2月21日は「日刊新聞創刊の日」です。
1872年=明治5年のきょう、現存する中では最古となる「東京日日新聞」=現在の毎日新聞が創刊したことにちなんで制定されました。日本新聞協会が昨年12月に公表した、24年の加盟日刊106紙の総発行部数は、前年に比べ6.9%の大幅減少。発行部数は97年のピーク時と比べ49.5%にまで落ち込み、半数を割り込みました。
また、今年1月末を持って「夕刊フジ」が休刊、東京中日スポーツが紙の印刷を休止し、電子版に全面移行したこともニュースになりました。さて、こういった「新聞離れ」や「新聞の電子化」の動き、海外ではどうなっているのでしょうか?
この時間は、「世界の新聞事情」と題して、2つの街の番組通信員の方にお話を伺います。
●メキシコ・アグアスカリエンテス在住 / 府川 祐子さん
Q1 メキシコの新聞でも、新聞の廃刊や、電子化の動きってありますか?
A1 メキシコも同様で電子化されています。
Q2 どのくらいの方が新聞を購読しているのでしょうか?
A2 新聞を購読しているのは国民の20%以下です。一番読まれている「ウニベルサル」は13万部くらいです。
※日本の新聞購読率は正確なデータは公表されていないが、25%程度だとか
Q3 メキシコでも一般誌、スポーツ誌、専門誌などジャンル分けされているのでしょうか?
A3 別れています。特にスポーツに特化されている新聞、サッカーやプロレスの記事をよく見ます。車で走っていると、売ってる人が見せてくれるんです。
Q4 街中で新聞売りの方がいて売ってるんですか?
A4 興味をありそうな記事を「これを見ろ」って見せてくるんです。
Q4 特に政治に関して、リベラル・保守寄りなど、新聞社によってスタンスが違ったりしますか?
A4 政権寄りです。反対すると家族で外国に移住させられたりしますから。長いものに巻かれたくない人は、インターネット、Podcastなどで発信していますね。
Q6 メキシコではどんな新聞広告が多いのでしょうか?
A6 よく目にするのはスーパーのセールや、家を新築する時に必要なものが多いです。
JK スーパーやホームセンターの広告が多いんですね。
●台湾 / 片倉 佳史さんです。
Q1 台湾でも、新聞離れや、新聞のデジタル化は進んでいますか?
A1 台湾は日本以上の勢いでネットメディアやSNSが発達しており、紙媒体は新聞に限らず、急速に勢いを失っています。すでに家庭向けに新聞を配達するシステムはほとんど消滅しており、新聞はコンビニエンスストアや売店で購入するものとなっています。
Q2 自宅に新聞が届くシステムはほぼ消滅ですか・・・!では、台湾のみなさんは通学や通勤中にしか新聞を読まないのですか?
A2 コンビニ以外にもう一つ、台湾らしいものがあります。それは朝ごはん屋さん。台湾では朝ごはんを外で食べることが多く、至るところに朝ごはん屋があります。ここには必ずと言っていいほど、複数の新聞が置いてあり、皆、朝ごはんを食べながら、複数の新聞を楽しんでいます。朝ごはんを食べつつ、思い思いにページをめくる様子というのは台湾ならではの風景と言えるかもしれませんね。
Q3 新聞の内容についてですが、特に政治に関して、リベラル・保守寄りなど、新聞社によってスタンスが違ったりしますか?
A3 かなりはっきりとしています。なぜかというと、思想や主張、スタンスの偏りというよりも、新聞社そのものが政党と繋がりがあることが多く、政党の代弁者という位置づけがあるからです。ですので、どの新聞を読んでいますか?と質問すると、その回答によってその人がどの政党を指示しているかがわかったりします。そのため、複数の新聞をまんべんなく読んで、社会の動きを把握する必要があります。
Q4 具体的な論調の違いはどうですか?
A4 新聞の論調で言えば、大きく、与党民主進歩党に近い「自由時報」が発行部数最大となっており、野党系の「聯合報」、「中国時報」があります。その野党系は親中姿勢が見られます。以前ほどではないものの、論調には大きな差がある印象です。
Q5 新聞広告はどんな業態・ジャンルのものがありますか?
A5 台湾の特色として挙げられるのが、不動産広告です。台湾では一般の住宅やアパートも新聞で物件を告知する習慣があります。切手サイズの小さな空間に家賃や坪数、連絡先、諸条件が書かれているのですが、写真などは一切ありませんので、紙面にぎっしりと字が詰まっている印象です。そのページを開いた瞬間、文字が迫ってくる感じだったりします(笑)