さて、きのう、10月10日はさまざまな記念日でした。有名なものだと「目の愛護デー」、「銭湯の日」、「トマトの日」など、たくさんあったんですが、1つ、わたくしジョン・カビラが「むむっ」と気になった記念日がありました。
「肉だんごの日」
10月10日の1、0、1、0の形が串に刺さった肉だんごを連想させることと、10月ごろから本格的な鍋の季節となって、肉だんご=つくねの消費が増えることから、東京の食肉加工業者が2009年に制定した記念日なんだそうです。
肉だんご・・・ミートボールとも言いますが、世界各地の家庭料理として親しまれているんですよね。どんなレシピがあるのか、どんな風に食されているのか、気になってしまいました。
そこで、この時間は、ちょっとニッチなテーマになりますが、2つの国の番組通信員の方に、現地の「肉だんご事情」についてお話を伺います。
●スウェーデン・ストックホルム在住 / 矢作 智恵子さん
Q1 スウェーデンを代表する大企業、世界最大の家具量販店のあのお店のレストランでも大人気、実際ミートボールどのくらいメジャーなんですか?日本の食卓でたとえると、どんな感じのお料理なんでしょうか?
A1 はい、ミートボールは、家庭でも、保育園や学校の給食、レストランなどでも良く食べる、スウェーデンを代表する家庭料理です。
Q2 ご家庭やレストランによって違うとは思いますが、おおよその作り方や使う材料の特徴はありますか?我が家のミートボールが一番というバリエーションはあるんでしょうか?(日本ではカレーとか、家庭によって違いがあるように?)
A2 使う肉(合いびき肉、ヘラジカ肉、ベジタリアンー大豆ミートSoya Chunks)も家庭によって違うと思います。またミートボールに入れるスパイスも様々でブラックペッパー、ホワイトペッパー、カイエンペッパー(チリ)等を使って作ります。日本のミートボールと違って、ミートボールそのものに味があります。(卵、玉ねぎ、パン粉、牛乳、クリームなどが入っていることが多いです。)
Q3 カレーに福神漬け、ラッキョウなどと同じく、スウェーデンのミートボール、食べ方に付け合わせスタイルがあるようですね?
A3 ミートボールと一緒に、通常はマッシュポテトにブラウンソース(グレービーソース)、また、付け合わせとして、キュウリの酢づけとリンゴンベリーを添えます。食べるときは、ミートボールのソースにリンゴンベリーをつけて食べるのがスウェーデンの食べ方です。お肉に、リンゴンベリーの甘酸っぱいさがピッタリでとっても美味しいです。
Q4スウェーデンで特に肉だんご=ミートボール料理をよく食べる時期やタイミングはありますか?
A4 クリスマス料理の一つとしてもミートボールを食べます。我が家は長男が肉を食べないので、いつも通常のミートボールとベジタリアンミートボールを作ります。
Q5 そのほか、スウェーデンの肉だんご=ミートボールについて情報はありますか??
A5 ストックホルムにミートボールだけ食べられる「Meatballs for the People」という人気レストランがあります。ここでは、お好みで、鹿肉、ヘラジカ肉、トナカイの肉、イノシシ肉などのジビエの肉を選べます。行列のできるレストランです。
●トルコ・イスタンブール在住 / 加瀬 由美子さん
Q1 肉だんご=ミートボールはトルコが起源という説が有力なんだそうですね?
A1 肉だんご(ミートボール)はトルコでは一般的に「キョフテ(köfte)」と呼ばれています。元々中央アジアの大草原で、牧畜を主な仕事として生きてきたトルコ民族は、いわゆる遊牧民であり、牛や羊、山羊などの肉類、山野に自生していた麦や稗などから作るパンを主食にする民族でしたから、昔は魚料理を殆ど知らなかったことと思われます。キョフテは戦時の野外食あるいは、祝宴のメインディッシュとしても大活躍、世界三大料理の主役を担う存在です。
Q2 祝宴のメインディッシュということは結婚式などでも食べられるのでしょうか?
A2 祝賀行事などでもキョフテはハンバーグのように大きく、それ自体をナイフとフォークで切って食べ、添えられたガルニチュール(付け合わせ)も嗜むような食べ方が多いのですが、肉団子として野菜の入った煮込み料理にもたくさん使われます。キョフテの大きさは千差万別ですが、煮物として入っているときは可愛い指先ほどの大きさで、一口サイズです。
Q3 トルコのキョフテ、写真を検索してみると、丸くないものが出てきますね?
A3 丸めた団子状もありますが、多くは丸めた団子を早く火が通るように伸ばし、中心を薄くして焼きます。これらの団子に最適なソースは、夏場にたくさん作っておく「サルチャ」と呼ばれるトマトソースです。
Q4 そのほかに、キョフテの美味しい召し上がり方はありますか?また、我が家のキョフテが一番っていうカルチャーあるんでしょうか?
A4 茄子の輪切りの間にこの薄く伸ばしたキョフテを挟み、炉端焼きの薪炭火であぶり焼きしたキョフテに相応しい飲み物はやはり地元産で、甘いお酒の「ラク」や、ワインなどとよく合います。原則としてはイスラム教徒の飲酒はタブーですが、断食月のラマザン以外には問題なしです。