2006年06月27日

【第31回】「築地の朝めし」 めし丸

梅雨中休み、火曜日とくれば
 今日は、河岸の人たち顔が晴れ晴れ。梅雨もお休みでカラッと晴れているから。それもあるが、明日が休市日だから。よからぬことを考えているのもいるだろうが、休み前でセリも終わった休み前の朝は、彼らにとって格別なんだろう。

 そんな表情を見たいなら、場外の小路に迷い込みなさい。表通りはあくまで外向き。小路にも、客が出入りする外向き用と、客が滅多に来ないディープな小路がある。オススメするのは、このディープな小路。

 河岸の人の会話に出てくる、悩み、喜び、怒り、悲しみを聞きながら歩く。今日みたいな天気がいい日は、みんな口も軽くいろいろな話が聞ける。店の裏をジロジロ覗き込んだり、立ち止まってみたりするのはあまり良くない。あくまで、「ちょっと近道してみた初心者です」という顔で通り過ぎなさい。きっと、築地の別の顔が見えてくる。


第31回 男のオアシス 「めし丸」
 築地の場外、初心者なら入るのをためらうような小路に「めし丸」がある。晴海通りに看板が出ているが、肝心のお店には看板がない。メニューが書かれた黒板が置いてあるだけ。向かいは、天ぷらの「黒川」。ここはうまい。朝は9時からやっているはず。「黒川」を目指せばたどり着ける。



刺身定食850円

2006年06月26日

【第30回】「築地の朝めし」ヨネモト

築地、喫茶店考
 築地には、あまりチェーン店の喫茶店がない。日本全国で、喫茶店がスターバックスやドトールの攻勢にさらされているなか、個人経営の店が頑張っている。名古屋と築地くらいじゃないの?

 これにはいくつか理由が考えられる。まず、朝が早いこと。朝4時からやるなんて、チェーン店のマニュアルではありえない。もう一つは、夕方終わるのが早いこと。6時くらいに客が来て、「じゃお茶でも飲みながら」なんて考えても、築地界隈ではほとんどの喫茶店が閉まっている。結局、築地の“時差”のおかげで、喫茶店も守られているってコト。それと、単価が安い。河岸の人相手だから、回転早く、ちゃっちゃかやる癖がついたんだろうネ。でも、チェーン店より応対はいいよ。

 最近では、若い兄ちゃんがコンビニでサンドイッチやら缶コーヒーを買ってターレに乗っている。コンビニの数も少ない(確か2軒)が、喫茶店にとっては大きな脅威だ。おじさん、おばさんでやっている店も多いから、今のうちに行っておかないと、そのうちなくなっちゃうかも。流行のカフェでなく、保守本流の喫茶店めぐり、これも築地の楽しみ方。


第30回 地上げにあった? 「ヨネモト」
 以前、「ヨネモト」は晴海どおり沿いにあった。でも、道路拡張のせいで公的な「地上げ」にあい、テリー伊藤の実家「丸武」の前あたりに疎開している。1年後くらいには、元の場所にもどるとか。元の場所って、まさか道の真ん中じゃないだろうけど。



アイスカフェラテと生ハムとタマゴのサンドイッチ。しめて700円

2006年06月23日

【第29回】「築地の朝めし」 木村家

ワールドカップ、残念だったネ
 朝の4時から始まったワールドカップ。日本全国が、築地時間になった歴史的な日だ。試合が終わってだいたい6時。築地に来れば、会社に行く前に朝めしが食べられるというわけだ。朝が早いときは、積極的に築地で朝めしを食べなさい。遊びや仕事の徹夜明けにはぜひ。

 で、築地のオンタイムに始まった日本−ブラジルだが、河岸の人たちはラジオで聞いていたんだろうか? サッカーってスポーツは、ラジオに向かないね。何やっているか全くわからない。試合がはじまったこと、ゴールしたことと試合が終わったことしか分からない。NHKでは、ご丁寧に8時30分からテレビの再放送をやっていた。これは河岸の人への配慮ではないが、よくできている。

 食堂で、残念な結果を知りつつ再放送を見るのはあまり楽しいことではない。今日は場内でテイクアウトすることにし、「木村家」へ。


第29回 市場のお手軽サンドイッチ 「木村家」
 波除神社の前から入った右手が1号館。このあたりでは、ターレに乗ったままでサンドイッチをほおばる姿が良くみられる。そのサンドイッチは、たいがい「木村家」のものだろう。



ジャムサンド、ピーナッツクリームサンド。共に150円。

2006年06月22日

【第28回】「築地の朝めし」 青果食堂 市場の厨房

築地青果市場を歩く
 築地には、河岸のほかに「やっちゃば」と呼ばれる青果市場もある。同じ市場でも、植物を扱うわけだから、そんなに殺伐とした雰囲気でもない。まあ、町の八百屋さんが大きくなったイメージかな。

