今週は、aikoさんのニューシングル、『ねがう夜』のHidden Story。シングル『ハニーメモリー』で取材させていただいた際、18曲書いた中の1曲が『ハニーメモリー』だった、とお話いただきました。さあ、今回は?そして、歌詞はどんな着想から生まれたのでしょう?

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歌詞は本当に、、、夢の中って、コントロールできないじゃないですか自分で。思いもよらないところで、忘れてたはずだと自分では思ってたのに、突然昔の好きだった人が出てきたりとか。夢だとすごいフランクに喋ってたりとかして。起きたときにズーンって、『何でできたんやろ?』思ったのがきっかけですね。この曲、今回はスタッフの方に聞いてもらったのが12曲で+まだ聞いてもらってないのが2曲あるんで14曲書きました。いっぱい書きました。そしたら、スタッフの方に、『重荷』って言われて、すごいそれが嬉しかった。めっちゃ褒め言葉やと思って。『あいちゃん、これ重荷やわー。私達も、これは一生懸命頑張ってたくさんの人に届けるために頑張らないとね』って言ってくれて、こんな褒め言葉はないと思って感動しました。」

『ねがう夜』、タイトルにもなっている部分の歌詞は、こうなっています。「あぁ 君はもう ひとりじゃないから元気でいてね たまに夢でと 願う夜」

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「これ、自分で書いて1回デモにして、歌い終わった後に『怖ー』て言ってるんですよ。(笑)だって最初は『もう夢とかに出てこうへんくていいよ、別に。そんなんもう無理せんと、なんか、やめて!』とか言ってるのに、サビの最後では、出てほしいんかいー!っていう。どっちやねん!っていう、私のメンタルのぐらつき加減がすごい歌詞に出てて怖いなと思いました。でも、恋愛てこういうもんやなって。男女の恋愛感て違うとか言うじゃないですか。男の人は枝になってて、女の人は1個ずつがゴミ箱に行く、っていう。男子はフォルダがあるけど女子はゴミ箱にあるみたいなって言うけど、でも、やっぱ女の子にも女々しいという言葉が必要なときがあるなって。夢で教えてもらったというか。」

そして、歌詞のなかで、先日ゲストにお迎えした、バンド、神はサイコロを振らないの柳田周作さんも すごいと話していた言葉、『かき氷の雨』そして、『勘違いの苺味』。この部分については、こんなHidden Storyが。

「もうこれネタバラシすると、あぁそれやったんか!てなるかもしれないんですけど。『かき氷の雨』は、その日、みぞれが降ってたんですよね。私は雪の日はすごく嬉しいけど、みぞれのときはがっかりするんですよ。みぞれかー!濡れる!って。でも雪のときは体に降り積もってくれるから、外に遊びに行ってワクワクしてワー!とかできるけど、みぞれかぁあって、いつも思ってるので。なんか悲しいときとかなんか残念だったときに浮かぶワードだったんだなって。今年、降ったみぞれのときに『かき氷の雨』っていうのが出てきました。その後にこの『勘違いの苺味』っていうのも出てくるんですけど、『かき氷の雨』っていうフレーズ・歌詞が出てきたので、かき氷と言ったらイチゴ味やなって自分は思って。でもこの歌詞の中で出てくるイチゴ味は全然甘くなかったっていう。」

aikoさんは、詞を先に書いて それに曲をつける、という方法で作曲をされていますが、そのメロディ、、、どうやって生まれるのでしょうか?

「もう、歌詞。歌詞です、歌詞を見て歌詞の言葉で浮かびます。だから歌詞がないと、逆にああいうメロディーは作れないというか、『ららら~』とか『んーーー』とかハミングで作ったりすると、自分の許容というか、想定内の中で作ってしまうんです。言葉って、とがった言葉とか、丸い言葉とかいっぱいあるじゃないですか。攻撃的な言葉に感じるなこのワードとか、そういうとき勝手にメロディがそっちに行くんですよね。だから歌詞から曲を書くと、いつもこういう感じになるのかなと。あと、歌詞が言いたい言葉をどうしてもはめたいので、メロディが変わったりします。」

この『言葉』について、もう少し聞いてみました。

「言葉ってやっぱり面白いですよね。結構、癖で、看板とか見て看板の言葉でキャッチをつけたりするのも好きなんですよね。普段生活してて、これからご飯を食べに行く。そこで頼むのはステーキにしようか、それとも、パフェにしようかとか言う言葉を全部歌にするっていうゲームが好きなんです。言葉につける音楽がすごい楽しくて好きなんですよね。うるさいと思います。いつも、どっか行こうぜ、とか言うときも『どっか行こうぜ!!~♪』とか言っちゃうんです。(笑)その長いやつを作って歌うからすごく鬱陶しいと思います。(笑)」

『ねがう夜』。アレンジを担当されたのは、トオミヨウさんです。aikoさんとは、どんなやり取りがあったのでしょうか?

「なんとなくの漠然とこんな感じがいいですっていうのをお伝えして、そっから1回トオミさんがアレンジを上げてきてくださるんですけど、私は何か普通に『♪♪♪』みたいな感じで弾いてたんですけど、そこにトオミさんが『♪♪♪』てつけてくれたっていう。どんどん積み重なっていく音の感じがやっぱ興奮しますね、すごく。で、あがってきたアレンジで興奮して、それこそ、その『勘違いの苺味』のフレーズはその後に思いついて、更に付け加えたんですよね。もう1回転調したいなと思って、ここでこうやって転調をしてここに戻りたいっていう、その音源をまたトオミさんに送って、トオミさんは付けてくれた、それをさらにまたアレンジしてくれました。」

最後にうかがいました。これから、どんな音楽を届けていきたいと思っていますか?

「これはずっとデビューしたときから変わらない気持ちなんですけど、やっぱ楽しく、そして切なく、音楽を届けていけたらいいなと思います。いろんな状況であっても音楽を届けていけるラジオがあったり、いろんな届けられるものがたくさんある限りは、もうたくさん曲作って届けていきたいなって思います。変わらずして変わっていく。そして、楽しく切なく、生きてきます。」

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aikoオフィシャルサイト