Let's travel! Grab your music!
Theme is... Breakfast in New York
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★
番組前半はリスナーの皆さんからお寄せ頂いた旅のエピソードと、
その旅に紐付いた曲をオンエア!
後半のテーマは「ニューヨークの朝食」。
東京で暮らす訓市が一年のうちで最も多く訪れる街がニューヨーク・・・
そこで食べる定番の朝食メニューとは?
美味しい朝食が食べられて、友達に偶然出会うことも度々あるという
行きつけのデリ、お気に入りのカフェについて語ります。
ぜひ、アナタのニューヨーク旅行の参考に!
★★★★★
番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
12月は今年一年間の感謝をこめて・・・
皆さんからのメッセージをバンバンご紹介します!
☆☆☆
特に募集するリクエスト曲のテーマは、
「冬のヘヴィメタル・バラード」
「冬のドライブ・ソング」
そして、「あの曲をもう一度」
日頃、一度オンエアした曲は2度と選ばない!という鉄のルールを
この時期だけ緩めて(笑)お届けします。
☆☆☆
リクエスト曲をオンエアさせていただいた方には
図書カード1,000円分をプレゼントします!
番組サイトの「Message」から送信してください。
手書きのハガキ、手紙も大歓迎!
日曜日の夜に聴きたい「ゆったりした曲」をゼヒお寄せください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Just The Way You Are / Billy Joel
Between 1st And A / Punch Brothers
First Love / Jessa Zaragoza
The Wrestler / Bruce Springsteen
ばらの花 / くるり
Morning Has Broken / Cat Stevens
Morning Train (9 To 5) / Sheena Easton
High & Dry / Pete Kuzma feat. Bilal
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
★★★★★★★★
最近、朝ごはんが食べられるお店を作ったので朝ごはんの話をしようと思いますが、僕は普段、朝ごはんを食べません。“食べたいな”とは思うんですが、ギリギリまで寝ていたいタイプであるのと、寝起きは低血圧なのか、まるで体が動かないんです。食欲もないですし、受け付けるのはコーヒーとタバコだけ。そのまま仕事に行って、昼も過ぎた頃にやっと体が温まってきて“何か食べようかな”ってなるんです。ただ、旅先では必ず朝食を食べます。これは多分、時差ボケのせいだと思うんですけど、だいたい朝の5時まで飲んでいようが30分後には目が覚めてしまいます。特にニューヨークなんかは早朝からゴミ収集車の音がものすごくうるさくて、布団をかぶって“絶対、起きちゃダメだ!”って思うんですが、もう8時くらいかなと思って目を覚ましてPCなんかあけちゃうとまだ5時。飲んでないときでも4時とかで、そこからメールとかの返信をしだしてしまうともうダメ、二度寝ができません。そんなことをしていると腹が減ってきて朝ごはんを食べに出かけます。ホテルの下で食べるときもあれば、行きつけのカフェで食べることも多いですが、ニューヨークの朝はすごく早くて、いろんな人が路上にたむろするのを窓越しに眺めながらコーヒーを啜ったり、大好きな目玉焼きを食べるのが恒例となっています。最近、取材で海外に行くときはだいたいが弾丸旅行なので、この朝食の時間が唯一、一人の時間かもしれません。とはいえ、最近はあまりにも時間がないので、朝食から友達と会ったり、打ち合わせをしたりもします。僕は特にニューヨークの朝のカフェの雰囲気がすごく好きで、寝癖のついたボサボサ頭のスタッフが“ずっとちゃんと起きてるよ”っていう顔を作って元気にサーブをしてくれるんですが、その寝癖のついた髪を見ながら『昨日は何時まで飲んでたの?』って聞くと『あれ、ばれました?二日酔いです。』って言いながら元気にオーダーを取ってくれたりするのを“いいなぁ”と思いますし、朝から元気に働いてる人を見るとこっちも元気になります。僕はだいたいニューヨークにいるときはイーストビレッジの下の方にいることが多いので、朝ごはんを食べているといろんな友達に出くわします。犬を連れて散歩をしていたり、自転車に乗って突然かどから出てきたり。適当な格好をした彼らに店から声をかけると満面の笑みを浮かべながら『Yo!Yo!Yo!Yo!』なんて朝からすごく元気に入ってきます。『いつお前はニューヨークに来たんだ。』とか、そこから30分くらい延々と喋って『遅刻だー!』って走って出て行ったり。こんなのもニューヨークという場所の、住む場所と働く場所が近いからあるのかなと思います。朝からすごく華やかな感じになって、こういうとき『あぁ、俺はいま日本じゃなくて、外国に来てるんだなぁ。』と実感します。
