タクシーなどの配車サービス。みなさん、利用されていますか?オンラインの配車サービスだと、国内のタクシー会社が合同で運営されているものや、UBERが代表的なものだと思いますが、どんどん便利になっていますよね。海外の事情はどうなんでしょう?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。
「UBERのように配車アプリは多く使われているのでしょうか?」
韓国 ソウル ヤン・ジョンミさん
「多い」
アメリカ フロリダ 大西良子さん
「行政による配車サービスが多い」
●韓国ソウル ヤン・ジョンミさん
Q 自動車の配車アプリを利用する人は多いとのことでした。どんな配車アプリがあるのですか?
A 韓国では、カカオタクシーやティーマネータクシー、Tマップタクシーなど、タクシーアプリケーションが活発に利用されている。その中で最も多く利用されている配車サービスは、カカオタクシーである。
Q カカオタクシーというアプリ。どんな点が人気なのですか?
A カカオタクシーはタクシー配車サービスを一番先に始めただけに、利用客も多く、一般的によく使われている。さらに、今年4月からは部分有料化を始めて、1000ウォン(100円くらい)の追加料金を払えば、素早くタクシーをつかまえてくれる「スマート呼び出しサービス」も開始された。週末やタクシーがなかなかつかまらない夜の時間帯には、スマート呼び出しサービスを利用すると便利だ。利用方法は簡単で出発と到着地の住所や建物の名前を入力して検索した後、地図上で位置を選択すればよい。また、決済方法は使用者本人のカードや現金、連携されたカカオペイに登録した口座に自動振替も可能だ。タクシーの車種も中型や大型、模範タクシーなど選択することが可能。普通1~2分で配車されるが、周辺にタクシーがない場合は3分以内、4分以内、5分以内など、検索範囲を広げて配車をしてくれる方式だ。
●アメリカ フロリダの大西良子さん
Q フロリダは行政による配車サービスが進んでいるとのことでした。
A はい、私の住む地域ではシニアに限らず車が運転できない人のためにドアツードアの行政サービスがあります。郡が運営するバス(都バスみたいな感じ)が配車サービスを実施しています。というのも、私が住む地域には約30万人が住んでいるのですが4人にひとりが60歳以上、10人にひとりが退役軍人。アメリカは車社会として知られていますが、人権のひとつとしてすべての人が自由に行き来できるようにする、というのがあるんです。パラトランジットともいわれ行政的には2つのサポートによるもので、ひとつは米国連邦政府レベルの法律「アメリカンズ・ウィズ・ディスアビリティーズアクト」(Americans with Disabilities Act-ADA)。そして、貧困、精神的障がいなどで車が持てない人の運輸手段を提供する州レベルの「トランスポーテーション・ディスアドバンテージド・サービスプラン」(Transportation Disadvantaged Service Plan-TD)この両方からの補助を得て運営されているようです。
Q 具体的にどのように使うことができるサービスなのですか?
A 私の知っている人でサービスを利用している個人はいませんが、サービスを利用している人や団体を見たことは何度もあります。たとえばスーパーで買い物をしているときに、突然シニアが12人くらいどっと入ってきたり車いすの人が付き添いの人に商品を選ぶよう頼んでいたり。すると外には自治体のミニバスが待機している、というような具合です。
配車サービスには4タイプあります。週2回以上、同じ場所を往復する「サブスクリプション・サービス」と、1日から14日前までに予約して配車を頼む「アドバンスト・リザベーション」、7人以上が週5日間ライドシェアする「ハイボリューム・グループ」。そして「セームデー・ディマンド・リスポンス」これは配車を当日頼むものです。ただケースバイケースで普段かかりつけのお医者さんに行くなど条件があります。このほか遠くの地域に住んでいる人には町の中心部に行くためのミニバスが午前7時ピックアップで午後1時半に戻るというようなものです。
Q どのくらいの料金なのですか?
A 運賃は20回分の回数券が70ドル、ですから片道3ドル50セント。400円弱ですね。通常の公共バスの運賃が1ドル75セント、シニアの場合30日の定期券が35ドルなので、ドアツードアのサービスはやはり割高です。3人乗りの乗用車から14人乗りのワゴン車やミニバスが25台あり、車椅子はどのバスにも2人分はいつも確保されています。
Q 利用するために、申し込みが必要ですよね?
A 申し込みするときには、どうして公共交通機関(バス)に乗れないかの理由書をつけます。けがをして歩けないなどの状況があれば、シニアに限らず、利用できます。申請が認められれば、だいたい2週間くらいで許可がおり、身分証明書をもらうそうです。
実際の利用状況はというと、年間で16万回出動、利用者ひとりあたり平均1ヶ月に11回使っているそうで、利用目的は通院や歯医者通いが45%、学校への登校や通勤が25%、このほか「栄養摂取」のためのスーパーの買い物、「ライフ・サステイニング(人間として生きるために必要なこと)」という理由で、銀行への往復はじめ、施設にいる配偶者に会いに行く、など娯楽なども含め個人的な理由の外出などのための利用も認められています。
もちろんこうした行政サービスのほかに民間のシニア向けのタクシー会社、ウーバーやリフトなどもありますが、もちろんコストは高めです。またウーバーやリフトはタクシーよりも若干割安ですが、スマートフォンが使えないと、乗れないので、シニアにとっては使いにくいサービスかもしれません。