残業、ノルマ、飲み会なし。従業員のやる気を高める、ワークマンの「しない経営」とは?
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作業服専門店「ワークマン」が、10期連続で最高益を記録した。成長の背景にあるのは、"しない経営"だ。いったい、何をしないのか? 早稲田大学ビジネススクールの教授・入山章栄さんが解説した。
入山さんに話を伺ったのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。2020年11月17日(火)のオンエア。
そんなワークマンは、「会議を極力しない」「ノルマを設けない」「他社と競争しない」「値引きをしない」「顧客管理をしない」という「しない経営」でも知られる。入山さんは「本当に面白い企業」と述べた。
入山:会社を経営する専務の土屋哲雄さんは、他の企業の真似は絶対にしない方です。アウトドア部門の業績が伸びてきてはいるけれども、ある意味、作業着という意識なんですよね。なので、ライバルになりつつあるユニクロと同じような経営戦略は絶対にしないと思います。あくまでも競争がない、作業着やアウトドアウェアのマーケットだけで勝っていくポジションを取っています。
サッシャ:なるほど。分野を絞って、そこから逸脱することはしないということですね。
入山:たとえば、お客さんに対して値引きは絶対にしないんです。
サッシャ:値引きをされたらお客さんはうれしくなると思うのですが、違うのですか?
入山:ワークマンの商品って、もともとが安いんですよ。そこからさらに安くすると、「普段はいちばん安い価格で販売していない」と思わせてしまうんですよね。お客さんの気持ちを裏切りたくないからこそ、絶対に値引きをしないんです。ですから、ワークマンのお客さんは、値札を見ない方が多いそうですよ。いつだって安いから安心できるということですね。
サッシャ:素晴らしい信頼関係ですね。
入山:他にも、特徴的な「しない経営」があります。ワークマンでは、衣料メーカーの在庫をすべて買い取ります。つまり、在庫責任をメーカーさんに持たせないんですね。
サッシャ:大きめなロット数で購入すると、安く仕入れることができるからですか?
入山:そうですね。ただ、やっぱりどうしても売れ残るじゃないですか。それでも、ワークマンは我慢して在庫抱えるそうですよ。長い間ずっと付き合っている取引先がいるので、買い取りは信頼関係を重視した行動ということですね。
入山:(社員に対しての「しない」は)「ノルマがない」「無理やり働かせない」「飲み会がない」です。
サッシャ:どうやって仕事が成り立つのですか?
入山:結果的に、自発的に働くようになるそうです。優秀な人材に対して、上から指示を出して働かせるよりは、本人たちのやる気を引き出すようにサポートすることのほうが効果的だそうです。なので、土屋さんが最初に実践したことは、無理やり働かせずに給料を上げたことでした。「あなたたちの価値はもっとあるんですよ」というメッセージを伝えたそうです。だからこそ、現場のみなさんはやる気で溢れているんですね。
増井:何もノルマがないのに、10期連続で最高益を出しているんですね。
入山:従業員の負担になるから、会社での飲み会も絶対にやりません。会社と従業員との信頼関係ですね。
サッシャ:しないことばかり多いと人ってだらけてしまうのかなって思っていました。実際は違うんですね。
入山:しないことをたくさん設けたことで、現場の人たちが生き生きとする組織を作ったんですね。
10月21日に発売された『ワークマン式「しない経営」―― 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』(ダイヤモンド社)では、入山さんと土屋哲雄さんとの対談を収録。「しない経営」のさまざまなノウハウを知ることができる。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
入山さんに話を伺ったのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。2020年11月17日(火)のオンエア。
他企業の真似をしない。独自路線で人気に
ワークマンはもともと、現場や工場で働く人に向けた作業服・関連用品の専門店だったが、近年はアウトドアやスポーツ時のファッション、タウン着としても人気を博する。そんなワークマンは、「会議を極力しない」「ノルマを設けない」「他社と競争しない」「値引きをしない」「顧客管理をしない」という「しない経営」でも知られる。入山さんは「本当に面白い企業」と述べた。
入山:会社を経営する専務の土屋哲雄さんは、他の企業の真似は絶対にしない方です。アウトドア部門の業績が伸びてきてはいるけれども、ある意味、作業着という意識なんですよね。なので、ライバルになりつつあるユニクロと同じような経営戦略は絶対にしないと思います。あくまでも競争がない、作業着やアウトドアウェアのマーケットだけで勝っていくポジションを取っています。
サッシャ:なるほど。分野を絞って、そこから逸脱することはしないということですね。
しないから築ける信頼関係もある
"しないこと"を重視する経営は、成長を拒んでいるようなイメージが湧くかもしれない。しかしワークマンの場合、それで顧客や取引先との信頼関係を高めている。入山:たとえば、お客さんに対して値引きは絶対にしないんです。
サッシャ:値引きをされたらお客さんはうれしくなると思うのですが、違うのですか?
入山:ワークマンの商品って、もともとが安いんですよ。そこからさらに安くすると、「普段はいちばん安い価格で販売していない」と思わせてしまうんですよね。お客さんの気持ちを裏切りたくないからこそ、絶対に値引きをしないんです。ですから、ワークマンのお客さんは、値札を見ない方が多いそうですよ。いつだって安いから安心できるということですね。
サッシャ:素晴らしい信頼関係ですね。
入山:他にも、特徴的な「しない経営」があります。ワークマンでは、衣料メーカーの在庫をすべて買い取ります。つまり、在庫責任をメーカーさんに持たせないんですね。
サッシャ:大きめなロット数で購入すると、安く仕入れることができるからですか?
入山:そうですね。ただ、やっぱりどうしても売れ残るじゃないですか。それでも、ワークマンは我慢して在庫抱えるそうですよ。長い間ずっと付き合っている取引先がいるので、買い取りは信頼関係を重視した行動ということですね。
従業員の自発的なやる気を引き出す
「しない経営」は、従業員に対しても同じだ。会社から強要されないとサボる人がいるのでは......と思う人もいるだろうが、むしろ自発的にやる気を引き出すポイントになっている。入山:(社員に対しての「しない」は)「ノルマがない」「無理やり働かせない」「飲み会がない」です。
サッシャ:どうやって仕事が成り立つのですか?
入山:結果的に、自発的に働くようになるそうです。優秀な人材に対して、上から指示を出して働かせるよりは、本人たちのやる気を引き出すようにサポートすることのほうが効果的だそうです。なので、土屋さんが最初に実践したことは、無理やり働かせずに給料を上げたことでした。「あなたたちの価値はもっとあるんですよ」というメッセージを伝えたそうです。だからこそ、現場のみなさんはやる気で溢れているんですね。
増井:何もノルマがないのに、10期連続で最高益を出しているんですね。
入山:従業員の負担になるから、会社での飲み会も絶対にやりません。会社と従業員との信頼関係ですね。
サッシャ:しないことばかり多いと人ってだらけてしまうのかなって思っていました。実際は違うんですね。
入山:しないことをたくさん設けたことで、現場の人たちが生き生きとする組織を作ったんですね。
10月21日に発売された『ワークマン式「しない経営」―― 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』(ダイヤモンド社)では、入山さんと土屋哲雄さんとの対談を収録。「しない経営」のさまざまなノウハウを知ることができる。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。