる給付型奨学金の制度を使って大学進学できたので、ひとりで乗り越えられない壁を乗り越えさせてくれるのが政治なんだろうなと思ったのが、僕の一番の原体験ですね。」

政治について分かりやすく発信する 株式会社 POTETO Media、古井康介さんがこの会社を立ち上げたのにはこんな理由もありました。

「こういう政治にまつわる仕事をしていきたいと思ったのは、2016年のアメリカ大統領選挙のときに、現地にトランプさんの集会とヒラリーさんの集会を見に行ってきたんですが、飛行機で登場したりミラーボールが回っていたり、その演出がすごくて。そこで当時、僕は21歳だったんですが、僕と同じくらいの世代の人が本当に楽しそうに政治の集会に参加しているのを見て、発信の仕方が違うだけで、同じ自分たちの国のことを思ってしゃべっている議員さんが違って見えるんだ、こんなにメッセージが違う形で届いていくんだなということに感銘を受けて。」

2017年12月、古井さんが大学4年生のときに会社を設立。以後、政治、そして行政の制度についての発信を続けられていますが、特に行政の制度については、こんな課題もあるようです。

「日本に行政の制度って5万8000種類くらい行政手続きがあるんですけど、令和元年の発表で総務省が発表しているデータだと、定常的に使われているのは、1.5%しかないと。ほとんどの制度が使われてないんですよね。実際、行政の方とお話していても、予算が余ってしまっているんだという話もよく聞くわけですよ。制度が知られていない、知られていないから使われていない。それが結局、必要な人のところに届いていないというのがひとつの大きな課題であって。」

最後にうかがいました。古井康介さん、今後についてはどんなヴィジョンを持ってらっしゃるのでしょうか?

「やっぱり、僕たちが考える政治って、生きたい人生を生きるために必要なものだと思っているんですよね。僕が昔、お金がなくて、東京に出て行きたいけど、大学に行くのが難しいなと思ったときに、ひとりでは乗り越えられない壁を乗り越えさせてくれるのが政治だとすごく思ったんですよ。そういった政治のポジティヴな側面をもっと伝えていきたいなと思うし、なぜそれを伝えるのかというと、生きたい人生をみんなが生きられる社会というのが素敵だと思うので、そこに自分たちの会社がどれだけ貢献できるのか、それだけは忘れずに、すべての人に政治を届けるということで会社を経営していけたらと思ってます。」

POTETOウェブサイト