コロナ禍で、自宅での食事の機会が増える中、手軽に調理ができる冷凍食品の需要が伸びています。日本冷凍食品協会によると、国内で生産された家庭用の冷凍食品は昨年が79万8667トンと過去最高を更新。今年はさらに増える見込みなんだそうです。また、スーパーや百貨店では冷凍食品コーナーを拡大させたり、冷凍食品の専門店がオープン。高級な商品も注目されるなど、空前の冷凍食品ブームが到来しています。

そこで、この時間は「世界の冷凍食品事情」と題して、2つの国、2つの街の番組通信員の方に回線をつないでお話を伺います。
●フランス・パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む柳瀬充さん
Q1 フランスの冷凍食品といえば、日本にも進出して話題のピカールですが、パリでの人気ぶりはどうでしょうか?
A1 ピカールの人気は以前にも増しており、全ての忙しい人に必須な店になっています。特に共働きの多いフランス家庭では重宝されています。価格、食品の多様さ、利便性の揃った専門店なので、マルシェの生鮮食品とはまた違った使い方が定着しつつあるように思えます。
Q2 ピカール以外のメーカー含め、フランスでは冷凍食品業界自体が盛況なんでしょうか?
A2 そうですね。ピカール以外にもティリエという冷凍食品店も各地に展開しており、ピカールとはまた違った特徴で人気を博しています。コロナ禍の影響もあり、外食人口が減りお家で食べる人の増加が、大きく影響しているのだと思われます。
Q3 ちなみに、柳瀬さんが召し上がられて、お気に入りの冷凍食品は?
A3 私自身そんなに頻繁には行かないのですが、年明けのガレット・デ・ロワの時期は色んな味のガレットがあり、フェーブも可愛いので家用に買いに行ったりしています。ピカールのデザートは見た目も綺麗で美味しいと評判です。
Q4 「フランスにはこんな冷凍食品もあるんだ」と驚いたメニューは?
A4 フランスの冷凍食品店には、エスカルゴのクリーム煮やパイ包み焼きのようなフランスの伝統料理がパッケージングされて売られており、調理済みの状態なのでレンジかオーブンで温めるだけですぐ食べられるのです。この手軽さは良いですね。
Q5 レストランを営む柳瀬さんにとっては商売敵になっているかもしれませんが、冷凍食品について思うことは・・・?
A5 食への考え方が変わってきているこの時代に、家庭にストックしておけて簡単に美味しいものが食べられるのは必然的だったと思います。なのでレストランは家庭では体験できない空間や感性、料理を味わえる場所にしていかねばなりませんね。
●ブラジル・サンパウロ在住 / 吉川 真由美さん
Q1 ブラジルの冷凍食品ですが、やはりコロナの影響で需要が増えていたりするのでしょうか?
A1 確かにコロナ禍で外食することが減ってはいましたが、ブラジルではその前から冷凍食品を利用することは多かったと思います。特に、親が共働きで、小さいお子様がいる家族では、自炊の時間を減らすために冷凍食品を利用する人が昔より増えていると思います。
Q2 日本やほかの国にはない、ブラジルならではの冷凍食品はありますか?
A2 家庭的な料理を冷凍して売っているお店や、食品会社が作っている冷凍食品を売っているスーパーなどがありますが、ブラジル料理では黒豆と豚肉を似た料理「フェイジョアーダ」の冷凍品などがあります。
Q3 おかず一品ずつというより、料理そのものが冷凍されているほうが多いのでしょうか?
A3 おかず用のもので、オーブンや電子レンジで温めて食べるものや、コロッケのようなもので、解凍してあげるための冷凍品もありますが、料理として完成したものもあります。中には、ごはん、お肉、野菜炒めなどが全部揃った一人前のお弁当の冷凍したものもあります。このような冷凍品は、電子レンジで温めるための使い捨てのお皿にのっています。個人的にはあまり食べませんが...解凍する方法を知らないで温めたりすると、おいしくなくなります。でもたいてい、パックや袋に解凍する方法、料理の仕方などが書いてありますので、助かります。
Q4 吉川さんがお好きなブラジルの冷凍食品は?
A4 私が好んで買っているのは日本から輸入されている枝豆の冷凍食品です。ゆでて食べるだけなのでとても便利です。
Q5 ブラジルで日本の枝豆ですか!いいですね~日本食の冷凍食品も多いんですか?
A5 日本から輸入されたものだけではなく、ブラジル産の日本食の冷凍品もあります。例えば、手打ちうどん、春巻き、豚の角煮、肉まん、サンマの塩焼き、納豆など、いろいろあります。