Let's travel! Grab your music!
Theme is ... FLEA MARKET
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
そして、後半のテーマは「フリー・マーケット」。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど様々な国々で訪れたフリマ体験・・・
インドのフリマで押し売りされたモノに助けられたエピソード、
フランスのクリニャンクールで見つけた高価なカバンをゲットするために
訓市がとった行動とは?
旅先での大きな楽しみのひとつである「フリー・マーケット」の魅力を語る。
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお願いします。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Gypsy / Fleetwood Mac
フランスで録音され、1982年にリリースされたアルバム『Mirage』から、メンバーでヴォーカリストのスティーヴィー・ニックスが書き下ろした曲です。
Gravity / John Mayer
アメリカ人ギタリストでシンガー・ソングライター、ジョン・メイヤーのサード・アルバムで2006年にリリースされた『Continuum』から、グラミー賞も獲得している代表曲です。
Somewhere Over The Rainbow - What A Wonderful World / Israel Kamakawiwo'ole
ハワイ出身の巨漢シンガー、イズラエル・カマカヴィヴォオレがハロルド・アーレン作曲のスタンダード「虹の彼方へ」と、ルイ・アームストロング作の「この素晴らしき世界」をメドレーでカバーした名パフォーマンスです。
Girls / Death In Vegas
ソフィア・コッポラ監督の映画『Lost In Translation』のサウンド・トラック・アルバムに収録されている曲で、デス・イン・ヴェガスはイギリスのエレクトロ・デュオです。
サヨナラCOLOR / Super Butter Dog
ヴォーカルの永積タカシを中心とした5人組バンド、スーパー・バター・ドッグが2001年にリリースした名曲!
Romance / Hiroshi Suzuki
トロンボーン・プレーヤーのHIROSHI SUZUKIが1975年にリリースした曲で、サンプリング・ネタとしても人気です。
It's Changed / Lonnie Smith
アメリカの黒人オルガン・プレーヤー、ロニー・リストン・スミスの1977年アルバム『Funk Reaction』からメローな名パフォーマンス。
Night Breeze / Bobby Lyle
ジャズ、フュージョン系のキーボード・プレーヤー、ボビー・ライルの代表曲で、1985年リリースのアルバムのタイトル・トラックです。
Avril 14th / Aphex Twin
イギリス出身のアーティスト、エイフェックス・ツインが2001年にリリースしたアルバム『Drukqs』に収録されているピアノ曲。
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
★★★★★★★★
旅先での買い物の楽しみというのはフリーマーケットにあるんじゃないかと思っています。どこの国に行っても買えるものばかりのお店で買い物をするよりも、そこにしかないものを買う方が絶対に楽しいと思います。昔はそうじゃなかったと思うんですが、今は日本にいて買えないものを探す方が難しくなってきたんじゃないのかな。オンラインで見ればなんでもありますし。そういうわけで、旅先での買い物の喜びというのがすごく減ってきたんじゃないかと思います。世界はますます小さく便利になる代わりに、何かその魅力というものを失っていくものだと思います。そんな時こそぜひ、フリーマーケットに行ってみてください。ガラクタのようなものあれば、お宝もあります。騙されてガラクタをすごい値段で買っちゃったりもするんですけど。
その場で買わなければもう二度と出会うことはないかもしれない、というところに面白さがあります。僕もよく旅先でフリマに行きましたが、実際のところ買うものというのは少ないです。そのお店のご主人と与太話をしたり、とりあえず値切ってみたりとか、そのやりとりがすごくおもしろくって。冷やかしではないんですが長居をしてしまいました。何を買ったかというと、僕は昔のライターとかマッチをみたりするのが好きだったり、あとは活版印刷の木版とかの版を買ったり。もちろん古着も見ました。昔はニューヨークのマンハッタンのなかにも空き地がいくつかあって、毎週よくフリマがあっていろんな良いものが売っていたんですが、どこかしこも開発が進んでしまったので、今はブルックリンのほうが多いです。ただ、ブルックリンのフリマというのはまた洒落込んだ、通称・ヒップスターという人たちが多くて、おしゃれなご飯を食べながら闊歩しているのを見ると、横目でケッて感じになってしまうんですけども。