 野菜は、箱に詰められている。河岸ほど裸電球もケバケバしくない。でも、「シブイ」んだよな。足を運んでもワクワクするような高揚感がない。よくみて回ると、珍しい野菜や、見るからにおいしそうなものも並んでいる。今は、夏野菜の時期だから、色鮮やかな様は見ていても飽きない。といいたいけど飽きてしまう。

 青果市場にも、食堂がある。2年前くらいにできた「市場の厨房」だ。青果市場だから、野菜を売りにしているはずだ。今日はここでヘルシーな野菜を食べることにする。


第28回 やっちゃばの食堂 「青果食堂 市場の厨房」
 朝日新聞前、市場の正門から入って、右手が青果市場だ。交番の角を右に行くと、駐車場なんだか、青果市場なんだか分からない一角に入り込む。右手を良く見ると、「市場の厨房」が見えるはずだ。



夏野菜のカレー700円

2006年06月20日

【第27回】「築地の朝めし」 福せん

20代の男と朝めしを食う
 朝編集部に行くと、一番若い男性スタッフが来ていた。早くから仕事場にくるとは殊勝な心がけ。プロダクト・デザイナーの深澤直人さんの事務所なんか、「早寝早起き」を地で行ってクリエイティブな作品を作っているんだから、朝は早いほうがいいに決まっている。ソトコト編集部は築地にあるんだからなおさら。

 そのスタッフを連れて朝めしを食べに場内へ。道すがら、歳を尋ねると今年で23だという。私と30歳も離れている。一般的に、一世代が30年で、三世代で100年、1世紀ということらしいから、私とこの男は完全に世代が異なることになる。

 何を食べたいか聞くと、「築地だと肉じゃないですよね、じゃあウナギがいいです」。あまり好きではないものを言い当てるところをみると、私のブログを読んでいないらしい。これは世代ギャップのせいではない。場内に、ウナギ屋だが鶏肉も出す店を思い出し、場内の「福せん」へ。


第27回 ウナギ屋の焼き鳥 「福せん」
 この店は、20日に行くと全品20%引きになる。9日と30日にも別のサービスがある。「福せん」というネーミングに引っ掛けている、「ふ・く・さん」。笑っちゃうネ。

焼き鳥定食1200円。今日は20日だから960円

2006年06月19日

【第26回】「築地の朝めし」 フォーシーズン

築地場外を歩く
 いつもは、朝めしの店を決めてから出歩くのだが、今日は梅雨の中休みで天気がいい。場外市場を散歩してみることにする。


 まず気がついたのは、外国人の多さ。朝の築地だから、一番多いのは河岸で働いている人や、買出しに来た客。その次に多いんじゃないか、と思うのが外国人観光客。特に、若いアジア系の観光客が多い。

 日本の人が、築地の存在意義を忘れかけているころに、外国人は価値を認めている。私の持論は、「築地を外圧で活性化させる」。これまで、築地に外国人観光客が多いのは、アジアのカオス的な雰囲気が魅力だと思ってきた。でも、アジア系の人にとっての魅力とは何だろう? かの国々でも、市場がどんどん近代化されて、築地のような風情が貴重な存在になっているのかもしれない。

 築地は、アジア的な価値観から考えても、貴重な文化遺産のようだ。


第26回 トリガラスープのスパゲティ 「フォーシーズン」
 築地場外の通りを眺められる店を探して、「フォーシーズン」に入った。窓際に座ると、行き交う人々の姿が良く見える。築地の喫茶店には必ずといって良いくらい、サプライズがある。ここのサプライズは、トリガラスープを使ったスープスパゲティ。

アサリとイカのスパゲティ780円

2006年06月16日

【第25回】「築地の朝めし」 まぐろ丼 かんの

ロハスデザイン大賞 打ち上げ
 昨日は、丸ビル地下1階のロハスバーを貸しきって、ロハスデザイン大賞の打ち上げ。入れ替わり立ち替わり、30人以上の人が来てくれた。うちの会社だけではなく、本当に多くの人の手を借りて、ロハスデザイン大賞を実現することができたな、と改めて実感。みんな、お疲れ様、そしてありがとう。来年もよろしくネ。

 ロハスデザイン大賞によって、ロハスという概念を分かりやすく、具体的に提示できた。これまで以上に、「ロハス」という考え方を取り入れたり、ロハス層に情報を発信したいという人が増えてくると思う。うちの若い男連中には、「おまえら、これから女にモテるぞ。こんなチャンスそうないんだから、がんばりなさい」といってある。世の中の女性たちには、「ロハスを語って近寄ってくる男には注意」といいたいね。あれ、矛盾しているか? みんなで、ロハスを語ろう。でも“しったかロハス”にならぬようご注意、ということ。


