4月12日は「パンの記念日」です。
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1842年のこの日、軍用携帯食糧として作られた「乾パン」が日本で初めて焼かれたパン、と言われているんだそうです。これを記念して、1983年、「パン食普及協議会」が記念日に制定しました。
昔から、日常の主食として親しまれているパンですが、ここ最近は「高級食パン」をはじめとするブームや、パンをテーマにしたイベントも人気ですよね。どころで、海外でも「パン」のトレンドやブームってあるのでしょうか?
そこで、この時間は、「世界のパン事情」と題して、2つの国の番組通信員の方に、お話を伺います。
⚫︎パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む、柳瀬充さん

Q1 パリ人口の96%が、パン店から徒歩5分圏に住んでいる、などと言われているそうですが、そのくらいの感覚で間違いないでしょうか?
A1 はい。パンはフランス人の主食なので街の至る所にパン屋があり、美味しいところには人がよく集まります。引っ越したらまず美味しいパン屋を探すことから始めます。
Q2 フランスのパンといえば、20022年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されたフランスパン「バゲット」ですが、形の規定があるとか?
A2 はい。バゲットの長さは55~80cmと法律で決まっています。重さの規定は250~300gです。
Q3 法律といえば、1978年までバゲットの価格統制があって、どこで買っても同じ値段だったそうですね。現在はバゲット1本、おおむね、どのくらいの値段なのでしょうか?
A3 お店によっても多少違いますが、一本1ユーロ、日本円で160円前後です。
Q4 バゲット以外に、日常でよく食べられているパンは?
A4 バゲット以外では、カンパーニュという大きめのパンで料理に合いやすいものや、パン・ド・セーグルというライ麦パンもよく食べられます。
Q5 シンプルなパンが好まれているということですね。そのほか、パンのトレンドってあるのでしょうか?
A5 こちらではトレンドに集まることは少なく、味にうるさいだけあって、より美味しいところに人が集まります。パン屋によってオリジナルのパンがあったりしますが、クロワッサンにチョコや木苺を纏わせたオシャレで美味しいものも最近よく目にします。あとは小麦粉をBioのものにこだわったりと健康で質の良いものが選ばれるようになってきていると思います。また、お昼時になると、サンドイッチやキッシュを買う人が多く、バゲットにハムとバターを挟んだシンプルなサンドイッチも人気です。
Q6 ちなみに、柳瀬さんのお店ではどんなパンを出されているのでしょうか?
A6 はい。私のレストランでは、肉料理にも合いやすい「パン・ダンタン」という少し酸味の効いた天然酵母使用の中もっちり外カリカリの大型パンを使っています。
⚫︎韓国・ソウル / オム・キフンさん

Q1 韓国にはパン屋さん=ベーカリーはたくさんありますか?
A1 韓国にはパン屋さんが2022年基準でおよそ2万8000店舗あると言われています。その半数以上はソウルにあって、今でもそのパン屋さんの数は増えています。大企業がやっているチェーン店から個人がやっている様々なパン屋さんがあります。
Q2 韓国を代表するパンというと、どういった種類のパンになるのでしょうか?
A2 韓国のパンは100年ほど前にヨーロッパや日本から入って来ました。 韓国で人気のパンは「そぼろ」というパンがあります。甘くてサクサクした表面が特徴のパンで、韓国のパン屋で古くから愛されてきた代表的なパンです。見た目は日本のメロンパンに似ています。また、見た目はねじれた棒のような形でこんがり焼き上げたパンの表面に砂糖が塗られてる「クァベギ」というパンも代表的です。
Q3 韓国ならではの具材を使ったパンはありますか?
A3 韓国ならではの具材を使ったものは、やはりお餅のパンです。韓国で餅はかなり古くから食べられています。あんパンの中にあんこと餅が一緒に入っていたり、最近はピザの中にもお餅が入っていて、中々美味しい食感が味わえます。
Q4 え~~!おもちをパンに挟む!餡は挟むも、焼きそばパンを超えるダブル炭水化物!そして、韓国ではSNS映えを意識したパンもブームになっているんですよね?
A4 若者の中で流行の街、ホンデやソンスという地域では見た目が映えるパンが人気です。重なったティッシュのような形で1枚ずつめくるのが楽しくなるティッシュブレッドや、数年前から人気の小夏塩田(ソハヨムジョン)というパン屋さんの塩パンは若者達が食べる前に必ず写真を撮ってから食べる姿を見ることが出来ます。