9月1日は「防災の日」、そして、そのきっかけとなった1923年の関東大震災から、ちょうど100年の節目の日となります。地震はもちろん、近年は、日本各地で大雨や台風による甚大な被害が発生しており、災害への備えは、より重要度を増しています。そこで、この時間は、2つの国の通信員の方に回線をつないで、「防災事情」を伺いましょう。
●カナダ・バンクーバー在住 / 窪田 誠さん
Q1 まずは、先日発生したカナダの大規模な山火事について教えていただけますでしょうか?
A1 先日の大規模な山火事は、主にオカナガン地方の都市ケロウナ周辺と、ケロウナから北に50kmのシュスワップ地方で、バンクーバーからはおよそ400km離れたエリアです。この山火事でも風向きによっては、バンクーバー近くまで煙が流れてきます。またバンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州に隣接するオーロラの聖地、ノースウエスト準州のイエローナイフも住民が全員避難と、山火事が猛威を振るっています。オカナガンとシュスワップでは300棟以上の家屋が消失し、およそ8千人が避難しており、5万4千人が避難勧告を受けています。そのためオカナガン周辺は夏の観光地ですが、旅行者の受け入れを止めてホテルを避難者や消防士のために確保しています。8月30日から被災されたエリアの住民の方も一部家に戻れるようです。今週始めから天気が雨に変わってきたので、これで少しは状況が改善されればいいのですが、同時に雷雨も多く発生し、雷で新たな火種ができてしまっているようです。
Q2 カナダの山火事の原因は雷が多いのでしょうか?
A2 山火事の原因は自然発生ですと雷ですが、人災も多く、タバコの投げ捨てや焚き火の不始末などが多い原因です。
Q3 人災を広げないような対策は行われているのですか?
A3 自然発生はしょうがないとしても、やはりタバコの投げ捨ての啓蒙運動や、夏のキャンプシーズンは焚き火の禁止です。防災の観点でお話しすると、私も夏は必ずキャンプに行きますが、木を使った焚き火ができないので、最近プロパンガスを使ったのファイアーピット(焚き火台)が使われています。ガスであればすぐに火が消えるので安全に使えます。また、近年強化されているのがスマホの警戒アラートやアプリです。山火事の対応として我々個人はスマホで「ファイアーBC」というアプリを入れると、今現在のブリティッシュコロンビア州の火事の状況が一目でわかり、道路の通行止め情報なども見ることができるので、一般人は山火事エリアに近づかないなどの情報が瞬時にわかるようになります。
Q4山火事以外の災害もあるかと思います。先のハワイ、マウイ島の山火事では避難サイレンがならされなかったりして甚大な被害が出ました。窪田さんお住まいの地域では避難の通知や備えなどはどういう状況でしょうか?
A4 ブリティッシュコロンビア州は海もありますので、太平洋の津波アラートなどもスマホで一斉通知がきます。(実際の通知はありませんが、定期的に訓練用の通知が来ます)海沿いの道路にも津波避難経路が書かれてるエリアもありますね。ブリティッシュコロンビア州政府からの災害の準備として、一般的ですがボトル水、缶詰、毛布、懐中電灯は必ず用意をするように言われています。
●アメリカ・フロリダ州の都市・オーランド在住 /安蒜 祐太さん
Q1 フロリダといえば昔からハリケーンの上陸が多いカリブ海に面している地域ですので、アメリカの中でも対策は進んでいると思いますが、いかがでしょうか?
A1 フロリダ州にはハリケーン等に備えて独自の厳しい建築規定があります。窓枠なんかも頑丈なものをはめ込んでいるところが多いと思います。ハリケーン通過前から電力会社の作業トラックがズラッとスタンバイしていて通過後すぐに停電復旧できるように手配されてるので安心してくださいというニュースが流れたりと、他の州と比べて頑丈な建物、対策・ノウハウが蓄積されており、速やかな対応が期待できると思います。私が住んでいる町では地中に電気ケーブルが埋めてあり、風の影響を受けないように設計されているので、ハリケーン直撃時でも停電の心配が低く、実際に去年のハリケーン「イアン」通過時も停電しませんでした。
Q2 フロリダではハリケーン以外に、どういった災害が想定されていますか?
A2 フロリダの雨季シーズン(だいたい5月~11月ごろまで)は、 ほぼ毎日のようにゲリラ豪雨・雷が発生して、運転中は前が見えなくなる くらい酷くなったりもします。だいたい30分~1時間でおさまります。 ハリケーンや日々のゲリラ豪雨による洪水や浸水、トルネード、森林火災、熱波などが想定されます。今年の夏は例年と比べて 一段と暑さが厳しく感じます。
Q3 ハリケーンを含む様々な災害に対して、自治体、学校や会社、また個人レベルで具体的にどういった告知システムや対策があるのでしょうか?(日本は避難場所が学校の体育館だったりしますが、避難先は?)
A3 自治体: X(旧Twitter)などSNSで頻繁に市民に対して情報提供している印象、シェルターなど避難所開設学校 :ハリケーンの通過前後に休校になります。ショッピングセンターなど商業施設やディズニーなどのテーマパークも営業時間短縮や閉鎖になります。個人レベル:水や食料など必需品だいたい1週間分くらいを買い込んで、家に籠もります。懐中電灯、ろうそく、ポータブル充電器など防災キットを揃えます。浴槽に水を溜めたりもします。フロリダは車社会なのでガソリン難民にならないために、車へのガソリン補給も最優先でやっておきたいです。だいたい2~3日前には満タンにしておいて、前日にはどのガソリンスタンドも売切れになってる場合が多く、ハリケーン通過後もしばらくガソリンが供給されない事態が想定されます。水や食料を中心にスーパーの品物も早くなくなるので、早めの確保を心がけてます。家庭によっては停電対策で自家発電機を持っていたり、地下にシェルターがあったりするという話も聞いたことがあります。