きのう11月15日は、「七五三」でした。

ご家族みんなで神社にお参りに行き、お子さんの成長を、3歳、5歳、7歳のときにお祝いするという日本の伝統習慣です。ところで、海外では七五三に相当するような「お祝い」はあるのでしょうか?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。

「七五三さんに相当する行事、お祝い事はあるのでしょうか?」

ポーランド  ワルシャワ マルタ・カルツさん

「8歳でカトリックのコムニア(komunia)という儀式がありますが、大人になるという意味では18歳の方が大きなパーティをします」

メキシコ アグアスカリエンテスの府川祐子さん

「現地の言葉では、3歳の時に教会に行くのを presentación de tres años プレセンタスィオン デ テレス アニョス」

●ポーランド ワルシャワ マルタ・カルツさん

Q 七五三のようなものは、やはりカトリックの行事なんですね。

A コムニアはカトリックの共同体に仲間入りするための行事です。毎年5月、8歳前後の子供に対して行われます。男の子はスーツを着て正装し、女の子は白いウェディングドレスのようなワンピースを着て儀式に臨みます。ある種、日本の七五三に近い行事のように思います。コムニアのための特別なケーキを用意することもあります。教会へ献金の他、レストラン代、ケーキ代、衣装代に靴代がかかります。コムニアはたった1日だけでは終わらず、1週間ほど連続で正装をして教会へ通うことが義務付けられています。

Q 18歳のパーティが大人の仲間入り、とのことですが、こちらはどうですか。

A 日本の成人式にあたる行事はありませんが、この日は自宅やレストランで食事をしたり踊ったりして祝います。法律上は飲酒や喫煙が可能です。そしてマトゥーラ(高校卒業試験兼大学入学資格)の100日前の2月頃、ストゥディノフカ(Studniowka)というダンスの行事があります。高校3年生がこれにはダンスのパートナーを探し、カップルで参加します。男性はネクタイにスーツで、女性は大人っぽいセクシーなドレスを着ます。ダンスの1曲目はポロネーズという、ポーランドの伝統的な踊りを踊り、男女が片手を繋ぎ、背筋を伸ばして踊る社交ダンスのようなものです。

●メキシコ アグアスカリエンテの府川祐子さん

Q 七五三に相当するお祝いごとがあるんですね!

A はい。カトリック信者が大半をしめる国ですから宗教に因んだ行事です。子どもが産まれるとできるだけ早く教会で洗礼式を行います。パドリーノ、とマドリーナ(代父、代母)をお願いし、赤ちゃんには白いドレスを着せて、カトリックの名簿に名を連ね、神様に子の成長を祈ります。

子どもが3歳になった時、教会に連れて行き、ミサをします。これは、イエスキリストが3歳の時教会に行き、大人顔負けの教義の演説を行った事にちなんでいます。男の子はスーツにネクタイ、女の子はドレスを着て髪を結い、晴れ晴れとした顔で教会に行きます。両親や祖父母の意向で、出身州の民族衣装で着飾る子供もいます。ミサの後は、親戚もいっしょに食事をします。次の行事は9歳ころ、カトリックのお祈りを教会の教室で学んだ子供のプリメロコミュニオンと言って、初めて聖体拝受をする行事です。男の子はスーツ、女の子は白いドレスを着ます。次の華やかな行事は、なんといっても女の子の15歳の誕生日を祝うキンセアニョスです。結婚式にも匹敵するこの行事はスペインから伝えられたもので、昔、15歳の女の子が、社交界にデビューする時の行事から来ています。ロングドレスを着て、身内や知り合いの中でハンサムな男の子を従えてダンスをし、父親は成長した娘に目を細めます。結婚式に負けない費用をかけて、グランフィエスタをします。どの行事も招待客はプレゼントを持って、参加します。