今日1月8日は勝負事の日. 「一(イチ)か八(バチ)か」を「1と8」にかけて、いるのだそうです。初詣で「必勝祈願」をした、という方もいらっしゃるかもしれませんが、あの国での「神頼み、ゲン担ぎ」などはどうなっているのでしょうか。今朝も2つの国のお二人にコネクトしてお送りします。

「神頼み、ゲン担ぎ」はありますかという質問です。

アメリカ ニューヨーク、中村英雄さん

「ゲン担ぎはしますが神頼みはありません」

インドネシア ジャカルタ 雑賀こうじさん

「ゲン担ぎはありませんが、黒魔術があります」

アメリカ ニューヨーク、中村英雄さん

Q 神頼みはないんですね。

A アメリカに暮らしていると、つくづく合理的な国だなと思います。映画やお芝居の上だけでなく日常生活でも何事も白黒がバッサリとつけられてテンポよく、かつ後腐れなく進んでゆきます。そんな中で、勝敗や運命の行方が不安なとき、「ゲン担ぎ」...あるかと思いきや、あんまり遭遇しません。受験生が「合格祈願」のために、近所の教会で願掛けしてもらうようなこともありません。大体、自分の実力で挑戦する試験などは、たとえ不合格となっても精一杯やった結果なのだから、と素直に納得して明日のことを考えます。「合格したから、お礼にまたお参りする」みたいな習慣もないですね。

Q ゲン担ぎのようなことはあるんですか?

A 野球では時々、ジンクスはありますね。例えば、投手がやたら調子良く、5回まで無失点、無安打、無走者。「おや、ひょっとしたら、これはノーヒット、ノーランの可能性あり?」の雲行きになってきたら、まずベンチで「ノーヒットノーラン」を口にするのは厳禁。いよいよ達成間近となると、選手一同一言も発しません。またゲンを担いでヒゲや髪を切らない選手が多いです。昨シーズン、久々にナ・リーグ優勝を果たしたメッツでも投手陣はみんな長髪に、打者はヒゲぼうぼうになりました。ただ御守りなどは個人の宗教や家の習慣で様々ですよね。日本のような社会(コミュニティー)で共有するものが比較的少ないと思います。

インドネシア ジャカルタ 雑賀こうじさん

Q そちらではゲン担ぎがないんですね。

A 日本と違い、インドネシアではイスラム、ヒンズー、キリスト等の宗教を敬虔に信仰しています。ですので、幸運を呼びこむためには、神様にお祈りするのが一番の方法、ということになります。「茶柱がたつといいことがある」のような、日本で言えば「迷信」のようなことは結構広くあります。これは、インドネシアでは「ミトス」とよばれ、

・右手がかゆくなると、幸運が訪れる。左手がかゆくなると、何かをなくす。

・まつげがおちると、誰からその人のことを思っている。

・せきが出ると、誰かがその人のことをうわさしている。

等があります。

Q  「黒魔術」とはなんでしょうか?

A 宗教を敬虔に信じている一方、インドネシアでは、矛盾するようですが、多くの人が「黒魔術」を信じています。

黒魔術の例としては、

・ムカデが家に入ると、悪いことが起きる。

・夜に鳥の声が聞こえると、身近な誰かが死ぬ。

等があります。「ミトス」と似ているのですが、ミトスと黒魔術の違いは、

・黒魔術は、誰かが、かけたい相手に、仕掛けていると信じられていること

・黒魔術の効果は、本当に起こると信じられていることです。

急激な経済発展が進むインドネシアですが、近代と前近代的な要素が入り混じった混沌としたところが、面白いところです。