さて、あさって10月27日は、「第50回 衆議院議員総選挙」と「最高裁判所裁判官国民審査」の投票日です。有権者のみなさん、投票は権利ですから、あなたの大事な一票、しっかり使いましょう。
さて、この選挙期間中は、公職選挙法によって、さまざまなルールが適用されます。これは、候補者や選挙事務関係者だけでなく、有権者も対象です。選挙期間中に禁止されていること、おもなものだと・・・
有権者に対し金銭や物品を与えたり、接待する「買収」や「供応」投票を依頼するために自宅を訪ねる「戸別訪問」。特定の人に投票、または投票しないようにすることを目的とする「署名運動」といったものが代表例です。
さて、こういった選挙に関するルールや慣習、海外ではどうなっているのでしょうか。
この時間は、「世界の選挙事情」と題して、2つの国の番組通信員の方に、現地の事情を伺います。
●フランス・パリ在住 / ドゥヴィアンヌ園子さん
Q1 フランスの選挙のシステム、まず、候補者の選挙活動について、特徴や日本との違いありますか?
A1 立候補者は選挙区の繁華街に何度も出向き握手しながら庶民と対話を重ねます。チラシも配れます。これらの選挙運動は投票日の6ヶ月前から始めることができます。ポスターが貼られるのは2週間前です。街頭演説は禁止とはされていないようですが、街頭の騒音に日本人より敏感なフランス国民は受け入れないことのようです。雑音公害だと言いそうなのがフランス人です。車のクラクションも街頭では使わないのが暗黙の了解ですから。運転手の不満は声出して怒鳴っていますし。また、集会場を借りて有権者を集めて室内で演説します。その場合、集まるのは大抵その候補者をサポートする有権者となります。反対派が混乱させようと侵入することもあり、そのために必ずガードマンを雇って入場者を管理しています。
Q2 そのほか、フランスの選挙の特徴はありますか?
A2 フランスでの選挙の特徴は、やはり女性の議員数を増やしていることです。選挙に出る立候補者は、政党推薦の場合、50%が女性である事と法律で決められています。それを守らないとペナルティーがあります。それでもまだ男性の方が多いのですが、女性のパーセンテージは年々上がっています。フランスでは市長の20%、市議会議員は40%が女性となっています。
Q3 メディアの報道についてはどうでしょう?(日本のように出口調査の統計によって、開票開始とともに当確が出たりするのでしょうか?)?
A3 投票率は投票が始まった3時間後くらいから刻々と速報を出し投票率の予想と比較しています。投票所が最後(パリ市など)に閉まった時点(20時)からメディアが開票の暫定結果を発表しだします。大抵の市町村では18時に閉まったりするのですが大都市の遅い閉鎖時間を待たないと各地域での開票結果を出すことは禁じられています。TVではどんどん地図に色付きで開票結果を逐次見せて、大きなイベント扱いです。
Q47月の選挙では左派の連合が極右政党を抑えて最大勢力となりました。この結果、ドゥビアンヌさんはどのようにご覧になっていますか?
A4 ヨーロッパ議会へのフランス代表議員の国民投票選挙が、誰も予想していなかった極右政党の台頭で、大統領はじめ国民もかなり焦ったのです。その結果、大統領がその特権で行った衆議院(国会)の解散、新たに国会議員を国民選挙で選び直し、反極右の政党の団結を試みたわけですが、左翼連合とはほど遠く、中道派と左翼と言っても仲の悪い左翼系党派がいくつもできて議会がスムースに行きそうもないのが問題です。極右を抑えることにはある程度成功しても団結には程遠いというのが現状なのです。おまけにマクロン大統領が自分の政党で固めることができていた内閣にも一切相談せずに解散決定をしたため、自分の政党からも総スカンというのがその結果だったのです。新たに内閣を発足させるための首相選びに大変苦労してバルニエ氏というベテラン73歳を選んだのは彼のヨーロッパ議会での長い経験が今のフランスの連立国会のまとめ役には適しているという判断が手に取るようにわかります。
●インド・ムンバイ在住、「ハリーさん」こと、小里 博栄さん
Q1 インドの選挙、日本と違うところはどんなところですか?
A1 最初に違うのが全体の意識、有権者が世界最大の9億6800万人ですが、今年の選挙では65%の方が投票されました。世界最大の人口の国、政治が経済を大きく左右するとも言われており、多くの有権者は投票されてます。また若い国であるので初めて投票する方が1800万人、20から29歳の有権者が日本の人口以上の1億9万4700人です。なお、インドは早い段階=1989年から18歳から投票が許されてます。
Q2 候補者のみなさんは街頭演説、SNS展開、など、どんなアピールをされているのでしょうか?
A2 選挙活動は派手です。演説、パレードなどありますが、カラフルで少し関係無い人としててはお祭り騒ぎがウルサイ感じですかね。多くのボリウッドスターなども立候補しております。また、X(元TWITTER)などを広く活用されております。演説には軽く数千人が集まります。広いインドヘリコプターなでで1日数箇所演説されます。
Q3 有権者が9億人を超えているというインド、投開票も大変ですよね?
A3 選挙が長い。4月19日から6月1日の期間でした。また、今年初めて85歳以上のご高齢の方と障がいのある方は自宅から投票が許されました。当選は票が数えられる当日しか判明しません。もちろん長い選挙で出口調査はされますが全く外れるのも多々ある。有名な予想してる方は完全に外れたので泣いてる場面もありました。また、人生のように予想と違うのも大きくありました。メディアはMODI一強と報道されましたが結果違った。民主主義は生きてるし、本当に面白い、思うように行かないのも選挙であり、人生もあるのかな、予想と全く違うこともありますが、人間次の日は忘れてる笑。
Q4 そのほか、選挙について、インドらしいところは?
A4 大きな国で政策次第で当たりまえですが国の動き=生活に直結するので真剣です。日本と違うのは投票すると指に消えないインクで投票済みとしるしがあり、これは僕は民主主義に参加してるみたいなプライドにもなる、義務を果たしてます、とがユニークかな。
Q5 今年のインド総選挙では、モディ政権が続投、しかし、議席を大幅に減らす結果となりましたが、この結果はどのように見ていますか?
A5 民主主義なので様々な意見があり、それが反映された感じが見受けれます。政権運営も様々な意見を聞いて行かないとダメなので民主主義そのものなのでは。