India
テーマは・・・「インド」
一度訪れたことがきっかけで
人生観が変わった!という話を
耳にすることもある国「インド」。
訓市がインドを旅して体験したこと、
感じたことを語ります。
1月25日・日曜日の夜8時から・・・
check it!!!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージを
お待ちしています。
番組サイトの「Message」から
送信してください。
また、ハガキ、手紙も大募集!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
Antenna TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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スタッフ一同、お待ちしてます!!!
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
The Three Of Us / Ben Harper
米カリフォルニア出身のシンガーソングライター、ギタリストのベン・ハーパー。デビューは1994年で、ロック、フォーク、ゴスペル、ブルースなど様々な要素を感じる独自のスタイルが魅力です。この曲はデビュー・アルバム『Welcome To The Cruel World』に収録されているインストゥルメンタル曲で、訓市はインドに行ったら朝日とか夕日を見ながらこういう曲を聴こうかなと思って張り切って持って行ったとのこと。
Dreams / Fleetwood Mac
フリートウッド・マックは1960年代にイギリスで結成されたバンドで、当初はブルースをベースにしていましたが、1970年代半ば、女性ヴォーカリストのスティーヴィー・ニックスが加入して路線変更・・・1977年にリリースしたアルバム『Rumors〜噂』が全世界で大ヒットし、「Dreams」は全米ナンバーワンを 記録しました。
The Wind Cries Mary / The Jimi Hendrix Experience
不世出の天才黒人ギタリスト=ジミ・ヘンドリックスを中心とした3人組、ジミ・ヘンドリック・エクスペリエンスの記念すべきファースト・アルバムに収録されている曲です。
There's Nothing Like This / Omar
1980年代末から90年代前半にかけて日本でも隆盛を極めた音楽ジャンル「アシッド・ジャズ」の中核を担ったDJジャイルス・ピーターソンが主宰したレーベル「Talkin’Loud」から作品をリリースしていたオマー。訓市曰く、「沢山たワインを飲んでしまった日の夜とか、二日酔いで起きた朝とかにこれを聴くと、夢見心地な気分になります」とのこと。
ホーリー&ブライト / ゴダイゴ
1970年代半ばから80年代にかけて絶大な人気を誇った日本のバンド、ゴダイゴ。ヴォーカルのタケカワユキヒデとキーボードのミッキー吉野を中心にしたこのバンドは「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「ビューティフル・ネーム」など、数多くのヒット曲を生み出しました。
O Mio Babbino Caro / Kiri Te Kanawa
映画『眺めのいい部屋』のサントラから。訓市はインドのデリーの街角を歩いている時に自分のカセット・テープに入っていたこの曲を偶然、耳にすると・・・暑くって、汚くって、牛がいてという場所で僕は自分が死んじゃったのか〜と感じるほど感動した!という思い出の美曲。
Wish You Were Here / Pink Floyd
イギリス出身のバンドで、「プログレ」と呼ばれるジャンルを代表・象徴する存在として1960年代半ばから約30年間にわたって活躍しました。特に初期の作品は「インド旅」に必携!(訓市談)とのこと。
Dusk / DJ Food
1990年代に人気を博したイギリスのレーベル「Ninja Tune」を代表するDJ FOOD・・・「馬の声」がサンプリングされたこの曲は、何処か遠い所の光景が頭に浮かんできます。
Latikas Theme / A.R. Rahman
インドの都市ムンバイのスラム街を舞台に描かれたイギリス映画『スラムドッグ$ミリオネア』のサウンド・トラックに収録された曲。この作品は「第81回アカデミー賞」で主要の「作品賞」を含む8部門を受賞しました。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking...
★★★★★★★
「インドは呼ばれたら行く」っていうことをよく人が言ったりしますけど、本当に思い立った時に急に行くのが一番良いのかなと思うんですけどね。僕の場合はいろんな外国の人と一緒に今でいうシェアハウスみたいなことをやっていまして、そこに住んでたイスラエル人の女の子やイギリス人の子達が「インドに来なよ」ってすごく誘うので、それまで全く興味がないというか、アメリカやヨーロッパに行こうと思ってたのが、ある日急にインドに旅立ったわけなんですけど。インド旅っていうのはすごく好き嫌いがはっきりするというか、ものすごくはまってしまう人と、二度と行きたくないという人がいます。二度と行きたくないと思う人というのはですね、だいたい一週間とか、「パリ・ミラノ野旅」みたいな感じでインドに行ってしまってですね、大都市だけに行くと辟易としてしまうんですね。すごい人がいて誇りっぽくって、物売りがすごくしつこいとか、物乞いが多くてどうしていいかわからないとか。確かに僕ももし、最初に一週間しか行かなかったら、好きにならなかったかもしれませんね。ただもし、最初から2週間とか1ヶ月行ける人っていうのはきっと、すばらしいところにたくさん気づくと思います。