8月最後の日。今週からすでに新学期が始まっている学校も多いようですが、学生のみなさん、夏休みの宿題は無事提出できましたか?自由研究、読書感想文などいろいろあると思いますが、海外では、どんな夏休みの宿題があるのでしょう?また、日本で昨今問題になっている、宿題代行などもあるのでしょうか?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。
「学校で夏休みの宿題はありますか?」
フランス パリ ドゥヴィアンヌ園子さん「宿題は出ません」
中国 北京 鈴木晶子さん「大変な量がある」
●フランス パリ ドゥヴィアンヌ園子さん
Q 夏休みに宿題は出ないのですか?
A フランス及びヨーロッパは新学期が秋なので夏休みは学年の変わる長いお休みとなります。ですから担任の先生も変わるし宿題はでません。
Q そうでした。新学年でしたね。そうなりますと、長い夏休みをお子さんはどのように過ごすのでしょう?
A 冬は夜がとても長いかわりに夏は太陽が出ている時間が長いのでアウトドアーの活動を皆楽しむのです。子供たちもとにかく野外で自然の中で夏休みを過ごすことを学校も親御さんも希望しますから机に向かっての宿題というのは誰も考えたくないようです。
スポーツ合宿みたいな滞在や、外国語に親しむホームステイなどが夏休みには好まれるプログラムです。
でも丸々2ヶ月も続く夏休みに学校で習った勉強の復習や次の学級で習う科目の予習をさせたいと思うのはどちらの親御さんも一緒のようです。夏休みの練習帳というのが六月末からスーパーマーケットなどで一斉に売り出されるのです。クイズなども混ぜて年齢に合わせた算数国語地理歴史の問題集です。安価ですし、これを一冊子供にもたせて夏の合宿やホームステイにいかせるようです。
中国 北京 鈴木晶子さん
Q 中国では、大量に宿題が出るということですが、どんな宿題があるのですか?
A 中国は普段の宿題も毎日、夜10時11時まで寝られないぐらい量が多いのですが、夏休みの宿題もやはりすごい量です。小学生低学年でも毎日2時間近くコンスタントにやらないと終わらない量がでますし、中学生になると毎日3時間以上かかる量がでます。なので、旅行へ行ったりして宿題を貯めてしまうと、それを取り戻すために何日も朝から晩まで机に向かわなければならなくなってしまいます。中国の友人に「各科目何ページぐらいずつやるの?」と聞いたところ、「何ページじゃなくて、各科目ドンッと1冊」との答えが......夏休みの宿題を最後の数日でまとめてやる――などということは、物理的に無理なのです。
小学生のうちは主に国語、算数、英語で、国語は漢字書き取りを毎日、算数は計算を毎日、英語は単語練習を毎日、それに算数のイラスト付きレポート数枚、読書感想文を数枚、絵日記、植物の観察日記などがプラスされます。
中学は国語、数学、英語、物理、化学、生物といった科目すべて問題集1冊分でます。それだけでなく、国語の一環として論文、英語の論文などがプラスされます。
Q お子さんは大変ですね。これすべてこなせない子もいるんじゃないですか?
A もしやらなければ、評価が下がり、最悪、進級できないこともあるんです。
国は小学校、中学校ともに留年、飛び級が認められているので、生徒も親も必死なのです。宿題のあまりの多さに「子供の過労死」が社会問題となるほどで、宿題を少なくしようという動きもあるのですが、そうなると「子供の学力が下がってしまうのでは...」と心配する親の声も出てきたり、なかなか難しい問題なのです。