今日を入れて、今年も残り12日となりました。今年2024年も色々なことがありましたね。国内では、元日におこった能登半島地震をはじめ、新紙幣の発行、石破新政権発足、相次ぐ闇バイト強盗、などなど・・・さて、海外では、22024年、どんな出来事があったのでしょうか。この時間は、「2024年の振り返り」と題して、2つの国の番組通信員の方にお話を伺います。

●パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む、柳瀬充さん

20241220c01.jpg

Q1 フランスの2024年といえば、夏のパリ・オリンピック、パラリンピックで盛り上がったと思いますが、その後はいかがでしょうか?

A1 今年の前半はオリンピックムードの高まりで例年にないほど盛り上がりました。後半はいつものようなデモや政治論争が飛び交う騒々しいフランスに戻った様子です。

Q2 そして、フランス国民議会の総選挙も大きな話題となりましたね?

A2 そうですね。今年の7月に下院に相当する国民議会の決選投票が行われ、ジャン・リュック・メランション率いる左派政党を含む左派連合が第一勢力となりました。同時にマクロン政権の大敗は国民からの不信感と政治への先行き不安を募らせました。

Q3 先日、内閣不信任で首相を辞任したミシェル・バルニエ首相の後任に、中道派のフランソワ・バイル氏が就任しました。混乱を極めている状況かと思いますが、このあたり、国内ではどのように報じられていますか?

A3 今回のフランソワ・バイル氏の首相就任で、今年4人目の首相が誕生し、国民は不安ながらもマクロン政権の舵取りに注目しています。バイル氏は中道政党で、国民議会にて単独過半数を得る政党がなく、数ヶ月にわたる政治混乱を終結させるべく、マクロン大統領から任命されました。バイル氏は、「フランスが直面している課題は認識している」と述べ、「何も隠さず、何も無視せず、何も脇に置かない」と集会の場で誓いました。

Q4 パリのノートルダム大聖堂が大規模火災からの再建工事が進み今月、式典がありました。こちらについてはどのように報じられていますか?

A4 パリ・ノートルダム大聖堂の大火事から5年、およそ2000人の職人の復興作業によって、今月7日、晴れて再開を祝う式典が執り行われました。式典にはアメリカのトランプ次期大統領や、ウクライナのゼレンスキー大統領が出席され、マクロン大統領の演説から始まり、大聖堂では聖歌などが捧げられ、テレビからでも盛大さが伝わりました。

Q5 そのほか、今年、印象的だったフランスでの出来事というと?

A5 今年のニュースで印象的だったのが、フランスはヨーロッパ最大の農業大国なのですが、その農家の抗議デモです。EUの厳しい規制やインフレによる肥料飼料、光熱費の高騰で赤字に陥り、離農が加速、フランスの農家の未来がないと怒る農家12000人による抗議デモ活動が行われています。農家だけではなく一般の人々の生活コストも増加の一途で、政府には国民の不安を解消するような政策が求められているように感じます。

●インドネシア・ジャカルタ在住で、ミュージシャン・タレント・俳優・MC・翻訳・通訳と幅広く活動されている、加藤 ひろあきさん

20241220c02.jpg

Q1 インドネシアの2024年というと、なんといってもジャカルタからボルネオ島東岸に位置するヌサンタラへの首都移転が開始されたことかと思いますが、完全移転には20年以上かかる中、現在はどのような状況なのでしょうか?

A1 現在の首都ジャカルタが抱える交通渋滞、大気汚染、地盤沈下といった問題の解決を目的に進められている首都移転ですが、今年中には第一段階:ミニチュア政府行政の開発の完了が予定されており、建設は若干そのスピードは鈍ってきていますが進んでいます。ヌサンタラのホームページによると、年内の完成を目指す空港の建設は70%ほど、街から空港までのインフラ整備は50%ほどの完成率とのこと。今年10月までに、6,000人の公務員がヌサンタラに移転し、人口は2024年末までに6万人に達し、2040年までに200万人に増加すると予測されています。ジョコウィ前大統領任期最後の独立記念日8月17日の記念式典は新首都ヌサンタラで行われ、インドネシアのシンボルであり国章にもあしらわれている「ガルーダ」を形取った巨大なガルーダ宮殿なる建造物が披露され話題になりました。

Q2 新首都、お話によるとあと16年で190万人以上人口が増えるとは、想像を絶する規模ですね!そして、2月に大統領選挙があり、新しい大統領にプラボウォ氏が就任しました。新政権についてはどんなニュースがありますか?

A2 大統領の就任式が先月終わったばかりなので組閣された以外にまだ大きな動きはありません。各大臣がどのような動きをするのかはこれからですが、ジョコウィ前大統領時代からの留任組もおり、前政権の路線継続が基本路線になりそうです。公約に掲げていた5歳未満の子ども、小中高生、妊娠中または授乳中の母親に対して一食10,000ルピア、日本円でおよそ100円の食事を無料提供するというプログラムが2025年1月から運用開始される予定になっており、現在そのメニューや10,000ルピアで買える食料の地域間格差の問題がメディアで取り上げられています。

Q3 11月にはレウォトビ・ラキラキ山の大規模噴火もありました。現在はどういう状況なのでしょうか?

A3 レウォトビ・ラキラキ山に関しては数日前にも火山灰が2000mにまで到達する噴火が起きており、まだ落ち着いているとは言えない状況が続いています。ただ東ヌサ・トゥンガラはジャカルタから2000キロほど離れた場所なので、首都機能や生活などに支障はありません。ただ、現地では地元民の避難救助が連日行われ、被害状況の正確な確認が行われている状況です。

Q4 そのほか、2024年のインドネシアでの出来事で印象に残っていることはありますか?

A4 大統領が10年ぶりに変わったのでそれが一番大きなニュースだということには変わりないのですが、僕やカビラさんが大好きな話題で言うと、ワールドカップ第三次予選、インドネシア対日本が先月、ジャカルタのホームグロラ・ブン・カルノ国立競技場で行われてインドネシア中がお祭り騒ぎでした。サッカー大好きで小学校から現在までもバリバリサッカーをしている僕自身も事前番組のゲストとして呼ばれ、日本サッカーについて語ったり、当日はもちろん現地観戦でインドネシアサポーター55,000人に対して2,000人だった日本サポーター席に陣取って声を枯らして応援させてもらいました。結果は4−0で日本の勝利。心の中では両国共に応援していましたし、試合前から会場では両国のサポーターがとても友好的な雰囲気で一緒に写真を撮り合ったりする場面が至る所で見れて多幸感溢れるイベントになりました。

Q5 サッカーファンとしては最高ですね!最後に、加藤さんご自身の2024年、印象的だった出来事は・・・?

A5 個人的には「The Shadow Strays」日本語タイトルは「ロストインシャドー」というインドネシア制作のアクション映画が全世界公開され、Netflix俳優デビューを果たしました!