インドっていうのは日本の8倍くらいの大きい国なんですけど、どこにでも電車とバスで行くことができます。毎日トラベルエージェントとかに行って、今日はどこにいってみようかなとか、安宿で会った他の外人旅行者と話して、「あそこの海がすごくきれいだ」なんて聞いて、じゃあそこに行ってみようかなとか。そういうふうな旅ができると思います。僕はお金が全然なかったのでホテルはあまり泊まらなくって、田舎に行く時は現地の人と交渉して、軒先とか部屋を貸してくれるんですよね。そういうところに泊まってました。はまると自分の体内時間がすっかりインド時間になってしまいます。それはすごく大変で。なにが大変かというと、日本に帰ってきた時、逆カルチャーショックになります。なにをやってもゆっくりですし。「ごめん、ごめん」て言ってれば済まされるかと思えば済まされないし。長く行けば行った分だけ元に戻るのに時間がかかるのがインド旅の特徴かと思います。
今の時期ですと、南インドなんかに行って、海沿いで宿を借りてハンモックを吊るして横になってるとですね、現地の人か篭を頭の上に乗っけて採れたてのフルーツを売りにくるんですよ。そればマンゴーだったりパイナップルだったり。それを食べてぼーっとできるっていうのは本当に夢のようですよね。話しているうちに、僕は明日にでもインドに行きたくなりました。
★★★★★★★
インド。何がおもしろいって、とにかく不思議な人がたくさんいるっていうことですかね。旅行者もいろんな人がいて、現地の人でも腰巻き一丁巻いて神様のために生きてる「サドゥー」という人たちがいます。インドは年をとって家族を養って子どもが独立すると自分の仕事や家族も全部捨てて「神様のために生きる」と言って、そこから修行僧のように放浪する人がいます。おもしろくていろんなサドゥーと話しましたけど、前職はいろんなことをしてる人がいるので、俗っぽい人もいるんですよ。「今日の円相場の円は下がったぞ上がったぞ」とかえらくお金に詳しいサドゥーとかですね、聞いたら元銀行家だったとか。すごくおもしろいなあというか。日本でそうやって今まで作り上げたものをポンと捨てられる人がいるのかなと思うとなかなかいないんじゃないかなと思います。
あと、デリーとか公園でボケッとしてるといろんな人がモノを売りに来るんですけど、有名なのが耳かき職人ですね。耳あかの掃除をしてくれるんですけど、必ず手帳を持ってるんですよ。ホテルの想いで手帳みたいなもので、それを読めと言うんですよ。自分がいかにすごいか過去の客が書いてるからって。「日本人客もたくさんいるぞ」って。読むんですけど、「この人は日本語読めないから書くけど、100%怪しいです」とか、「ほじらせてみてまあまあうまかったけど、さらに取れるという薬品は危ないぞ」とか。薬品で耳あかを取るというのもなんですけど。本人は何書かれてるか知らないんで、すごい得意げにまってるんですよね。ほじらせろ!みたいな。結局ほじらせなかったですけど、そのやりとりが面白くて3日間くらやりましたかね。暇な時にそうやって声をかけてくれる人が多いので、時間つぶしにはもってこいでした。
★★★★★★★
僕もずいぶんインドにいたので人に、どこがいいのかとか何を観たらいいのかを聞かれるんですけど、どこか一つ特定の場所を言うのが難しくてですね。インドの良さっていうのは多分、広大な土地の中に砂漠があったり山があったり、遺跡があったり、美しい海岸があったりするんですけど。そこを漂うというか、そこを移動しながら眺める景色っていうのが1番好きだったのかなと思います。それをどこか懐かしく思ったりするんですよね。原色使いの洋服とか、なにから何まで日本とはかけ離れているはずなんですけど、どこか見たことがある光景ばかりに出くわします。もしかしたら仏教が来たっていう国なので、どこか僕たちの記憶の中に刷り込まれてるのかなと思います。今はIT大国になってしまって、すっかり変わってしまいましたし、物騒な事件というのも多いので、女の子が1人で行くような国ではないのかもしれませんけど。機会があれば是非行ってみてください。
インドっていうと生水飲んだら病気が怖いとかいろいろあると思います。トイレが汚いとか。でもそんなものすぐ慣れてしまいますね。ただ、面白いのはインドに行くといろんな日本人の旅行者に会うんですけど、彼らが集まるとたいてい病気自慢が始まります。「僕おなか壊してしまって…」と言うと、「ああ、僕はアメーバ赤痢でね」って。そんな病気自慢の中に入らないように気をつけてください。あと気をつけなきゃいけないのは犬とかですね。昼間は暑いのでぐだっとしていて、おとなしくてピクリともしませんが、夜になると人格というか犬格?変わってしまって。彼らは狂犬病のワクチンを打ってないので、噛まれると毎週注射を打つはめになります。それから危ないのは道の真ん中で寝ている牛さんとかですね。信じられないですけど、僕の友達にはバイクで激突して、大けがをした人もいますね。そんな大変な国ですけど、楽しいところはたくさんあるし、とにかく美しいです。そして何よりおもしろいのはインドの人でして、道に迷って聞いたりするとあっという間に村中の人みたいな人が集まってきて道を教えてくれるんですけど、全員違う方を指差すんですよ。だいたい知らないんですけど、聞かれたら答えたいという気持ちが強い人たちらしくてですね。おもしろいですよね。あとは何を頼んでも、「できるか?」とか聞いても、絶対「ポッシブル!ポッシブル!ノープロブレム!」って言うんですよ。プロブレムだらけです、はっきり言って。でもどんな時でも「ノープロブレム」って笑顔で答えるインド人の人っていうのはとっても素敵な人たちで。
明日月曜日で仕事始めですけど、何を頼まれても「ノープロブレム」って言ってみてください。心がそっちの方に向くと思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。