今回は、あいみょんさんのニューアルバム『猫にジェラシー』のHidden Story。
アルバムの１曲目は、【私に見せてよ】
「始まりのような、オープニング感みたいなものがこの曲には欲しくてアレンジもそういう方向性になったんですけど。短い楽曲を1曲目に持ってくるのって結構好きやったりするんですよ、私。前作はそうじゃないですけど、前々作とかそうだったんです。なんかちょっと、本でいうと前書きみたいな、そういう雰囲気がアルバムにあるといいなあと思ってこの短い楽曲を1曲目にオープニングとして持ってきました。
トータルで2分ちょっと、まさに〔前書き〕的な【私に見せてよ】。付き合っている二人のシーンが楽しげなメロディと共に描かれているんですが、歌詞のこの部分が、チクッと刺さります。「どうして知らないことが増えるのかな 全てを見せた後に」
「ここの歌詞がこの曲の1番のポイントだったのでよかったです（笑）これはだから、私が皆さんに問いかけてるって感じ。私に教えてほしい。どう思いますか？って。なんで知らないことが増えるんでしょうか？全て見せた後に。全部知ったつもりやったのに、なんで一緒になったら知らないことが増えるのかな、っていう。どうしてやと思いますか？って。私、全部さらけ出したのに、なんで隠し事が増えるんでしょうか？なんで知らないことが増えるんでしょうか？っていう、恋愛においての不思議。」
そして、アルバムの２曲目はドラマ《アンメット ある脳外科医の日記》の主題歌、【会いに行くのに】。
歌い出しは、＜冷蔵庫の中には食べ損ねたラブレターひとつずつ ひとつずつ 白くなる＞。
「この曲はドラマの書き下ろしやったんですけど、記憶っていうものが《アンメット》はテーマになっていて、脳外科医の話だったので。2023年の末頃からお話いただいて制作が始まってたので寒い時期ではあったんですけど、冬の時期になったら私が思い出す苦い思い出みたいな記憶があって、自分のその記憶をちょっと掘り起こして書いてみようかなって。それはバレンタインデーの記憶で。私、バレンタインめちゃめちゃ苦手で、お菓子作りも全然好きじゃないですし、お菓子作りが好きって言えたら可愛いかなとか思うんですけど （笑）全然そんなことなくて。それで、当時お付き合いしてる人にバレンタインを作ったんです。作ってほしいって言ったから作ったんです。それで渡したんですけど、何日経っても手つけてなくて、冷蔵庫の中でずっとずっとそのチョコレートがあって。だんだん、やっぱ白くなってく、チョコレートって。ふざけんなよと思って（笑）。そういう記憶からこの入り口が始まりました。」
そして、この曲についても伺いました。バンド ミツメの川辺 素さんによるサウンドプロデュース・アレンジで、バンド DYGLのメンバーなども演奏に参加したナンバー、【ラッキーカラー】
「アルバムとなると色んなアーティストさんが一気に参加してくれるので、もちろん初めましての方もたくさんいるんですけど、特に川辺さんが連れてきてくださるアーティストさんは初めましての方がすごく多くって。DYGLの皆さんも初めましてで年齢もそんなに変わらないので、わいわい。なんか大学のサークルっぽい感じが...サークル経験したことないですけど（笑）ぽさがある気がして楽しかったですね。みんなでエッグタルトとか食べながら、コーヒーいる人～？とか言いながら、なんかわいわいレコーディングできて楽しかったです。この曲は楽器もボーカルも1日で録ったんですけど、先に楽器録って"皆さんお疲れ様"って感じなんですけど、私がボーカル録り終えるまでいてくれて。えーみたいな、帰ったらいいのにみたいな。ありがたーっていう。優しい皆さんと一緒にレコーディングできてよかったです。」
そしてこの【ラッキーカラー】、＜今日もまつ毛を空に高く上げる＞今日のまつ毛に雨が降りませんように というように、歌詞では［まつ毛］が ひとつのポイントとなっています。
「女性はまつ毛大事にしてる人多いんじゃないですか。やっぱり上げてこうって思ってるような。なんか眉毛って結構その時代の象徴で色々言われるじゃないですか。細眉、太眉とか。安室ちゃんが入ったときは細眉みたいな、安室ちゃんがやってるからみたいな感じとかあったりとかするんですけど、まつ毛もそれに近いものを感じるなと思ってて。私も昔、大昔ですけど学生の頃、もうむちゃくちゃ付けまつ毛付けてプリクラとか撮ってましたし。時代によって自分も変わってく、なんか毛ってそういう存在ですね。毛。そもそもまつ毛とかじゃなくて、毛って人間にとってすごく自分を象徴しますよね。今はこれにハマってるからっていうものって毛に表れる気がしてて。私は今は、今日はちょっと付けてるんですけど、マスカラをあまり付けずにビューラーというものでぐっと上げるだけっていうのにハマってて。この歌詞通りですけど、今日もまつ毛を高く上げる、っていう。でもそれは人それぞれで、マスカラで高く上げてもいいし、色んなやり方で高く上げて上向いていこうみたいな歌詞にはなってるんですけど。でもこれは女の子っぽく書いてますけど、男性ももちろんそうで。色んな人のまつ毛に雨が降りませんようにっていう歌詞になってます。」