★★★★★★★★
僕は個人でやっているような小さなカフェとかダイナーのような、古くさい店がすきで、朝はだいたいそんな店で食べています。鉄板はサニーサイドです。日本でいう目玉焼きにベーコンとポテトがついてるものとか、フレンチトーストにベーコンをサイドで頼む。それにドボドボとメープルシロップをかけて、甘いものとしょっぱいものが生み出す魅惑のハーモニーを朝から楽しみます。特に時差ぼけのときとかそうなんですけど、血糖値が下がって頭が回らないので、こういうときはメープルシロップのパワーがすごいですね。ぜひ試してみてほしいです。この3・4年でよく行くのがオーチャード・ストリートにある“ダドリーズ”というカフェ。ここはオーナーがポーランド人の移民で、もともとスタンダードコメディをやる芸人なんですけど、最初に雇ったシェフがオーストラリア人だったからか、一応オージーカフェっていうことになってます。カフェラテも上のミルクのフォームがない“フラットホワイト”というのが飲めるところ。ここは周りに知り合いも多くてみんなが行くので、朝、運がいいのか悪いのか、ちょっとした井戸端会議場みたいになってしまいます。夏の週末にここに行くと確実に誰かに会うので、最後は10人以上に人数が膨れ上がって4時間いたとか、そのままみんなでどこかに出かけたりもします。とてもいい店です。
もしこれからニューヨークに行くという方で、朝から格式あるところでちゃんと食べたいという人は、SOHOにある“Balthazar”というお店にぜひ行ってみてください。ここはニューヨークのカフェ王と言われている人のうちの一人がやっている王道のフレンチカフェ。要は内装が昔のフランスのカフェみたいに凝ってるところで、はやりの小洒落た内装ではないですが、とにかく美味しいですし、すごく大きいお店なんですけど、朝から予約を入れないと入れない。まぁ一人だとカウンターにスッと入れたりします。朝からここで打ち合わせをしてるお金持ちなんかもよく見ます。“Balthazar”に行って席がないというときは、近場の“CAF GITANE”に避難するか、“Smile”っていうカフェもあるのでそこまで歩きます。GITANEは日本であったカフェブームのアメリカ版みたいなお店で、フランス人の方がやってるのかな。一時期は“ここに行けばスーパーモデルが絶対いるから見ることができる”なんて言われてましたけど、僕がここによく行ってた理由は、フランス人のオーナーだけあって禁煙化に猛反対していたので、軒先でタバコが吸える最後のカフェだったから。Smileもいわゆるおしゃれなご飯なんですが、本当に美味しくて、あと薄暗いのであんまり朝から能天気な気分でいたくないときはここまで行ったりします。また、朝から死ぬほど肉を食いたい、ボリューミーに食べてパワーを入れたいという人は“Katz’s Dele”というところでパストラミサンドなんていかがですか。ここはもう100年くらいやってるのかな。この辺りで一番古い店で、日本でいったら本当に定食屋というか食堂のような内装でボロい。でも、それは完全に僕好みの内装で、要はおしゃれな雰囲気が微塵もないところです。ここのパストラミサンドはものすごい量ですけども、一度は食べてみてもいいんじゃないでしょうか。魚が食べたいということであれば、“Russ & Daughters”というカフェもあります。ここも100年以上やってる古いお店で、内装も女の子が好きそうなパステルカラーな感じ。こちらでスモークサーモンを食べるのもいいんじゃないでしょうか。
これから冬休みをとってどこかに行きたいという人たちは、スキーに行くのもいいですし、ハワイとか暖かいところで水着になるのもいいと思うんですが、今こそニューヨークとかに行って、朝飯ツアーなんていうのはいかがでしょうか。寒いですけど、外に出たときの空気が澄んでピリっとした感じとか、お店に入って温かいコーヒーを飲んだり、好きな時間を過ごせる冬というのはすごくいいと思いますし、逆に今こそ寒さに負けて格好がみんな適当なんですけども、それでこそ普段着のニューヨークの人たちが見られるのかなぁと思います。そして自分のお気に入りの曲とかを聞きながら本を読んで景色を見る。そういう時間を冬にとれる方はぜひとってみてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。