今回は、miletさんのニューシングル『hanataba』に収録された2曲。Bluer】、そして【GREEN LIGHTS】のHidden Storyシングル『hanataba』の2曲目は、兵庫県にオープンした神戸須磨シーワールド 公式テーマソングBluerこの曲はどんな経緯で制作が始まったのでしょうか?

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「須磨シーワールドさんから公式テーマソングを書いていただきたいと嬉しいことを言っていただきまして。私も"はい、喜んで"っていう感じで、すごく嬉しかったんです。動物も好きだし、海の動物では私はシャチが1番好きなんですけど、偶然にも須磨シーさん...須磨シーって言うんですって、須磨シーワールドさん。須磨シーさんの推しが今回はシャチということで。私も会いに行ってきましたけれども、すごく元気で可愛らしいシャチの親子、ステラとランが泳いでいまして。シャチショーもあるんですけど、そんなところのテーマソングを書かせていただけるということで、私は昔からすごいシャチの生態だったりについて調べていたんですね。なので、シャチみたいな曲になっちゃうだろうなって思ったんですよ(笑)。でも、ポイントとしてシャチを推していきたいっておっしゃっていただいたので、じゃあもう気兼ねなくシャチな曲を書こうと思って。もう私の中でBluerは、ほぼシャチの曲です。」

気兼ねなくシャチの曲を書こう...でも、シャチの曲ってどんな曲を書けばいいのか??miletさん、曲を書くにあたって こんなこともされたそうです。

「別の水族館でシャチショーを見に行ったんですね。それで、シャチとトレーナーさんの交わっている姿とか、その絆っていうものにすごく感動したんです。だから、この曲はぜひ飼育員さんとかトレーナーさんにもすごく届いてほしい曲だなと思って。メロディーでも、たくさんその想いは込めているんです。間奏の部分では、2番が終わったところで、2つの声の旋律が絡み合うんですよ。高い声と低い声でコーラスが重なり合って混じり合っていくんですけど、そこなんかは特に、高い音は人間のトレーナーさん、低い声はシャチをイメージして、シャチショーのような人間と動物たちの重なり合っているをイメージして音を作っていったりもしました。 あと、シャチには鳴き声があったりするので、イントロではシャチの鳴き声に聞こえるような音をサンプリングして使ったりもしています。私の中のシャチのイメージと、水族館のイメージと命が重なり合っていく模様みたいなもの。もう母なる海をイメージ体現したようなところで曲を作っていきました。」

さらにシャチとのエピソードを教えていただきました。須磨シーワールドを訪ねた時、こんなことがあったそうです。

「私、2回行かせていただいて。ミュージックビデオ撮影の時とオープンイベントの時に見に行かせていただいて、その両方でシャチと会うことができたんですけど、なんか寄ってくるんですよ。すごいね、私の方まで寄ってきてね。懐いてるのがよくわかるんですよ。特にMV撮影で最初に行った時はステラっていう38歳のシャチと仲良くなったんですけど、"また来るね""今度はイベントで歌いに来るからね"って言ってバイバイしたんですけど、その数週間後にまた須磨シーさんでイベントで歌わせていただいた時、向こうからステラが寄ってくるんですよ。私に気づいて寄ってきてくれて、"来たよ"って言って。"わかる?"って言ったら、"うんうん"って頷くんですよ!すごくないですか?もうシンパシー感じちゃった。」

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シングルの3曲目、【GREEN LIGHTS】についても伺いました。GREEN LIGHTS】というのは、2020年にmiletさんが予定していた初めてのツアーのタイトルで、その時はコロナのこともあり公演がキャンセルに。その後、今年 同じタイトルのもと、ツアーが開催されました。

「コロナが始まる時だったんですかね。なので、感染拡大を案じて全公演中止になったライブが【GREEN LIGHTS】っていうツアーだったんですけど、今回また【GREEN LIGHTS】を持ってきて内容を考えてる時に、4年前に考えていた、イメージしていたGREEN LIGHTSと今見えてるGREEN LIGHTSって違うなと思って。GREEN LIGHTSっていうのは、信号でいう青信号だったり、進めっていう意味合いを持つ言葉なんですけれど、あの時見えていた、視界がクリアに開けて、ただただ進めると思って希望に満ちていた私と、今は色んなことを経験して時間が経って見えている青信号っていうのは、当時とはまた全然違うもので。踏み出そうにも勇気がいるし、今は責任もあるし、プレッシャーもあるし、ちょっとその青信号にも雲がかかっていたりもするし。なんかそういった迷いだったり、私の中の葛藤みたいなものも、今年の【GREEN LIGHTS】にはすごく含みたいなと思って作りました。」

miletさん、今後についてはどんな曲を、どんな音楽を 届けていきたいと考えているのでしょうか?

「なんか【hanataba】を作ってみて感じたことでもあるんですけど、あえてみんなの側に行こう行こうとせずとも、自分の内側を正直に歌うことで、それに共感したり、聞いてくださる方自身がご自身と重ねてくださることっていうのはあるんだなっていうのをすごく確信したので、私はこれから自分の悲しさとか恥ずかしいこととか、そういった自分から見て晒け出したくないものも含めて、自分のためにも歌ってみたいなって、これからそういう歌にも挑戦したいなって思いました。やっぱり音楽は無限だと思うので、作っているのが楽しいし歌うのも楽しいし、自分の新しい声を見つけた時の喜びっていうのもあったりして。やったことのない音色によって引き出される自分の歌があって、その中には自分の心も含まれているので。やっぱり自分を見つけられる場所が私の中で音楽なので、ただただ楽しんで。それは挑戦っていう重い意味合いでもなく、やってるのが楽しいからやってます。」

milet