あさって、9月10日は「車点検の日」です。兵庫県自動車整備振興会が制定した記念日で、自動車整備の大切さをアピールし、交通安全につなげる日です。

日本の車検制度では、一般的な乗用車ですと、新車の場合、初回は3年後、その後は2年ごとに車検を受けなければなりません。そして、車検証の有効期限が切れてしまったら、公道を運転することができなくなっていまいますよね。そういったルール、実は国によってかなり違うそうなんです。そこで、この時間は、2つの国の通信員の方に回線をつないで、「車検事情」を伺いましょう。
●ドイツ・ミュンヘン在住 / 町田 文さん
Q1 ドイツの車検ですが、一般的な乗用車の場合の期限はどうなっていますか?
A1 日本と同じく、初回は3年、以降は2年ごとです。
Q2 ドイツでは車検はどういったところで受け付けているのでしょうか?
A2 ドイツ語では車検のことを一般的に「TÜV」(トゥフ)と呼びます。これはドイツ最大の技術監査協会の名前なのですが、車検は TÜVだけでなく他の民間の車検場でも受けられます。例えば私達はDekra(デクラ)という車検場を利用していますが、Dekraに任せている理由は乗っているルノーがDekraと契約しているからです。車検場同士での料金の違いはほとんどありません。
Q3 車検でチェックする項目についてはどうですか?
A3 本検査と排ガス検査があり、どちらの検査も必要です。本検査内容:タイヤ、ブレーキ、エンジン、ステアリング、照明装置およびその他の電気設備、サスペンションなど。環境適合性 (排気および騒音、オイルおよびその他の液体の損失など)もチェックされます。排ガス検査:一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、またディーゼル車の場合は微粒子の排出量を計ります。
Q4 日本では普通車の相場としては、ディーラーで4~10万円、民間の整備工場で2万円~65000円ほどですが、ドイツで、一般的な乗用車の車検にかかる、おおよその費用はどのくらいでしょうか?
A4 140ユーロ(22.170円)です(本検査+排ガス検査)。
Q5 日本だと10万円前後かかることがありますから、それに比べるとかなりお安いですね!ちなみに、車検が切れてしまった場合、日本では業者に依頼せずに自分で公道を運転してはいけないルールになっていますが、ドイツではどうですか?
A5 実は親戚に2か月ほど忘れた人がいたのですが、ドイツではそのまま運転しても良いことになっています。罰金の料金は何か月切れているかによりますが、最大60ユーロ(9.500円)で済みます。しかし車検の費用は2割増しになってしまいます。更に切れている間に事故を起こした場合、自動車保険側に償還請求を求められることもあります。また次回の車検は本来の有効期限を目安に受けないといけないため、通常よりも短い期間に二度車検を行うことになってしまいます。
●インド・ムンバイ在住、ハリーさんこと、小里 博栄さん
Q1 インドの車検はどうなっているのでしょうか?
A1 業務目的の商用車には「FITNESS TEST」は必要になってます。全ての商用車について、ディーゼル車は10年ごと、ガソリン車は15年ごとに検査が必要です。このFITNESS TESTが無いと商用車は運転できません。最近、2021―22年の国家予算で発表されましたが一般車両も20年に一度、FITNESS TESTが必要となりました。また、今後は車両の老化に伴い、車の使用年数から次のTESTが課さられます。SAFETY FIRST、安全第一を促進する中で大きな転換点だと言えますね。
Q2 商用車のディーゼルは10年、ガソリン車は15年、一般車両でも20年ごとって、かなり長くないですか?!
A2 ちなみに、ガソリン車の「15年のルール」で政府が使ってた15年以上の車について、なんと90万台の車が廃車になり、新しい車を導入する見込みとの方針も発表されてます。新しい車をCIRCULAR ECONOMY(循環型経済的)として増やす目的もあり、今後は車の廃棄事業、SCRAP事業も必要とされ、大きく変わる予定です。
Q3 先ほどお話しいただいた「FITNESS TEST」の期間でも当然、クルマの不調は起こったりしますよね?インドのみなさん、定期的な車の点検・整備はみなさんどうしているのですか?
A3 車メーカーが運営する正規代理店と、正規ではない点検施設があり、定期的に点検、整備は行われてます。1万キロごとに行われます。 費用は一回に5000ルピー=およそ8800円が点検費用です。 整備はパーツごとなのでその都度見積もりしていただいております。
Q4 車検がないということは、中古車を買う時など、このクルマは問題ない、とどうやって見極めるのでしょうか?
A4 第三社機関は存在しません。自分で確認します。自己責任の世界ですね。