2021年01月06日

通い続けた愛媛県・忽那諸島の魅力とは?

ソトコト編集部・デスクの竹中あゆみさんをお迎えしています。

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*リモートでのご出演です。

ーー竹中さんは忽那諸島に通われている、ということで
まずは忽那諸島について教えていただきました。
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竹中さん「愛媛県の松山市管轄の島になります。
愛媛と広島にある9つの有人島で成り立つのが、
忽那諸島という場所で、愛媛側からフェリーと
高速船で乗り継いで行くことができます。
観光ウェルカムにしている島ではないのですが、
東京からも松山空港に行って仕舞えば、
フェリー乗り場まで行けるのでアクセスが
いい場所になっています。
メイン産業はみかんや、玉ねぎの栽培…
後は、漁業になっています。」
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ーー忽那諸島に通うきっかけとは?
竹中さん「忽那諸島の中にある、
怒和島という島に田中さんという
74,5歳、お父さんと呼ばせて
いただいている方がいるんです。
その方は忽那諸島に遊びに来る方を、
息子や娘みたいに扱ってくれていて、
自分の家に泊めさせてくれるんです。
その人が東京へ来るたびに、
島と関わるきっかけをくれるので、
それが面白くて最初は行っていました。」

今夜の選曲… PENNIES FROM HEAVEN / JAMES TAYLOR

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2021年01月05日

趣味から始まった写真愛と、写真で地域を発信する小豆島カメラについて伺います。

ソトコト編集部・デスクの竹中あゆみさんをお迎えしています。

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ーー竹中さんは以前から写真雑誌で働いていました。
写真は子供の頃からの趣味でした。

竹中さん「すごい楽しいこととか、悲しいことが
あるとそれを思い出したいという思いで、
写真を撮っていました。
祖父のお葬式も親族の許可を得て撮ってるん
ですけどそれは悲しさを抑えきれなくて、
写真で落とし込む事によって
自分の中で消化できるツールとして使っています。」

ーーそんな竹中さんは香川県小豆島の写真で
地域を発信するグループの立ち上げに関わっています。

竹中さん「母方の祖父母の生まれが小豆島で、
自分のルーツはなんだろうと思い立って、
小豆島を回ったら想像以上に面白い島だと気づいたんです。
そのタイミングで写真を撮っていたら、
OLYMPUSというカメラの会社の人と、
写真家のMOTOKOさんという方が、
OLYMPUSのカメラを使って、自分の身近な
景色を撮っている女性を応援する企画ができないか…
という事で、島の7人の女性と一緒に
小豆島の日常を発信する写真の団体として
『小豆島カメラ』を作りました。
彼女たちは、毎日1回Facebookや、
Tumblrで写真を発信しています。
それは、自分の家の畑や、大きな島の
お祭りであったり、季節のオリーブだったり、
本当になんでも撮っていて、今が分かるように
なっています。」

今夜の選曲… AS EASY AS ROLLING OFF A LOG / JAMES TAYLOR

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2021年01月04日

今、地方が面白い!小豆島カメラ、忽那諸島などのお話、たっぷりと伺います。

ソトコト編集部・デスクの竹中あゆみさんをお迎えしています。

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※リモートでのご出演です。

ーー2020年は新型コロナの影響で、
取材の仕方も大きく変わったかと思いますが…。

竹中さん「今までは、直接行って
面白い物を掴んで雰囲気を見て…
というのを大切にしていたんですが、
まずはオンラインで取材する形に変えています。
地元の人たちからは、よそ者扱いされるかも
しれませんが、それでもソトコトで発信する事に
意味を見いだしてもらっているので、
地元の方の迷惑にならないように、
どこで取材しようかとか、
短い時間でどう取材するかを試行錯誤しています。」

