ON AIR DATE
2016.04.24
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

It reminds me something already I forgot.

TUDOR logo

Theme is... COLOR



『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
そして、後半のテーマは「色」。
訓市が世界各国を旅した中で感じた、その国の「色」について語る。
特に印象深かったインド、ギリシャの色...
日本という国のイメージは一体何色でしょうか?


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!

番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお願いします。


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

2016.04.24

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Across The View / Richard Burmer

J-WAVEが1988年10月の開局を前に、アメリカ人アーティストのリチャード・バーマーに制作を依頼して誕生した曲で、開局前、「時報」代わりにオンエアされました。現在も放送休止となる日曜日の深夜に流れています。

2

Sugarhigh / Jade Anderson

イギリスの女性ヴォーカリスト、ジェイド・アンダーソンが2002年にリリースしたアルバム『Dive Deeper』に収録されている曲。なお、彼女の父親はプログレッシブ・ロックので円説的バンドYESのジョン・アンダーソンです。

3

Hazy Paradise / Earth & Fire

アース・ウィンド&ファイアではなく・・・ アース&ファイアはオランダ出身のグループで、1972年にリリースされたコンピレーション・アルバム『Superstarshine Vol.2』に収録されている曲です。

4

Calling You / Holly Cole Trio

カナダ出身の女性ヴァーカリストで、この曲は映画『BAGDAD CAFE』のサントラに収録されているジュヴェッタ・スティールのカバー・ヴァージョンです。

5

ナイツ / スピッツ

1992年にリリースされたスピッツのミニ・アルバム『オーロラになれなかった人のために』に収録されている曲。

6

Red Curb / Rei Harakami

テクノ、エレクトロニカ系の日本人アーティスト、レイ・ハラカミ。この曲は2001年リリースのサード・アルバムのタイトル・トラックです。

7

Loney Rainbows / Vanessa Paradis

フランスの女性シンガー、ヴァネッサ・パラディの出世作、1992年のアルバム『Be My Baby』に収録されている曲で、プロデュサーのレニー・クラヴィッツがデュエットで参加。

8

Forever Blue / Swing Out Sister

キーボードのアンディとヴォーカリストのコリーンからなる男女二人組スウィング・アウト・シスターが1989年にリリースした3枚目のアルバム『Kaleidoscope Blue』に収録。

9

True Colors / Cyndi Lauper

ニューヨーク生まれの白人女性シンガー、シンディ・ローパーのセカンド・アルバムのタイトル・トラックです。

2016.04.24

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …


★★★★★★★★
『色』と言われるとその国を代表する色というのが確かにあるような気がします。昔のスポンサーだらけになる前のF1、戦争前の時期だと思いますが、国同士の威信をかけたレースだったみたいで、車体がぜんぶ国のナショナルカラーというものに塗られていました。例えば、イギリスだとブリティッシュグリーンと言われる深い緑。ドイツはシルバー、フランスは青、イタリアは赤。このナショナルカラーというのはサッカーのユニフォームになると違うのがまた不思議です。車体やユニフォームに使われる色の発色というのは、やはりとても美しくて、すごくその国に似合ってるんじゃないかと思います。イギリスに行くとブリティッシュグリーンというその深い緑は、いろんなところに使われています。それが家具や家の扉だったり、パブの一角がその緑に塗られていたり。公園に生えてる緑に近いのか、あの緑を見ると僕はなんとなくイギリスを思い出します。深い緑が好きな人は、イギリスでなにか探すのがいいかもしれません。フランスは国旗と同じトリコロール。青・白・赤というのが本当に綺麗なんですが、僕は特にフランスの青が好きです。ロイヤルブルーという鮮やかな青なんですけども、どこかちょっと淡くて、深くて、なかなか出せない青だと思います。それとイタリアの赤ですね。イタリアンレッド。僕は“紅の豚”という映画が小さいころ大好きだったんですが、主人公の飛行機が赤で、ライバルが『軽薄な赤だ』ってイタリアンレッドのことをバカにしてましたけど、あんな赤はなかなかないと思います。日本で赤い車を見かけるとやっぱりイタリアの赤い車とは発色がちがうというか、並べてみるとすぐわかると思います。性能は日本車の方が圧倒的にいいと思うんです。イタ車ってすぐ錆びて友達の車は運転席ごと錆びてゴトッて落ちたりとかありました。でも、ただ革の色とか外装の色というのはやっぱり真似ができないんじゃないかなと思います。車マニアの友達というのが僕の周りには何人かいるますが、彼らは車の色を塗り替える時にものすごくこだわって、海外から塗料を取り寄せたりしています。特に古い車の塗装にはすごく素敵な色が多いです。オリジナルにこだわる人はネットで探せば、この色だったら青の原色の何番と何番をこの比率混ぜ合わせる、というのが出ていて。例えば、古いベンツが好きな人がいて、50年代のグレーにはそれ用の名前がついていて、また微妙に60年代のベンツとは色が違ったりするんです。こだわるだけあって、話を聞いた時は『そんなにこだわっても色なんて変わんないんじゃないのか』と思ったんですけど、実車をみると確かに映画とかその国で見た色そのもので、確かにドイツの50年代のベンツの色だってすごく納得したことがあります。


