coffee
Theme is... COFFEE
世界的にポピュラーな飲み物
「コーヒー」をテーマにした旅。
世界各地で訪れた「カフェ」、
そこで出あった人、感じたこと...
野村訓市が語ります。
Music Streamは「コーヒー」が
飲みたくなる曲のセレクションを
お届けします。
2月1日・日曜日の夜8時から・・・
check it!!!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。
番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
(Looking For) The Heart Of Saturday Night / Tom Waits
アメリカのシンガーソングライターで、訓市のお気に入りでもあるトム・ウェイツが1974年にリリースしたアルバム『The Heart Of Saturday Night』に収録されている曲で、タイトル通り、「夜」の情景を歌った作品。セレクトした曲の他にも、「New Coat Of Paint」を始め、おススメ曲が満載で、ジャケットのイラストも秀逸です!
Tom's Diner / Suzanne Vega
ニューヨークに実在した「Tom's Restaurant」のダイナーの窓から見える情景を歌った曲で、以前、日本ではコーヒーのCMソングとして使われたことも・・・。オリジナル・ヴァージョンは1987年のアルバム『Solitude Standing』に収録されています。
The Sad Cafe / Eagles
アメリカのウェスト・コースト・ロックを代表するバンドとして1970年代に絶大な人気を誇ったイーグルスが絶頂期にあった1979年にリリースしたアルバム『The Long Run』に収録されている名バラード曲。この直後、バンドは活動休止を発表し1982年には解散しましたが、1994年に再結成しています。
Chinese Cafe - Unchained Melody / Joni Mitchell
1960年代から現在に至るまで米ミュージック・シーンの第一線で活躍している女性シンガーソングライターのジョニ・ミッチェルが1982年にリリースしたアルバム『Wild Things Run Fast』から。常に時代を代表する有能なミュージシャンを起用して作品を生み出し続けている彼女・・・本作品も当時のトップ・ミュージシャンが参加し、素晴らしい音を聞かせています。
Cafe De Flore / Doctor Rockit
1885年オープンで、現在も営業を続けるパリ屈指の老舗名店「Cafe De Flore」をタイトルにした曲。ドクター・ロキットはイギリスのエレクトリック・ミュージック系のコンポーザーでDJでもあるマシュー・ハーバートの別名プロジェクトです。
Calling You / Jevetta Steele
1987年のドイツ映画『バグダッド・カフェ』のメイン・テーマ曲で、アカデミー賞の「最優秀主題歌賞」にもノミネートされたジェヴェッタ・スティールの「Calling You」。映画のタイトルになった「バグダッド・カフェ」はアメリカの「ルート66」沿いにポツンと佇む、実在するカフェの名前です。
The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter / Penguin Cafe Orchestra
イギリス人ギタリストでコンポーザーのサイモン・ジェフスを中心に、流動的なミュージシャンとのコラボレーションから作品を生み出しているペンギン・カフェ・オーケストラ。1976年にリリースされたファースト・アルバムに収録されているインストゥルメンタル・トラックです。
Morning Has Broken / Cat Stevens
スコットランドで生まれたメロディーに、歌詞がつけられた楽曲で、イギリス人シンガーソングライターのキャット・スティーヴンスが歌ったヴァージョンは1971年にリリースされ、全米でも大ヒットを記録しました。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
寒い季節にコーヒーは欠かせないと思うんですけど、そもそも僕自身、コーヒーとタバコを欠かすことのできない人間でして、嗜好品だけを嗜なんで生きているようなところがあります。仕事がある日っていうのも寝起きにどうしても朝ご飯とか食べることができなくて・・・コーヒーだけで過ごしてしまうことが多いですし、勿論、旅の時でもいつもコーヒーを飲んでます。1番美味しかったのは、やはり、イタリアのコーヒーで、何処の店で飲んでも美味しい!そして、ここ数年、日本でも流行ってきた、サードウェーブとか新しいコーヒー屋さんていうのがインディペンデントでたくさんできてますが、アメリカでもこここ5〜6年は街角に個人や小さい会社が豆まで選んで作るコーヒー屋さんが増えて、僕も最初のうちはよく行っていました。ポートランドの「ストンプタウン」、サンフランシスコにある「サイトグラス」、ニューヨークの「コロンブ」、「ギミーコーヒー」なんていう店は、そういったサードウェーブのコーヒー・ショップの始まりでして。何がかっこいいかというと、内装がすごく凝ってるんですよ。働いている人たちも売れないミュージシャンとかタトゥーだらけのにいちゃんが、髭とか生やしてユニフォームもかっこ良くてコーヒーを作ってるんで、素敵だなあなんて思って通っていたんですけど、段々、そういったことに飽きてきてしまいまして。面倒くさいですよね、肩肘張るっていうか。僕は結局、日本でいうと「喫茶店」みたいなのが好きなので、アメリカでもそういうところによく行きます。リッチな味のカフェラテもいいですけど、麦茶みたいに薄いアメリカンコーヒーをガブガブ飲むっていうのが性に合っているのかなぁ〜と。一番安いのはニューヨークですとチャイナタウンとかにある普通のデリとかで、1ドルくらいで青いカップに入っているコーヒーが買えます。それを飲んで仕事場に向かって歩くのなんていうのが一番好きかもしれません。それから、今夜の1曲目にオンエアしたTom Waitsの曲の世界ですけど・・・夜中に古いダイナーに行くと歳をとったおばさん達がウェイトレスの格好でポットに入れたコーヒーを注ぎ足してくれるのを飲みながら、外をボケッと眺めるっていうのも「ああ、アメリカに来たな」っていう気がします。でも、一番好きなのはもしかしたらインドで飲む「ネスコフィ」というコーヒーかもしれません。これは名前の通りネスカフェの粉末のコーヒーに大量のミルクとお砂糖を入れた飲み物で、これを飲むとどんなに眠くても血糖値が上がって、一発で目が覚めます。