アメリカの西海岸ではローズボウル・マーケットっていうものすごく有名なマーケットがあります。これはアメフトとかの会場であるローズボウルっていう場所で月一だったと思うんですが開催されていまして。本当に良いもの、お宝を探すんでしたら朝早くに行かないといけません。ただ、この朝早く起きてベンダーを回るというのもすごく楽しいので、もし、ロスに行く人がいたらぜひ、スケジュールを行く前に確認して行ってみてください。アメリカではテーマに合わせたフリマというのがたくさんありまして、例えば、車好きだったらポモナのフリーマーケットに行けとか。そこに行くと昔のアメ車のパーツとかがすごく安く売っていたりします。あとアメリカだと、おもしろいのがフリマというわけじゃないんですが、よく家の軒先でその家の人たちがいらなくなったものを庭で売っています。ヤードセールっていうんですが、そこにこそ、たまに本物のレアなものが格安であります。バンドもののTシャツとか。通りかかった際は必ず止まって、目を皿のようにして探してみてください。
★★★★★★★★
旅行していた時。例えば、インドやイビザにいた頃はフリマがよくあって、ヒッピーが石のアクセサリーを売っていたのを買ったりしていました。ハンドメイドのターコイズやクリスタル、ラピスラズリのもので。真剣な顔をして、「お前は疲れた顔をしているからクリスタルを持っていけ。浄化できるぞ。」とか「ラピスラズリは強い石だ。良い方にも悪い方にもいくから気をつけろ。」と説明を受けたものです。一度、インドでターコイズのネックレスを買おうとすると、売り手のヒッピーが「君にはこのラピスラズリがいい。きっと守ってくれる」と、欲しいものじゃないものを売りつけられました。よく見てみればすごく綺麗で大きなラピスラズリが付いている、首の周りにつく短いネックレスだったので結局それを買いました。それから1・2週間後ですかね。バイクの事故に巻き込まれたときに、頭から首までを切ったんですけども、首の頸動脈が切れなかったのはそのネックレスがあって守ってくれたからで、あのヒッピーはエスパーだったのかとびっくりしました。
先日、パリに行ったとき久しぶりにクリニャンクールの蚤の市に行きました。クリニャンクールというと出店のスタンドが出てると思うかもしれませんが、そこの周りには通常の店舗というかお店があって、毎週、場所が動かないエリアというのがあります。僕が行くのは実際はここで、すごくいいものがたくさんあるんです。程度のいい家具とか。買いたかったら運送会社の窓口というのがあって、そのまま送る手配もできます。そこまで僕は知っているんですが使ったことはありません。やっぱり高いので、だいたい見るだけで買った気分になっています。例えばジャン・プルーヴェの椅子など売ってるんですが、その椅子というのはデザインの名品でして、いつか欲しいなとは思うんです。でも、学校用の椅子なのでシンプルな椅子で、20年前で一脚20万くらいしたんですよ。高いなぁと思っていたんですが、今じゃ100万円です。なのでこういうマーケットで見つけるとあのとき買っていれば俺はこのくらい金持ちだったなっていう空想をしながら歩いています。ただ、ここで一回だけ僕も自分の中では高い買い物をしたことがあります。ボロッボロのヴィンテージのエルメスのカバンを見つけたときなんですけども。自分がすごく汚いなりだったので、カバンだけいいものを持って旅行するっていうのは面白いんじゃないかという妄想が広がりまして。そんな目でその古いカバンを見てみれば、確かにすごくよくできたカバンで、本気で欲しくなってしまいました。結局、どのように買ったかというと、このお店に3日間通いました。まずお店の中をぐるぐるまわっていろんなカバンを見つつ、とにかく興味はないって顔をしながら「これいくら?」って最後に聞くんですよ。高い値段を言われるので「ふーん。」ていう。それをやりまして、次の日も同じことをしました。3日目。そのお店に行くとそこの親父さんが昼間からワインを飲んで上機嫌だったので、「どうしたんだ?」って聞くと、アラブの金持ちが今、高いルイ・ヴィトンの旅行用のトランクを複数現金で買って行ったと。もうこの1週間そこら、商売しなくてもウハウハだ!と一人で祝杯をあげていたんです。今しかないと思いまして、「そうか、よかったね。じゃあこのカバン安く売れるよね?」って。で自分の出せる範囲の値段を言いました。向こうはもうすっかり出来上がってますから「うんうん、じゃあしょうがない。それ現金だったらいいよ。」って言われまして。ATMに行って戻ってきて、「手持ちさらに少なかった。これ以上おろせなかった。」って言ったら、それで許してくれました。こうして僕はものすごい格安でそのカバンを手に入れました。こういうやりとりは普通のお店では決してないことだと思うので、みなさんもぜひ旅行に行くときはフリーマーケットに行って、諦めずにコミュニケーションをとって値切ってみてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。