ーーソトコト1月号のテーマは『自分らしい働き方』です。

竹中さん「私が地域を歩かせていただいて
10年くらい経ったんですが、
街の機運が少しずつ変わってきている
ように感じます。
働き方やイベントとして取り上げさせて
いただくものにしても、大きく動くものから、
すごく小さい自分視点のものまで幅が
広がった印象があります。」
小黒「昔は、華やかな東京に憧れて…という人が
多かったと思いますが、地元で何か事を
起こそうという人は増えてきていますか?」
竹中さん「増えてきていると思います。
青森の中学生に『東京って何が面白いんですか?』
って、聞かれたのがすごく印象的でした。
青森にいても宅配サービスを頼めば、
翌日に届くし、ネットで誰とでも繋がれるから、
わざわざ東京に行く意味もない…。
青森の方が今、すごく熱くて面白いんです、
と言われたタイミングで、東京が憧れという
概念だけじゃなくなったのを改めて認識しました。」

今夜の選曲… YOU'VE GOT TO BE CAREFULLY TAUGHT / JAMES TAYLOR

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2020年12月30日

はやぶさ2の持ち帰ったリュウグウの砂…そして、テーマ事業プロデューサーを務める2025年の大阪・関西万博のお話まで、たっぷり伺います。

生物学者の福岡伸一さんをゲストにお迎えしています。

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※リモートでのご出演です。

ーー2021年、福岡先生が注目していることとは?
福岡さん「2025年の大阪万博での、
プロデューサーとしてどういうパビリオンを
作って何を見せることで、生命を知ってもらうか
というのを考えています。
テーマは『命輝く未来社会のデザイン』と
なっていまして、この中で私が託されたのは、
『命を知る』というテーマです。
1970年の万博を当時10歳の私は2回も見て、
大感激したんですね。その時、何時間も並んで
待ってみたのはアメリカ館の”月の石”でした。
それをみて、我々は未来を想像したんです。
ちょうど先日、はやぶさ2が小惑星リュウグウから
砂を持って帰ってきました。
それをぜひお借りして、2025年の関西万博では、
月の石に代わる、リュウグウの砂というのを
展示したいなと考えています。
リュウグウの砂の中には、ひょっとすると、
生命の種が隠されているかもしれない。
もしそうであれば、地球生命の種は
宇宙からきたという
パンスペルビア??説というのが立証されるかもしれない
という夢のある砂を宇宙船が持って帰ってきたと
いうのが今、私の注目していることですね。」

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2020年12月29日

毎年恒例の企画…今年の一冊の選書と、ご自身の新書について伺います。

生物学者の福岡伸一さんをゲストにお迎えしています。

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※リモートでのご出演です。

ーー毎年福岡先生には”今読むべき一冊”を
推薦していただいています。

福岡さん「今年はですね
『分解の哲学ーー腐敗と発酵をめぐる思考』を
ご推薦したいと思います。
京大の藤原辰史さんが、売り出し中の准教授が
書いた中々の好著です。
世の中はこれまで、20世紀型のパラダイムで
見ると常に物を作る…アクセル側の話で考えていました。
でも、実は世界は動的平衡で成り立っていて、
ブレーキ側の制御があってこそ、
平衡が成り立っています。
ブレーキ側の制御というのは、物を分解すること
壊すこと、ゴミをどう処理すること、腐敗すること
…そう言ったものに視点を向けて、
アクセルとブレーキのバランスを考えて
いけないということで”分解の哲学”。
コロナ時代の生命論にもなっているし、
私の動的平衡論にも通じている非常に
面白い本だなと読みました。」

小黒「ご自身の本を一冊選ぶとしたら
なんですかね?」
福岡さん「ちょうど先日、新書版として
出しました
『福岡伸一、西田哲学を読むーー生命をめぐる思索の旅』
これは、京都学派の始祖でもある西田幾多郎の
生命哲学を私の動的平衡論から読み解いた
ものです。
西田幾多郎のは絶対矛盾、自己同一みたいな物を
言っていたんですが、それは藤原さんの話にも
出たアクセルとブレーキを同時に踏んでいるのが、
今の世界だと。そのバランスによって、
正反対のことをやっているからこの世界は
保たれている…という西田さんの考えを
私の視点から読み解いたちょっと難しい分厚い
新書です。これもまた、コロナ時代の
生命論として読んでいただけると嬉しいです。」

