2023年度が始まりました。都内の小学校はきのう、中学校と高校はきょうが入学式、という学校が多いようですね。新入生のみなさん、そのご家族・ご親戚のみなさま、ご入学おめでとうございます!

さて、この「入学式」ですが、海外ではほとんど行われていないそうなんです。そこで、時間は2つの国の番組通信員の方に回線をつないで、現地の事情についてお話を伺います。
●フランス・パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む柳瀬充さん
Q1 フランスの新学期のはじまりはいつでしょうか?
A1 フランスでは新学期の始まりは9月です。
Q2 日本ではいままさに入学式シーズンなのですが、フランスには入学式はないんですって?
A2 そうなのです。こちらでは入学式のようなセレモニーはなく、生徒は新学期初日にそのまま新しいクラスに配属され、授業を開始します。
Q3 たとえば、小学校のケースを想定して、事前に親が学校に出向いて説明を聞く、とかはありますよね?
A3 はい。親御さんへの説明会は前日にあるのですが、小学校の新入生は初日、親と一緒に教室の入り口まで行き、その後、教室にて新入生に担任の先生から簡単な説明があります。親から離れられない子も多いようですが。
Q4 バカンス終わりの9月で新学期を迎えるフランス、この時期はラントレ(再開)と言われているそうですね?
A4 そうですね。フランスでは新学期初日をラントレ(再開の日)と呼び、バカンス明けは新学期の準備が忙しくスーパーなどに特設されている文房具コーナーで必要なものを買い揃えます。こちらでは筆記用具含め、特に私立の学校では教科書も個別に準備する必要があるので手間がかかりますね。
Q5 なるほど、入学式はなくとも、節目を感じるタイミングではあるんですね?
A5 フランスの新学期は、子供も学校に馴染むのが大変ですが、親もヴァカンスから一転、学校の準備や所得税の支払い等で精神的にも浮き沈みが激しいので適度な気分転換が必要と感じます。そんな時は美味しいものを食べにレストランへ行くのもいいですね。
●韓国・ソウル / ヤン・ジョンミさん
Q1 韓国では、いつ新学期を迎えるんでしょうか?
A1 韓国は日本より1か月ほど早いです。新学期が3月に始まるので、入学式も3月の頭に行います。
Q2 韓国でも入学式って、あるんでしょうか?
A2 韓国にも入学式はあります。ただ、日本の入学式とはちょっと違って、会場は風船や花で飾りつけされています。特に記念撮影をするためのフォトゾーンなども設置し、家族や友達同士で記念撮影ができるようにする学校もあります。
Q3 写真撮影の比重が高いように思いますが、そうなると親御さんは、生徒の服装にかなり気を配るんでしょうか?
A3 そうですね。皆さんこの為に新しい服を新調されます。また親御さんはこの日は朝から美容室に行ってビシッと決められる方も
Q4 では、式の内容はどうなんでしょうか?
A4 韓国も体育館か運動場に集まって校長先生の話を聞きます。普通、入学式は午前10時くらいに始まり、1時間から1時間半ほどかかります。その後、各自クラスに行って担任先生と友達らと簡単なあいさつし、教科書などが配られますが、入学式当日の授業はないです。それ以外の特別なセレモニーはないですが、ご両親や兄弟などが参加してみんなで写真を撮ったり、花束を渡したりします。大体入学式が終わったら家族で特別な日に行くようなレストランやホテル外食をたりもします。また、入学式の前に親戚とか知り合いから学校必要なものを事前にプレゼントしてもらったりして必要ものをそろえます。
Q5 そのほか、入学式について話題はありますか?
A5 ドラマ「太陽の末裔」のソン・ジュンギさんが卒業した大学としても有名な「成均館(ソンギュングァン)大学」は、韓国の大学の中でも儒教的建国理念の基づいた私立大学なので、入学式など大きなイベントがあるときに伝統の儀式を行います。今年も新入生たちが儒教を学ぶ制服である青い伝統服装(チョングムポク)を着て学校の総長やご両親にお辞儀をする告由礼(ゴユレ)という儀式を行って話題になりました。特に今年の入学式には社会で活躍する卒業性や芸能人をはじめ、新入生の代表親が後輩と子供たちに祝賀メッセージを送って、入学を祝いました。