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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
医療費500円が払えない、お米がない…貧しい家庭の子どもの健康が危ない
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#375 --- 今だからこそ、できること ---
番組前半はリスナーの皆さんから寄せられた
“お便り”を紹介しながらリクエスト曲もオンエア!
後半のテーマは「Pay It Forward」。
年末を迎えて2021年を振り返った訓市が
感じたこと、考えたこととは?
このタイミングにスタートするアクションに
込めた思いについて語る。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
If I Feel Better / Phoenix
Finding Parking / Joey Pecoraro
Plus tot / Alexandra Streliski
The Night We Called It A Day / Matt Dennis
薄紫 / Sion
Never Be The Same / Michelle Williams
The Haves / Eddie Vedder
From A Late Night Train / The Blue Nile
Take Care Of All My Children / Tom Waits
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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もう師走というのが信じられない2021年。考えてみれば新年の初っ端からコロナ禍だった今年はなんだかずっとふわふわしているというか、季節の移り変わりも実感できないような不思議な一年でした。一度も海外に行くことのなかった年というのは90年代の頭、つまり僕が10代の時から初めてのことですし、海外に行く仕事というのがそもそも消滅したような気がするので、来年もし社会が落ち着いたとしてもどうなるのか全く分からないという現実を知った一年でもありました。海外関係でいうと仕事は減りましたし、仕事が増えてもちっとも金にならないという一年でしたが、より他者のことを考えるようになった年でもありました。「自分だけ良いというのはないな」とか「恵まれている自分でもこうなのだから、きっと大変な人はもっとたくさんいるだろうな」と考えたからです。見渡せばコロナで世界中が大変になっていても未だ戦争や諍いはありますし、飢餓も天災もあって困っている人たちもたくさんいる。海外の赤十字に寄付したりとか色々したんですけど、やっぱり出来ることは自分が住んでいる国、日本で近場からと思っていました。個人的に知っている人、相手が見えているところからチャリティでTシャツをデザインしたりも随分しました。買ってくれる人がいることで成り立っているのですが、そういう人たちのお陰で随分と自分の周りに手助けが出来たと思います。買ってくださった皆さん、ありがとうございました。デザインしたTシャツ達は僕には1円も入っていないのでご安心を。江戸っ子ですから“ボロは着てても心は錦”… そういう気分で生きたいと思っています。そんな中、今年も年末に去年、一昨年もやっていますが大晦日に年末番組『CLOSING TIME』を放送することになりました。誰が来るか何をするかまだ秘密なんですけど、もう仲間を集めて今年はどうだったとか、お酒を飲みながら音楽を奏でるだけじゃ嫌だなという気持ちになりました。どうせやるなら何かしら意味のあること、それをこの意味を見出し辛かった年の終わりに。“チャリティ”という言葉は自分的には勝手にどこかしら偽善を含んでいるような気がして苦手でしたし、集めたお金がどうなるのかも分からないのに何するんだと思ったりもしていましたが、最近ではクラウドファンディングという便利なシステムもありますし、届けたい団体に直でお金を渡すことが出来る。こういうことを絶対やりたいなと思ったんですけども、それなら相手は子供だ!と思いました。今年一年、選挙やらオリンピックやら色々あってニュースをずっと見てましたけども、頭が固くなった大人より未来しかない子供に何か出来たら良いなというのがその趣旨です。
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ニュースで見た人もいるかと思いますが、日本には経済的に貧困状態にある子供が大勢います。3食まともに食べられない子供が何万人もいる。先進国で最低の数字だっていう人もいますし、本当に日本は豊かな国なのか? 先進国と呼ばれる国なのか? そしてその先進国っていう定義は何なのか?と考えざるを得ません。国の豊かさというのは平均株価がいくらだとか貿易黒字がいくらだとか、円に対してドルが安いか高いかっていうことではなくて、義務教育を受けるような年齢の子供達がお腹いっぱいにご飯を食べられるかどうか。そしてそのことを心配しなくていいかどうかだと僕は思います。富裕層がどれだけ儲けようと、政治の汚職があろうと、ぶっちゃけていえばどうでもよくて、子供の対策がちゃんと取れていればいい。そう思うと日本の現状っていうのは酷いと言わざるを得ません。飲食店のコロナの援助金とか職業別に色んな援助金があったり、公平だ不公平だっていう話がありますが、困っている子供達の状況っていうのは一向に改善するどころか悪くなっているようです。という訳で年末番組を子供向けのチャリティに出来ないかと我々の放送局であるJ-WAVEさんと話したところ、年末番組だけではなくて明日12月6日から始まる局の冬のキャンペーン『pass the love』の中で、穏やかな日常を送ることが困難な子供達とその家族への支援を目的としたクラウドファンディングが立ち上がることになりました。協力してくださる方にはJ-WAVEの各番組から色々なリターンを考えているとのことですが、この『Travelling Without Moving』でも当然考えています。その中にはこれからちょっと足していかなきゃなっていうのもあるんですが、当然再びTシャツというものもあります。番組が好きだ、お前は嫌いだが主旨には賛同する、色んな方がいると思いますが是非ファンディングに協力をお願い致します。リターンに関しては素敵なデザインに仕上げるつもりですし、ご安心ください、デザイン料も何も当然取っていません。自分がこういうことをして得られるリターンというのはですね、皆さまが見せてくださる善意と、そして会ったことはありませんが子供達が喜ぶっていうことで良いかなと思っています。良い事が無かった年だとしても、自己満でもいいから良いことをして終わらせたい。英語で「we were all once children」という言葉があります、「誰もが一度は子供だった」。それは僕もリスナーの皆さんも同じです。いろんな事が子供時代はありましたけども、生きている間は振り返る大事な大事な時期だと思います。子供の頃辛かったけど良いことあったなとか、人が親切だったなって思える思い出があるか無いかっていうのは大人になってから大分違うことをもたらすと思います。そしてこれをやるのはですね、「Pay It Forward」。前に番組でも話した事があるんですけども、誰かに受けた施しっていうのをしてくれた人に返すんじゃなくて、それを次の世代にしてあげるっていうことがすごく大事だと思います。大人になった今、今までいろんな人のお世話になったな〜とか助けがあったなって思う人はですね、自分が受けたことを是非、若い人たちにパスするべきなんじゃないのかなと思います。それが2022年という年を迎えるための自己満的な秘訣だとみんなで思いませんか?
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。