例年、春のこの時期、列車のダイヤが改正されます。今年は、あす、JRや一部の私鉄で、特急電車や通勤時の列車が増発され、発車・到着時刻が変わります。日本の鉄道の正確な運行は、世界トップレベルと言われますが、海外では、通勤時の列車、定刻通りに運行しているのでしょうか?今日も2つの国に電話をつなぎ、お話を聞きましょう。
「通勤時の列車は定刻通りに運行していますか?」
イギリス ロンドン 内山 昇さん
「地下鉄は、時刻表じたいがありません。 」
韓国 ソウル ヤン・ジョンミさん
「時々、遅延する」
イギリス ロンドン 内山昇さんです。
Q 時刻表がないんですね!
A プラットフォームの掲示板にはどこどこ行きの列車はあと5分、その次は7分とか表示されますが、あくまでも見込みで遅れることも多々あり。なのでそもそも計画を立てようにも立てられません。とはいえ、次のバスや地下鉄が何分後に来るか地図で分かるスマホのappもあり、通勤、通学する前に、チェックしてから家をでることもできるようになり、朝のストレス軽減に役立っています。
Q すると満員で乗れないということもあるのでしょうか
A 紳士の国イギリスでは、日本の通勤列車のようにおしくらまんじゅうして乗り組むのはマナー違反。すると車内からブーイングが出ます。さすがにいくら紳士でも2本くらい見逃すとイライラしてくるのは仕方ありません。隙間を見つけ、他の乗客を強く押さないよう注意しながら、大きな体を丸め何とか乗り込みます。そんな時、比較的小柄な日本人は隙間に入りやすいのでラッキーです。
Q 通勤の電車の遅れに職場ではどう対応するのですか
イギリスでは日本と違い、通勤定期代は基本的に会社持ちではなく自腹です。郊外に住む友人は定期代で月々6万円の交通費を給料の中から払っています。働くのは都心でも郊外のいい環境に住みたいという人も多く、1時間~2時間かけて通勤するひとも多くいます。地下鉄では遅延証明書などを出しません。
ロンドンは市内の地下鉄、バス、トラム等の公共交通は、TFL (ロンドン交通局=Transport for London)が運用し、ゾーン制の料金体系が適用されていて、遅延の際の振り替えなどは、区間内であれば自由にできます。このような事情から会社の上司は、遅刻にいちいち目くじらを立てません。
逆にボス自身が遅れてくることもあり、あー今朝もひどい目にあったと言ってお互いを慰めあうのが朝の挨拶の風景。但し、寛容な会社でもさすがに何日も続けて遅れると、それだったらもう少し早くでればとアドバイスをします。そこは部下も部下でなれたもので、遅れた時間だけ、終了時間の後少々残ったりすることもあり、現場で対応しています。
韓国 ソウル ヤン・ジョンミさん
Q ソウルは東京のように通勤時の混雑がひどそうな印象があります。列車が遅延するとどうなるのでしょう?
A 韓国の場合、通勤時間に別に出勤する会社員たちに向けてこれといった対策や政策はないです。ただ、地下鉄のせいで遅刻をする場合、「簡便遅延証明書」が発給されます。「簡便遅延証明書」は突然の地下鉄の故障や事故で列車が遅延された場合、公式的に証明してくれる文書であって列車が5分以上遅延されるとき、 駅務室やソウル市内の交通公社のホームページを通じて発給されます。また、妊婦した産婦のために「配慮席」という「ピンクの指定席」が配置されているが、指定席ではなくあくまでも配慮席なのでなので地下鉄で出勤をする妊婦が座ることのできない場合も多いです。
特に通勤時間帯には地下鉄の利用者が多く、人が溢れるほど多い路線は「地獄鉄」という表現をしたりもします。最近はソウルの住宅価格が高すぎてソウル近郊に引っ越したり、行政首都がソウルから世宗市というところに移されてから日本の新幹線のような高速鉄道を利用する人も多いが、このKTXの定期券を利用すると一般料金より半額程度の割引価格で通勤するができます。
ただし、週末や休日には使えないため、週末に通勤する人たちの不満も高く、指定席ではないので毎月3~4万円という高い料金を支払いながらも区間によっては座れない不便を経験することも多いです。