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2020年12月28日

コロナ禍の2020年、今年の一冊、そして来年の注目など、たっぷりと伺います。

生物学者の福岡伸一さんをゲストにお迎えしています。

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※リモートでのご出演です。

ーーコロナウイルスにおける世界への影響について、
福岡先生の私見を伺いました。

福岡さん「ウイルスという自然物は昔から、
絶え間なく地球上に出たり消えたりしていますが、
それを検出する…ロゴスというか、それを
ビジュアライズする技術が増しすぎて、
そのことで、世界が驚いてしまったということが
一つあると思います。
そして、ウイルスというのは利己的遺伝子みたいに
見えますけれども、実は利他的な存在で、
常に種から種へ、遺伝情報を移しながら
生物の生命系全体を調整してくれる。
ある種の動的平衡を揺り戻してくれる
存在だと思います。」
小黒「見えないものが可視化した…
というのはPCR検査のようなことも含めて?」
福岡さん「まさにそうです。
昔のスペイン風邪の時には、症状が出る
ということで初めて分かったわけですが、
今はそれよりもずっと前に、PCR検査で
遺伝子があればウイルスがいるということに
なっていますから、感染しようがしまいが、
そこにいるというだけで、存在が
あることになってしまった。
そっちの情報が肥大していることが、
大きな混乱の原因になっていると思います。」

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2020年12月24日

稲葉さんが次に見据える、今後の展望とは…?

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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ーー東京五輪の影響で、2019年から2020年は
東京でもホテルの建設ラッシュになりました。
稲葉さんから見て、どういったところが
特徴でしたでしょうか?

稲葉さん「東京五輪の影響で新築ラッシュでもあったんですが、
改築ラッシュでもあったんです。
古いホテルの改修・改築がいろんなところで
行われていて、それが二極化しています。
1つは、今だからこそ昭和初期に建ったものが、
進駐軍に接収されたり、オーナーが変わって
改築されたものを、もう一回開業当時に
戻そうとして大幅に手を入れたホテル。
もう一つは、今海外の人に受けるために、
ニューヨークテイストやパリ風テイストを
入れて古い内装を消してしまうホテル。
その2つが両極化しているのが
面白いなと思います。」

ーー今後、稲葉さんが関心を持っているテーマとは?

稲葉さん「ずっとホテルにこだわってきたんですが、
邸宅というか、建主さんの思いが今でも伝わるような
家が今でも残っていて…でも、それが伝わって
いないものがたくさんあるんです。
当時の建主さんに感情移入できるような
文章を書いて、尚且つ、自分でこだわった
写真で伝えられたらなと考えています。」

ーー稲葉さんが勧める、「夢のホテルのつくりかた」
読んだ上で行って欲しい入門編のホテルとは?

稲葉さん「日光金谷ホテルですね。
本館、新館、別館とあるんですが、
それぞれ明治、大正、昭和初期に
建てられた中で、こんなにもすごい
工夫がされているんだ、と
この本ではじっくり書いているので、
それを知った上で見ていただきたい。
例えば、この宴会場、上に客室があるのに
柱がないなと…それは二階の床を屋根から
吊っているんです。
というようなことを予備知識として
持った上で現地に行っていただくと
今まで見えてこなかったものが
見えてくると思います。」

今夜の選曲… RUDOLPH THE RED NOSED REINDEER / CRYSTALS

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2020年12月23日

秘めた思いを活字に…ベストセラー小説「ホシノカケラ」について伺います。

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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稲葉さんは近年、小説も書かれています。
昨年は小説「ホシノカケラ」がベストセラーに
なりました。

稲葉さん「僕のいとこがミュージシャンなんですけど、
16、7年前に彼のソロツアーのパンフレットでいとこ対談
みたいなものをしたんです。
僕は最初、彼はもう地位を築いたミュージシャンだったので、
ソロツアーも楽にやるのかなと思っていたんです。
ですが、彼自身、対談の中で何度も言っていましたが、
『ロックグループでやっていることは一切入れたくない。
ソロでしかできない事で表現したい』と。
じゃあ、それを見てみたいと私はスタッフTシャツを着て、
ソロツアーに同行したんですよ。
スタッフは初日の1週間前から前乗りするんです。
ステージを調整しては壊してを
繰り返す…ミュージシャン本人は、
水曜日に入って金曜日の本番に向けてやっていく。
ステージという…これは僕にとっては建築物なんですけど
それを構造計算や照明…重量のリストアップから始まるんですが、
ミュージシャンやお客さんにとって安全なものであり、
その人たちが見たときに、あっと驚くものを
作り上げる。ロックグループではできない、
みんなが驚くものをそこで、魅せていく。
これだけ多くの人たちがいろんなことを考えて、
物作りをしている様子を本に書きたかったんですけど、
当時の僕は小説は書いてなくて、
全然違うテーマで小説を書いたり児童文学を
書いたりしているうちに長編を書くことが
少しずつわかってきて、
昨年全部書き上げました。」

