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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
「子連れ旅行 子どもにとって旅がオススメな理由」VERYママ旅新連載vol.1
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Theme is... 子どもの旅
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 心の拠り所の一つになるステキなこと ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、はがき、メールで寄せられた
旅のエピソードと、その旅にまつわるリクエスト曲をお届けします。
訓市の“メッセージ返し”もお楽しみに!
後半のテーマは「子どもの旅」。
訓市にとって旅の原体験になっている軽井沢で過ごした夏の日々、
今でも覚えている光景について語る。
訓市の人生を変えた思い出の旅とは?
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Easy Does It / Nightlands
Sunday Morning / Strawberry Switchblade
Jazz Festival / Victory Boyd
Dune / Underworld
ダイナ / ディック・ミネ
I Am In Love / Jennifer Lara
Je Te Laisserai Des Mots / Patrick Watson
Rose Parade / Elliott Smith
The Ocean / Richard Hawley
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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もうこの番組を始めて5年目なんですけども、よく「子供と一緒に旅行に行きたいんですけど何処に行ったら良いですか?」とか「小さいんですけど、意味があるか」とか… そのようなお便りをよくいただくのでここらでそんな話をしてみようかと思ったんですけど、僕が一番小さい時に行った旅というか旅行で覚えているのは軽井沢です。本当に古い木造の、軽井沢が別荘地になった当時の典型的な濃いエンジ色に塗られた建物が昔はたくさんあったんですけど、その1つで小さい頃は夏の間中そこに滞在していたのが僕の最初の旅の思い出です。それ以前にも沖縄に行ったり五島列島に行ったりと色んな所に行っているんですが、“どうもここは自分の住んでいる家と違うぞ、どこかアウェイ感がある”ということを感覚で覚えるようになったのは軽井沢です。東京の家とは違い、周りの道はほぼ舗装されていなくて塀も禁止されていて松とか杉の木が立っているだけで、僕はそこをよく母方の祖父と一緒に散歩した記憶があります。趣味が盆栽だった祖父はコケを集めたり木の種類を延々と説明するのを僕は訳も分からず聞いていたり、近くに流れている小川で魚を捕ろうとしたりしたものでした。そして夜は東京の静かさと違う、闇の濃さが段違いの夜に大いにビビりまくってトイレに行くのが本当に怖いと心の底から思ったのも軽井沢でした。そういう小さい頃に出かけた旅の記憶っていうのは10代の時より歳を重ねて自分が大人になった時、または親になったりした時により鮮明に思い出したりしてその影響の大きさに気づいたりしました。僕が本当に小さい頃に行った五島列島や沖縄の記憶というのは若い頃は全く無くて、自分の親が「あなたはあの時ああだったのよ」とか「こんなことしたのよ」って言われても何の話か分からず、ましてやそれが思い出深い旅だったなんていう記憶も勿論ありませんでした。「そんな小さい頃のことなんて覚えてないよ」… 言われると返す言葉っていうのは決まって同じだったんですけど、それが自分自身が大人になって親になってどこか似た風景を見たり小さな子供が何か不思議なことをしているのを見て、”あぁこの光景を僕は覚えているぞ”となるわけです。「2歳児や3歳児を海外に連れて行って後で覚えていてくれますかね」なんてお手紙に書いてあったりしますが、それを克明に覚えていたり物凄い影響がすぐに出る訳じゃないとは思いますが、その時の記憶というのはきっとずっと残っていくものだと思います。そして、それが子供が大きくなって昔を振り返った時の自分は楽しかったとか幸せだったという一つの心の拠り所になるんじゃないんでしょうか。
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振り返ってみると僕は小さい頃、近場から遠い所まで色んな所に連れて行ってもらった記憶があります。それが少しずつ溜まりに溜まって、今も家でじっとするより出かけることが大好きな自分を作っていったんじゃないかなぁ〜と同時に僕の人生がこうなってしまったのはやっぱり親のせいなんだなと、40を越してから思うようになりました。けれどそれは冗談ではなくて、自分が小さい頃に頭に刷り込まれた知らない場所の雰囲気とか木の匂いとか日差しの暖かさとか空にどんな鳥が飛んでいたとか、そういうことは確実に僕に影響を与え続けています。まぁその辺は多分小学校に入るぐらいまでの記憶なんですけども。それと10代の初めに初めて行ったアメリカ。スケートボードや音楽にハマってアメリカのカルチャーというのに恋い焦がれていた時に、その発信地であるニューヨークとロサンゼルスに連れてってもらえたのは完全に僕の人生を変えたと思います。いつ行っても変わったとは思うんですけども興味があるまさにその対象の人たちに会えたり、溜まっているところや演奏している場所をこの目でその時に見ることが出来たのは本当に凄いインパクトだったなぁと。若い頃は頭が柔らかくて何でもスポンジのように吸収しますから、どんどん色んな場所へ出かけてタイミングを逃さずにその場の空気を吸ってみるっていうのは何よりのことなんじゃないかと思います。勿論、誰でも簡単に好きな所へ行けるわけではないですし大変なのは分かっていますが、もし余裕があったりアルバイトしてお金を貯めているけども、それは流行りの物を買いたいから貯めてるみたいなことがありましたら、そんなことより何処かに行くっていう方が良いと思います。それは勿論、若い時だけじゃなくって歳をとっても一緒だとは思うんですけど。今年、番組で話したと思いますが年の頭の頃に2〜3泊でヨーロッパに行って3日ぐらい日本に帰ってきて、またアメリカに行くなんていうことがあって、まぁもうしょっちゅう行っている同じ街だし疲れるだけだから止めようかなと思っても、行くとやっぱり新しい発見とか刺激があって、どんな辛くてもですね身体的に、機会があったら必ず外へ行くと何かあるんだなぁとその時も再び思いました。そして、小さい子供を抱えたお父さんお母さん・・・どんどん色んな所へ一緒に行ってください。僕が良い例じゃないですけども、その時の記憶っていうのは絶対に子供の中に残りますし、何よりそれはお父さん、お母さんあなたたちの為にあるんです。連れて行ってあげようかしらとか、見せてあげようと思うっていう上から目線で話していますが、あと10年以内に“連れて行かせて頂いて本当にありがとう”っていうそんな立場逆転になると思います。僕も今年久しぶりに行きましたけど、もうあと何年こうやって一緒に遊べるのかなぁと思うと子供の記憶とか見聞を広めるとかっていうのではなくて自分の思い出作りのためにあるんだなあって本当に思いました。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。