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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
ベッカムやルーニーを抑えての1位は? 現地番記者が選ぶ「過去20年のマンU・レジェンドTOP10」
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Theme is... 今年の抱負
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。
後半のテーマは「今年の抱負」。
新年を迎えて訓市は何を思ったのか?
今、変わらなければいけないと思う理由について語る。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエストをお待ちしています!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Munich Air Disaster 1959 / Morrissey
If You Were There / Ace Spectrum
Don't Let The Old Man In / Toby Keith
Die A Happy Man / Thomas Rhett
セクシィ / 下田逸郎
O Morena / Selaelo Selota
True Love Waits / Radiohead
Give Us A Chance / Melodie Sexton
Footsteps In The Dirk / The Isley Brothers
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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予想していたものの、それを上回る新年の始まりとなってしまいましたが、リスナーのみなさんは元気に健康に、そして自宅で静かにお過ごしでしょうか? 2020年よりは2021年は悪くはならないだろうと思って、人気のない神社に行き初詣でお祈りをしたんですけど、今となっては今年がどうなるのかまったく読めない状況になってしまいました。今年こそはどこか遠くを旅したいと色んな友達と話していましたけど、いつ出来るか分からない先のことよりも今自分たちのいる場所をしっかりと立て直さないといけない、そういう状況なのかもしれません。年の瀬から毎日、ニュースで流れる感染者数や、学者さん、自称学者さん、自称政治家、評論家、そしてお医者さんにクリニックのタレントのような人。テレビでは誰もがそれぞれの意見を述べ、終わりのない議論を繰り広げていますが、それと同時に「対策が遅かった」「海外の国はうまくいっている」「いや何を言う。日本はまだまだ死者が少ない方だ、うまくいってるんだ」「比べるのもお門違いだ」。そんな意見を聞いているうちにだんだん気が滅入ってくるのは僕だけじゃないと思うのですが、そこで疲れて諦めてしまってはダメで、やはり今年は選挙もありますし、本当に色々なことが変わらないといけないんだろうなと思っています。「その国の政治、政治家というのはそれを選んだ国民を表す鏡なのだ」。そう言ったのは確かイギリスの人だったと思うんですけど、その言葉を簡単に受け入れたくないなと思います。ただ日本のテレビとかニュースを見ていると、議論をしているというより、それは誰かに対する非難で、それに対して非難で返すというのは本当に今年で終わりにして、建設的な方向に向かえばいいなと本当に思います。色んな国に行きましたが、日本っていうのは本当に本当に良いところです。素晴らしい国だと思います。ですけど、ももちろん完璧ではないですし、そもそも完璧にもなれません。そして今までがずっと良かったから、あの国に比べればマシだと言ってずっと同じやり方を続けるわけにもいきません。僕たちの国というのは、どこか過去の成功にどこかあぐらをかいているような気がします。僕が生まれた昭和も、青春時代を過ごした平成も、日本という国は世界有数の経済大国でした。僕は90年代にバックパッカーで過ごしていた頃、どんなアジアの田舎に行っても日本企業の看板っていうのがずらりと並んで、なんだかんだ日本ってすごい国なんだなぁと思ったものです。人口がほとんどないような村のバスが止まる角にはですね、富士フィルムの看板があって、シャープやソニー、ナショナル、家電メーカーの看板も必ずありました。インドに僕がいた頃はスズキのミニバンっていうのが1番人気で、確か車の国内シェアの50%以上がスズキだったはずです。そしてどんな国でも旅をしているアジア人というのはほぼ100%日本人でした。その国の持つ国力というものが経済と直結していた時代だったと思います。
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世界中にあった日本の企業の看板、今はどうかと言うとどこでもほとんど見なくなりました。フィルムカメラは趣味のものとなり、看板も現像所すら姿を消しました。車メーカーで株価が1番高いのはトヨタではなく、今はテスラです。製造業が国を代表する国ではなくなったとして、いま日本を代表する産業はなんなのかと言われると、誰も答えるのが難しい、そんな時代になりました。僕たちっていうのはやっぱり変わらないといけないんだと思います。そしてそのための仕組みも変えていかなければならないのだと思います。今までずっとこうやってきて、上手くいってきたからちょっと修正すれば大丈夫。そういうことではないんだと思います。対人のことですと日本という国、そこでは何となくなあなあとか五感を読む、そして忖度っていうのもありますけど、色んな形で切り抜けて来れたのだと思いますが、それは政治とか企業の人が話す指針とかもそうだと思うんです。ところが本当にコロナというウィルスに対しては対策も、数学といいますかしっかりとした数字で証明することが必要になります。こちらの都合を全くウィルスは考慮してくれません。コロナは本当に世の中を滅茶苦茶にしましたし、現在もしていますし、僕も仕事の影響をもちろん受けていますし、もっと受けている人、苦しんでいる人、仕事が無くなったり、店を閉めてる人もたくさんいます。けれどもそんなコロナが唯一意味があることとしたら、今まで目を瞑っていた自分たちの苦手なところ、改善しなきゃいけないところをあぶり出してもいるような気がします。誰が正しいとか、あいつが嫌いだから反対するといった感覚的だったり感情的だったりする行動や決断というのがコロナではまったく意味をなさないのです。だからこそ与党だ野党だ、老若男女だとかは関係なくですね、これからの日本を良くしようと考える人たちで、そのための明快な意見と手段がある人たちでこれからを作っていかなければならないと思います。昔の本を読んで思ったんですけれど、世界でも類を見ないほど長く続いた王朝のようなものっていうのが徳川幕府だそうです。200何十年も続いた政権というのは世界を見渡してもほとんどないそうで、きっと政治維新の頃、このまま上手くいくから変えるなという人たちも多かったに違いないと思います。けれどもその当時に世界中の他の場所で何が起きているかを知った人たちが、このままではだめだとモデルチェンジを図ったのが明治維新。その時のような血が流れる変化は嫌ですけど、明治維新のように組織のあり方そのものをドラマチックに変えるようなことをしなければ日本の今というかですね、先は明るくないんじゃないかと。そう新年早々思えてしまいます。あの時、コロナがあって大変だったけれど、コロナがあったからこそ今の日本があるんだね、何年か経ったあと、皆でそう思えるようにするのが大事で、それが2021年という年なんじゃないでしょうか。それが終わってから海外旅行に行けたら良いな、なんていう風に思ってます。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。