2025.04.12 ONAIR

今回のテーマは「アンドロイド」

参考図書は石黒浩さんの『アンドロイドは人間になれるか』。

この言葉を聞くとスマートフォンイメージする人も多いと思いますが…
『アンドロイド』とは、見かけが人間そっくりで、
中身は機械の「人間酷似型」 ロボットのこと。

見た目だけではなく、より人間に近いアンドロイドを作ろうとした場合、
出てくるのは、「心」の問題。
アンドロイドは「心」を持つことができるのか。
そのためには「心」とは何かを突き止めなければならなりません。

こから石黒さんが導いたものは・・・
対話している時に感じる「相手の心」とは
「想像することで関わる」ことか 生まれているということ。
心は想像の産物で、心は、実体的に存在しているものではなく、
われわれは「心があると『感じる』にすぎない」のです。

例えば、平田オリザさんと作ったアンドロイド演劇からの「心」に関する考察。
この演劇に出てくるアンドロイドは無表情ですが、芝居が進むにつれ、
その顔が笑ったり悲しんだりしているように見えてくるそうです。
それは人間の役者との対話を通して、彼の心を想像するから。

さらに、アンドロイド演劇では、シーンごとの振る舞いを
細かくプログラムされています。
複雑化したその動作を観た時、
観客はアンドロイドに心があるように感じると考えられます。

「心」はプログラミングできて、
「心があるような複雑な動き」をプログラムすれば、
人はアンドロイドに、「心」を感じるからなのです。

アンドロイドと共生する未来…
『アンドロイド』についてもっと考えてみたい方は、
石黒浩さんの『アンドロイドは人間になれるか』、ぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

タルコフスキー、ソダーバーグで2度映画化もされた、
スタニスワフ・レム原作『ソラリス』のコミカライズ版でも話題、
マンガ家の森泉岳土さんがご登場。

シャーロット・ゴードン 著
『メアリ・シェリー 「フランケンシュタイン」から共感の共同体へ』
をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

[スーパートランプ] というグループの全盛期、
1979年のパリでのライブ音源が収録された、
『ライブ・イン・パリ 1979』を紹介。

活動初期はプログレッシブ・バンドとしてカテゴライズされていましたが、
1979年に発表したアルバム『ブレックファスト・イン・アメリカ』が
全米1位を獲得、 全世界(もちろん日本でも)大ヒットとなって、
タイトル曲の「ブレックファスト・イン・アメリカ」、
「ザ・ロジカル・ソング」や「グッドバイ・ストレンジャー」などが
シングルカットされ、 どれもシングル・チャートの上位にランクインしました。

今回のこのライブアルバムは、1979年12月1日、2日に行われた8000人収容の
パヴィヨン・ドゥ・パリでのパフォーマンスを CD2枚組で完全収録されたもの。

以前、ここからセレクトされたものがリリースされていましたが、
今回は全22曲完全収録!さらに30年間も埋もれていたという、
ライブの映像版も DVD/Blu-Ray で同時リリースされています。

□今週の図書
石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』
シャーロット・ゴードン
『メアリ・シェリー 「フランケンシュタイン」から共感の共同体へ』

□オンエア曲
Panic Cord / Gabrielle Aplin
Perfect Angel / Minnie Riperton
Nick of time / Bonnie Raitte
GFY / Julia Michaels
solari / 坂本龍一
Breakfast In America / Supertramp
Let go / Dean Lewis