★★★★★★★
旅先でもいつもコーヒーは飲むんですけど、コーヒーのために旅をしたこともあります。そういった経験って余り無いと思うんですけど、僕は雑誌の編集やライターとしても色々な取材をしてきて、ある時、「コスタリカ」にあるコーヒー農園を取材に行くっていう仕事がありました。それで中南米のコスタリカまで行きました。直行便がないのでL.Aで停まってから行ったんですけど、コスタリカというのはとても良い国で、危ないんじゃないかって思う人も多いと思うんですけど、コスタリカは中南米でも治安が良いし、ビーチはトロピカルでカリブ海みたい。ところが、山の方に行くと2000〜3000mあるっていうか雪が降るくらい自然豊かな場所で。コーヒーは高度が高い所だと美味しいものが穫れることからコスタリカでは盛んなんですけど、僕も行きました。1000mくらい上のほうに。コーヒーの実というのはすごく小さくて赤くて「コーヒーチェリー」って呼ばれるんですね。それを大量に木から獲って、トラックに詰めてるんですけど、すごく綺麗でみずみずしい色で。まあチェリーっていうくらいですからね。その実を摘んで乾燥させてその種を飲むんです。なんとおいしそうなんだと思いましたが、潰れると死ぬほどクサいんですよ。後ろから見ると綺麗で、追いかけてみたら自分の好みじゃなかったみたいながっかり感がありましたけど、現地で飲んだそのコーヒーはすごく美味しかったですね。それからニューヨークにジム・ジャームッシュっていう映画監督を取材しに行ったことがあります。それは彼が『Coffee & Cigarettes』という、嗜好品が好きな僕にとってはタイトルだけで丼ご飯が食べられるくらい、「なんて素敵なタイトルなんだ」と思う映画を撮っていまして。それが日本公開する時に全然プロモーションができてないということで、是非コーヒーとタバコで雑誌を一冊作りたいと思いました。その締めにジムの取材をしたいと。ジムという人は本当にいい人なんですけど、当時、今もそうかもしれませんけど、携帯は持たない、メールはやらない、脚本も未だにタイプライターでニューヨークの上の山の中で書くという人で。全然連絡もつかなくて大変だったんですけどなんとか連絡が取れまして。彼がすごく好きなピンクポニーと言う素敵なカフェがニューヨークにあったんですよ。そこで写真を撮ることになって、もう僕は小躍りですよね。絵的にはパーフェクト。ところが問題がありまして、たばこもほとんど吸わなくなってるし、実は紅茶党でコーヒーを飲まないということが発覚しまして。たばこのほうは隣で煙突みたいにスパスパ吸っていたら、欲しくなったみたいで写真が撮れたんですけど。コーヒーはどうしようと思って、結局コーヒーカップにティーバックでお茶を入れて、それを飲んでいるところを撮りました。
★★★★★★★
コーヒーが好きな人は北欧に行くのも手ですね。寒いからでしょうか。北欧の人はすごくコーヒー好きが多くてすごくこだわってます。渋谷にもノルウェーのコーヒー屋さんがありますが、彼らはイタリアからちゃんと豆を取り寄せて自分たちで焙煎したり、すごくマシーンにもこだわって作ってますね。
スウェーデンのマルモという街があります。この街はデンマークのコペンハーゲンから行った方が近いですが、海沿いの学生街がある街で、とても美しいとこですけど。そこにあったカフェにたまたま入ったらそこのバリスタが世界チャンピオンだったとかで本当においしくて帰りに豆をもらいましたけど。その頃は自分のグラインダーなんか持ってなくてその豆をダメにしてしまいました。今でも後悔してます。
コーヒー好きな人っていうのはいろんなところに行って、自分の好きなコーヒーの味っていうのを探すのもすごく面白いんじゃないかな。それで自分の行きつけを探す。僕もコーヒー好きなので、家でも自分で入れたりしてます。たいした機械は使ってないんですけど、昔イタリアで作ってたアトミックというアルミの、ストーブに置いてコーヒーを作るマシーンがあるんですけど。僕のはもうたぶん40年くらい経ってますかね。まだ現役で使えます。それに豆を入れて、寝ぼけながらミルクを立てて作ってます。それが儀式というか、手間がかかるんですけど、その準備をしているうちにだんだん目が覚めてきて、出来上がったコーヒーを飲みながら台所の隅っこでたばこを、煙が行かないように小さくなって吸うっていうのが、家主である僕のささやかな喜びです。
コーヒーはもちろんこだわると豆だったり入れ方とか、最近だとドリップが流行ったりとかいろいろありますけど、結局1番おいしいコーヒーっていうのはどこで誰と飲むか、それに尽きるんじゃないのかなあって僕は今思っています。若い頃意味もなくみんなで朝どこか出かけて駐車場で飲んでる缶コーヒーとかってやっぱり1番おいしいですし。徹夜明けの仕事がやっと終わって、本当はそのまま寝たいんですけど、なんとなくコーヒーを飲んじゃうんですよね。どうしても一服入れたいみたいなのがどこかにあるのかも知れません。それから長時間車を運転したあとのコーヒーっていうのももちろんおいしいですし。自分がどこで飲むのが1番おいしいかっていう場所を探してでかけていくのも良いのかもしれませんね。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。