ON AIR DATE
2016.05.01
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

Let's travel! Grab your music.

TUDOR logo

Theme is... RAIN



『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
そして、後半のテーマは「雨」。
ロンドンで暮らしていた頃、雨降りで感じたこと…
雨はあまり好きではない訓市が一番好きな雨とは?
ラスト・ソングは追悼プリンス、雨の名曲をセレクト!


★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
ゴールデン・ウィークに旅したエピソードや
ドライブで聴いた曲なども教えてください。

旅に紐付いた「リクエスト曲」をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
3曲セットの「ミュージック・ストリーム」セレクションでもOK!

番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお願いします。


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2016.05.01

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

Northern Lights / Lux

2

Those Sweet Words / Norah Jones

3

He Ain't Heavy, He's My Brother / Hollies

4

Lillies Of The Valley / Jun Miyake

5

雨は手のひらにいっぱい / シュガー・ベイブ

6

Dry The Rain / Beta Band

7

Little Bit Of Rain / Karen Dalton

8

Rainy Days / Shuggie Otis

9

Purple Rain / PRINCE and The Revolution

2016.05.01

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …


★★★★★★★★
僕はたまに降るの雨は好きなんですが、始終降られるのは絶対に嫌です。だいたい、家にこもるのがいやなので、出かけられなくなる雨というのがすごく嫌いです。そんな僕ですが、ロンドンに住んでいた時は本当に雨の多さにうんざりしたことを覚えています。ロンドンというのは常に曇っていて、特に秋から冬、そして春先までかな。その曇り方というのは、手が届きそうなくらい低い位置にびっちり絨毯を敷き詰めたように雲が空を覆います。このころに飛行機でロンドンに向かうと、下を見下ろしても町なんか見えないくらい綺麗に雲が覆っていて、それを見るだけで憂鬱になったものでした。そんなわけで、曇りのロンドン。よく霧雨が降ります。これがまた厄介で、傘をさすほどの雨ではないんです。僕も傘が嫌いなのでそのまま出かけるんですが、ちょっといい距離を歩くと霧吹きでまんべんなく湿気らせられたみたいな濡れ方をします。暗い・寒い・冷たい。三拍子そろった嫌な気候で、うっかりしていると余計なことを考えて落ち込む人が続出します。「銀行の手持ち金額が減ってきたけど俺、やっていけるのかなぁ。」に始まって、「俺の人生どうなっちゃうんだろう。」まで。そんなことを考えているといよいよ「宇宙っていつか終わるんだよなぁ」とか、スケールの大きい妄想が広がってきて、天候は精神にものすごく影響することを、ロンドンにいた時に確信しました。ただロンドンの場合、ちょうど今くらいです。青空が出てきて公園の緑が本当に綺麗に濃くなり、突然、日がながくなっていくので、その冬を越したからこそ迎えることができる躁の季節みたいなのが訪れます。夏なんか霧雨が降っても「雨に唄えば」を鼻歌まじりに歌って、踊ってしまうくらい気分がいいものです。ロンドンだとそういう、お仕置きのあとにご褒美がある、みたいな気候ですが、これがシアトルみたいに年間200日以上雨が降るようなところはどうなんでしょう。僕もシアトル行ったことありますが、たしかほとんど雨だったような気がします。街で200日雨ってどうなんでしょうか。森やジャングルで1日の間に何度か雨が降る、というのでしたらすごく気分もいいですし、やっていけると思いますが。雨降りの街というのは、僕はちょっと無理な気がします。


★★★★★★★★
雨、あまり好きじゃないんですけど、好きなのは熱帯地方のスコール。これが気持ち良くて、僕が一番好きな雨です。晴れていたかと思うと突然、大粒の雨がバケツをひっくり返したように降ってくる。それもほんの10分とか20分でサッと上がって雲間から強い日差しが降り注ぐ。南インドやタイなどのアジアの国には必ず雨季があります。行ったことがないときは、雨季というと朝から晩までずっと降ってるのかなぁと思ったら、そうではなく、わりとスコールみたいなのがザッとやってきてパッと止む、みたいなのが多かったです。もちろん湿気もありますし気温も高いので、そこまで居心地がいい気候ではないです。でも、やっぱり雨が降るということは植物にとっては良いので、みどりは本当に綺麗だし、どこかのカフェや木陰に駆け込んで雨宿りをするっていう時間も、ちょっとした休憩時間のような感じがして、こんな時間が1日の中にあってもいいんじゃないかなぁと思うくらいでした。あと、雨といえばハワイですよね。特にハワイ本島の方だと思うんですが、あそこもコロコロと天気が変わる島で、日が出てたのに車で1・2キロ走るとすごく雨が降っていたり、それですぐあがったりすると空に虹がかかります。それも特大に大きなものや、ダブルでかかったり。日本にいると虹を目にするというのはなかなかなくて、自分の車を洗ってホースで水をかけていると「あ、虹だ!」みたいな、そのくらいしかないですよね。なので、ハワイに行くと「すごい、虹だ・・・!」と思って感動するんですが、あんまり頻繁に虹を目にするので、そのうち誰かが「大きい虹だ!」と言っても、「あぁ、虹ね。」という感じで、気にも留めなくなるのが現金なんですけど。
雨にまつわる思い出。何か素敵なものがあれば良いんですが、ぼく本当にないんですね。雨でぐちゃぐちゃになった中、車をどこに停めたか忘れて5時間さまよったとか、ずぶ濡れになって風邪ひいたとか。ただ、雨で覚えているのはインドです。朝、開け放していた窓から、椰子の木の葉に当たる雨の音で目が覚めた時ばかりは、どんな音楽もかけなくていいんじゃないかな、と思って聞き惚れたり。もしくは、ニューヨークとかシスコのカフェで窓越しのカウンターに座って雨の風景を見て、まるで映画の世界に入ってきたような気がして一人うっとりしたことも何度もあります。でも、1番の雨の思い出といったら、やっぱり子供の頃に雨上がりにできた水たまりに、長靴を履いて飛び込む、ということなんじゃないでしょうか?毎回、母親に怒られながら目を盗んではまた飛び込む。僕らももう大人ですが、みんな子供の頃があって、必ず水たまりや雨が好きだったんじゃないかなと思います。