第25回 場外のマグロ王国 「まぐろ丼 かんの」
 築地場外にたくさんある、どんぶり屋。ブログの第1回では「瀬川」という店を紹介したが、場外のもんぜき通りで「マグロ王国」とでも呼びたいのが「かんの」だ。

マグロ丼700円。シジミの味噌汁100円

2006年06月15日

【第24回】「築地の朝めし」 マックモア

ソトコト買って、ダイヤをもらおう!
 今発売中の『ソトコト』7月号では、なんとダイヤの懸賞がついている。サハダイヤの指輪を、65名にプレゼントしちゃう。

 ダイヤモンドは、地球が長い年月を掛けて、黒鉛や二酸化炭素などをギュッと凝縮してくれたもの。なぜ6月にプレゼントするかといえば、ジューンブライドの季節だから。シングルでいるよりも、二人で暮らすほうが二酸化炭素の排出量は減らせる。洗濯機、冷蔵庫、テレビにビデオ。家電を共有すれば使用する電気は少なくなるし、食材のムダもなくなる。風呂やトイレで使う水も少なくなるだろう。

イメージ写真。詳しくはこちら↓
http://www.sotokoto.net/

 『ソトコト』を買って、「二人で暮らすとこんなに楽しくCO2が減る」というアイデアと共に応募するだけで、ダイヤモンドが当たるかもしれない。既婚者はもちろん、結婚を考えているカップル、結婚なんて考えていないカップル、そしてシングルの人も応募できます。ラブ&エコなアイデア、待ってます。


第24回 喫茶店で味わうマグロ 「マックモア」
 ダイヤとエコの組み合わせ、ちょっと意外かもしれないが、だからこそオモシロイ。築地の意外な取り合わせ、といえば場外の「マックモア」だ。

カマトロ刺し定食950円。

2006年06月13日

【第23回】「築地の朝めし」 小田保(おだやす)

必要なのは“カツ”らしい
 今朝、J-WAVEを聞いていたら、クリス智子さんの声が枯れていた。FMのJ-WAVEも昨晩の日本代表戦を放送していたらしい。昨日の結果を受けて、シンミリと。というわけにもいかないようで、悔しさを見せないように、ある意味で淡々と番組を進めているように聞こえた。さすがプロ。

 番組の中で、試合当日、つまり12日の月曜日。昼めし時にトンカツ屋が繁盛したというエピソードを紹介していた。よく、試合前にはトンカツやら、ビフテキを食べることでゲンを担ぐという話しは良く聞く。プレイヤーにとっては、消化に悪い脂っこいものは必ずしもおススメできるものではないらしい。まあ、数十年前は栄養状態も今ほどよくなかったから、試合前くらい豪華なものを食べさせたいという思いから生まれたのかもネ。

 50代の私は、揚げ物は苦手、というより体が受け付けない。でも、シュンとしている皆さんの気持ちを盛り上げるために、ディープサウスでトンカツ屋に挑戦する!


第23回 スポーツ選手になじみ深い? 「小田保」
 ディープサウスを歩くが、どうも気乗りがしない。カツを朝めしに食べることに、体が拒否反応を示している。思い切って、「とんかつ」とかかれた暖簾をくぐり、「小田保」に入店する。

 店内には、揚げ物の匂いが充満している。ただでさえジメジメしている上に、むせ返るような油の匂い。トンカツは無理だ、それなりに勇気を振り絞ってアジフライを注文。

アジフライの定食。950円

2006年06月12日

【第22回】「築地の朝めし」 築地さらしなの里

番外編 たまには築地の“昼飯”
 6月6日のロハスクラシック・コンサート。坂本龍一さんほか、出演者と関係者の打ち上げは、そばの名店「築地さらしなの里」。本当は10時前に閉店なんだけど、無理いって12時近くまで空けてもらった。でもおかげさまで、みんな大満足。シメのセイロは大好評で、3枚以上食べた人が何人もいた。

 料理がおいしいと、自然と会話も弾むし、酒も進む。次の日、ヨーロッパへ旅立つ坂本さんもご満悦の様子。お店の人には悪いことしちゃったけど、いい打ち上げの会だった。さらしなの里さん、本当にありがとうございました。

 というわけで、今日は番外編として、「築地さらしなの里」をご紹介。朝めしとはいかないけれど、ワールドカップを深夜まで観ていて、朝めし食べられない人も多くなるだろうから、ちょうどいいのでは? おなかに優しく、おいしいそばをお昼に食べよう。


第22回 そばの名店 「築地さらしなの里」
 新富町駅と築地駅のちょうど中間くらい。「築地さらしなの里」は、築地のそば屋では群を抜いた味を楽しめる。その名の通り、さらしなそばのほか、二八もある。そばは、福井県のものを使っている、本格的なそば屋だ。

水ナスのそば1260円



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