小黒「きっかけを聴いているとノンフィクションで
出しそうなんですが、なんで小説という形に?」
稲葉さん「僕は、彼やスタッフの人が悩んでいる
様子を、その人の人称で書きたかったんです。
みんな寡黙だから、言葉にできない人たちですが、
ツアーに同行しているとその気持ちが
ビシビシ伝わってくる。
それを活字にするときには、物語にするしかないなと。」

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2020年12月22日

建築家・村野藤吾と建築に対する思いとは?

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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小黒「日本の建築士の中で、ホテルの名建築というと、
まずは誰の事を話題にするんですか?」
稲葉さん「僕は、学生時代から大好きな建築家が、
村野藤吾さんなんです。
新築、改修、豪華客船の内装まで…
40数回手掛けていらっしゃいます。
村野さんは、お客さんの目線ももちろん知ってる。
でも、事業主たる人たちが何を求めているのかも
知り尽くしている。
でも、さらにそこで、自分なりの設計も盛り込む…
そのバランスたるや素晴らしいと思います。
もう一つ、本で描きたかったのは、
施工会社の人達の右往左往ぶりなんです。
村野さんのため、事業主の為だったら!と、
自分たちはこのホテルを作り上げようとする
熱い思いがあって…。
1人挙げるとなると村野さんになりますね。」

稲葉さん「村野さんは自分の建築全盤に対して、
オーナーが変わったり、建てた後の1年後くらいに
再訪した際に『これはちょっとひどいな…』という思いを
されてきたと思うんです。
ご自分でも書いてらっしゃいますが、
『玄関マットが少しでも斜めになっていたら、
それも自分で直すんです』と。
やっぱり建築愛というものは、そういうものであって、
使う人たち、ひいては経営する人たちなんですけど、
その後は、お客さん達にその気持ちが伝われば、
建築も違う意味で生き延びていくのでは
ないかと思います。」

小黒「この『夢のホテルのつくりかた』は、
本当に写真がいいよね?
撮影は、助手くんとかいないの?」
稲葉さん「1人ですね。ずっとこだわっているのは、
編集の人も申し訳ないんですけど、来ないでください、
って言ってます。
空気が硬くなっちゃうので…。
むしろ現場で助けてくれるのは、
ホテルの人とか、旅館の人が、本当に力に
なってくれる。
そういう意味では、旅している気分を
少しでも味わおうと思ったら、
一人旅に限るな、と思っていて。
仕事は空港でレンタカーを借りて
ヨーロッパであろうと、ハワイであろうと、
アメリカ本土であろうと、

全部一人でやっています。」

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2020年12月21日

最新著書「夢のホテルのつくりかた」から、日本を代表する美しいホテルの誕生秘話と今、静かに過ごすホテルライフなど伺います。

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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昨年は作家デビュー25周年!
日本建築学会文化賞を受賞。

そして、最新著書になる「夢のホテルのつくりかた」が
エクスナレッジより発売になりました。
稲葉さん本人が撮影された数々のホテルの写真が
各ホテルの説明とともに掲載されています。

稲葉さん「この中のホテルというのは、
学生時代から憧れているホテルなので、
何十年越しに関わってきました。
今までは泊まり心地に重点を置いてきましたが、
ホテルが壊されて無くなっていくのを
感じているので誕生の物語を書くことで、
その当時の熱い男達の物語…みたいなものが
伝わっていくんじゃないかなと…」

小黒「日本でホテルって名前がついた起源っていうのは?」
稲葉さん「最初は海外から外国人のための
宿泊施設としてスタートしました。
最初は遠出できなかった外国人も、
法律の緩和で、日光や軽井沢とかに行ける
ようにもなりました。
横浜は、とにかく船が着いた時に
ホテルができ始めたということだと思います。」

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