★★★★★★★★
国にひもづく色というと、僕にとって印象深い国はインドです。インドというと、広い田んぼや畑の中で佇む女性が身につける“ルンギ”という布の鮮やかな色を思い出します。特にこれはブッダガヤとか仏跡がある地方のほうに多かったです。夏は40度・50度あるって聞きましたけども、本当に暑くて乾いています。その乾いた大地に田園風景というか、一生懸命育てた稲や穀物が広がっていて、そこに目が覚めるような原色のルンギを頭や腰に巻いている女性。原色って身に纏い辛いはずなのに、それが自然の中で見た時にものすごくあってるというか、インドというと僕はどうしてもその畑で見た女性のルンギを思い出します。あと、僕は白も好きで、白というとやっぱりギリシャの島。ギリシャもまた、すごく乾いていてあまり緑がないような島あって、海から見ると岩場が見えるんですが、その乾いた岩肌の崖の上に漆喰の白い家がぽつぽつ立っていて。あの漆喰は一体、何が入っていたらあんなに白くなるんだというくらい、目に痛いくらい白いんです。それが目の前に広がるエーゲ海の青い海とのコントラストがものすごくて、一目見ればあの白い家はぜったい忘れられない光景だと思います。こうして考えると結局、その国の気候や建物など風景に紐付いた色をその国の色として覚えていますが、逆にパッと浮かばない国というのもあります。例えば、アメリカ。アメリカは広すぎるし、州によっても景色が違うし、何がアメリカという国をあわらす色なのか、説明するのがとても難しいです。星条旗の赤・青・白というのはもちろん国旗ですし、スポーツで応援しているアメリカ人が身に付けていると『明るくて似合うなぁ』とは思いますが、なぜか自分が見てきた景色とその3色というのがあまり釣り合っていないような気がします。アメリカってどんな国なのかってしいてあげるとしたら、僕が思うに古いフィルム。それもコダックの黄色が強いような、どこか褪せたカラー写真、あの色というのがアメリカの色なんじゃないかなと思います。人気のない商店街やガソリンスタンドのサイン、ロードサインやモーテル。それから日に焼けた車の色。ウィリアム・エグルストンというカメラマンをご存知でしょうか。カラー写真をアートに高めたニュー・カラーと呼ばれる一群のカメラマン達がいるんですが、その代表格のひとりで。南部に住みながら何気ない風景を撮っています。彼が撮る写真の風景というのはやはりどこか退色したような、それでいてちょっと黄色が鮮やかな、郷愁をさそうアメリカの風景なんですが、アメリカの風景というとどうしても僕は彼が撮った写真の色を思い出します。でも、そういう風に考えると一番難しいのは日本という国なのではないでしょうか?お寺のような木造建築の茶色が日本をあらわすかって言われても、何か違う気がするんですよ。日本は藍染が有名ですよね。ジャパンブルーいいますが、じゃあ普段自分たちが目にする風景の中に青がたくさんあるかっていうと、なかったりします。すごく気になってきたので、今度日本を訪ねてる外国人観光客がいたら、日本という国を表す色は何色か聞いてみようかなと思います。みなさんは日本の色はなんだと思いますか?