いよいよ来月に迫ってきました「パリオリンピック」。もちろん、8月下旬にはパラリンピックも控えていますね。今回のパリオリンピックでは全32競技・329種目が行われ、200を超える国と地域から、およそ1万人のアスリート達が参加します。

ところで・・・前回、1年遅れの開催となった「東京2020大会」では、今回のパリより少し多い、全33競技・339種目が行われました。

そんな中、カタール、バミューダ、フィリピンの3つの国と地域は初の「金メダル」、北マケドニアは初の「銀メダル」、サン・マリノ、トルクメニスタンとブルキナファソの3か国は、オリンピックメダル自体、初の獲得となりました。そこで、この時間は、この中の2つの国の番組通信員の方に3年前を思い出していただき、当時の状況、そしてパリへの期待などを伺います。

●イタリアの中にある独立国家、サンマリノ共和国

2016年からサン・マリノを拠点に活動するバイオリンとビオラ奏者の矢谷 明子さん

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Q1 前回のオリンピック「東京2020大会」でサン・マリノが初めてオリンピックメダルを獲得したんですよね?

A1 射撃のクレー・女子トラップでアレッサンドラ・ペリッリ選手が銅メダル。クレー射撃混合トラップでジャンマルコ・ベルティ選手とペリッリ選手のペアが銀メダル、レスリング男子フリースタイル86キロ級でミレス・ナゼム・アミネ選手が銅メダルを獲得。サン・マリノ史上初めてのオリンピックメダルが一度に3個も取れました。国民全員で大喜びしましたね。

Q2 当時、サン・マリノ国内はかなり盛り上がったのでしょうか?

A2 はい。サンマリノ国家元首にあたる2人の執政官もスポーツ大臣とオリンピック委員会会長が参加する代表団と一緒に日本へ出発した事がニュースになりました。

Q3 ちなみに、これらの競技はサン・マリノのテレビ局でも中継でも流れたのでしょうか?

A3 はい。サンマリノ国営テレビで中継されました。

Q4 一般の市民のみなさんの盛り上がりはどうだったのでしょうか?

A4 しばらくは祭り騒ぎでした。2番目に小さい国なんで、国民的が33000人しかいません。だからもう大家族という感じでしょうか。

Q5 メダルを獲ったサンマリノの選手は、大会のあと、かなり人気になったのではないでしょうか?

A5 テレビ番組に招かれたり、スポーツ庁主催の祝賀パーティーも行われたので、特番が組まれていました。サン・マリノだけでなく隣りのイタリアの街リミニでもイベントに招かれていたと聞いてます。

Q6 パリオリンピックがいよいよ来月に控えていますが、やはり今回もメダル期待されていますよね?

A6 はい。前回のメダリストお二人(射撃のクレー・女子トラップのアレッサンドラ・ペリッリ選手とレスリング男子のミレス・ナゼム・アミネ選手)のパリオリンピック参加が決定されたので期待されています。

●フィリピン・マニラ在住 / 澤田 公伸さん

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Q1 前回の「東京2020大会」で、フィリピン初の金メダリストが誕生したんですよね?

A1 はい、重量挙げ女子55キロ級に出場した、ヒディリン・ディアス選手がフィリピン人選手として初の五輪での金メダルを獲得しました。

Q2 ディアス選手は、その前のリオで銀メダルだったことから、やはり当時、金メダルが期待されていたのでしょうか?

A2 そうです。ディアス選手は2008年の北京大会から4回連続でオリンピックに出場し、2016年のリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得していましたら、もしかして金メダルを獲得するのではないかとフィリピンでも注目されていました。

Q3 フィリピンでは重量挙げのテレビ中継はあったのでしょうか?

A3 はい、ありました。フィリピンのTV5という放送局がフィリピン人選手が出場する試合を中心にずっとテレビ中継を放映していました。

Q4 金メダルが決まった時のフィリピン国内での盛り上がりはどうだったのでしょうか?

A4 ディアス選手が金メダルを決めた瞬間に涙顔でガッツポーズをする映像が何度も何度もテレビなどで流れましたし、フィリピンのボクシング界の英雄、マニー・パッキャオ選手ら著名人たちもこぞって祝福のメッセージを出しました。もちろん大統領府も当日の夜に「国に誇りと栄光をもたらした。全国民があなたを誇りに思う」と讃え、ディアスさんがフィリピン空軍の所属であることから国軍トップも「ディアス軍曹の努力、忍耐、献身にわれわれはかつてないほど勇気づけられている」と声明を出しました。

Q5 フィリピン政府から報奨金があったそうですね?

A5 帰国した直後にフィリピン政府からの1千万ペソ(日本円で2500万円ほど)の賞金の他に、有名企業やスポーツ基金、実業家などからすぐに3千万ペソの賞金が贈られ、合計4千万ペソ以上(1億円以上)を受け取ったと報道されています。また、複数の企業からコンドミニアムや住宅を計3軒、またフィリピン航空など航空会社2社から生涯にわたり航空運賃を無料にする特典も贈られたそうです。

Q6 ディアス選手、残念ながらパリオリンピックには出場がかなわなかったそうですが、ほかにパリで金メダルが期待できる競技・選手は??

A6 まずボクシング男子のカルロ・パアラム選手とネスティ・ペテシオ選手がいます。二人とも東京大会でそれぞれの階級で銀メダルを獲得していますし、この二人がパリ大会のフィリピン選手団の旗手を務めると言われています。また、日本のお家芸である体操競技に出場する日本留学経験もあるカルロス・ユーロ選手が男子個人種目でメダルを狙えるとされているほか、最近の国際大会で金、銀メダルを相次いで獲得している棒高跳びのオビエナ選手も金メダルの最有力候補です。他にも初金メダリストのディアス選手の代わりに出場するアンドー選手やバネサ・サルノ選手など女子重量挙げのフィリピン人選手も活躍しそうです。