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訓市が企画した写真展は・・・
『LOOKIN THROUGH THE WINDOW』@ GYRE
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Theme is... 写真展
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」をキーワードに、
旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 写真好きの訓市が好奇心から企画した写真展 ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで寄せられた
旅のエピソードと、その旅身まつわる曲のリクエストをお届けします。
旅、恋愛、進路、人生についても質問にも訓市がストレートに答えます。
後半のテーマは「写真展」。
日頃、日記代わりに撮影する程度で写真を撮ることに不向きという
訓市がコツコツと買い集めた500冊を超える写真の中身とは?
訓市が企画した写真展「LOOKIN THROUGH THE WINDOW」について語る。
左のリンク先をチェックの上、足を運んでください。
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今年も番組オリジナルのCDができました!
10名の方にプレゼントします。
ご応募はキュレーションアプリ「antenna*」からお願いします。
antenna*のホームチャンネルに詳細を記載した記事があるので、
そちらからご応募ください。左のバナーからどうぞ!
締め切りは8月31日到着分まで有効とさせていただきます。
なお、当選者の発表はCDの発送をもって代えさせていただきます。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
リクエスト曲がオンエアされた方には番組オリジナル図書カード、
1000円分をプレゼントします。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
antenna* TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Runaway / Electric Youth
Norman And Norma / The Divine Comedy
Fairy Tale / Joey Pecoraro
We Are Young / Fun
通り過ぎただけの夏 / ゆらゆら帝国
Love / Keyshia Cole
Head Over Heels / Tears For Fears
In Too Deep / Genesis
Picture Of You / The Cure
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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7月20日から表参道にあるジャイルというビルにある3階のギャラリーで開催されている写真展を企画しました。写真展といっても僕が写真を撮っているわけではありません。番組でも何度か話したことがありますが、僕は写真を撮るのに全くもって不向きな人間です。とにかくシャッターチャンスと言いますか、自分が撮れたら良いなと思う瞬間に限って写真を撮れたことがありません。夢中になってそれを見ているか興奮して何やら叫んでいるかっていう感じなんです。ですから写真はiPhoneで撮りますけど、それは写真日記と言いますか自分の記憶用のスナップ的なものくらいです。いつ、どこで、誰といたかを覚えておく為にあるメモのようなもので、とにかく同じ街にたくさん出かけたり酒を飲んでいますとあの時の話がいつのことだったのかっていうのが段々分かんなくなるので、それって実はとても後で役に立つことが多いからです。ですが写真自体は本当に好きで、色んな人が撮る写真を見るのも好きですし、フォトグラファーと呼ばれる人たちと出会うのも大好きです。写真が一瞬を切り取る表情や風景というものは、時に動画よりもはるかに自分に長い物語を連想させたり、自分の記憶とリンクして感情のより深い部分を揺り動かしたりします。ですから写真集というものも大好きで、色んなものを長い間コツコツコツコツと買い集めているうちに今ではいったい何冊あるのか分からなくなってしまいました。小さい壁一面、床から天井まであるので500冊は絶対あると思うんですが、もしかしたら1000冊ぐらいあるかもしれません。写真集を取り出してページをゆっくりめくりながら見ていくと、それっていうのは番組タイトルみたいなもんですけども、“動かない旅”のような気分になります。戦前のパリの街角を集めた写真集とか、60年代の登山家だけを集めたもの、70年代の泳ぐためのプールで滑るカリフォルニアのスケーターの写真集、ハリウッド俳優の現場でのオフショットだけを集めたもの、服のデザイナーの自宅ばかり撮ったものやアメリカの貨物列車に飛び乗って旅する家出少年たちのドキュメンタリー。雑多なテーマの写真集をめくるたびに、その1枚1枚の背景とか、それが編集されて連なることで生まれるストーリーに見入ってしまいます。基本カメラ一つ、今でしたらそれこそ携帯一つで誰でも撮れるようになった写真。なのにそれがアートとして成立するほど作家性を出せるものなのですから、そこが写真の1番の面白さだと思います。僕はよくニューヨークに行きますけど、ニューヨークっていうのはとてもフォトジェニックな街だとして有名ですが、僕はそこで写真を撮るわけではなくてフォトグラファーに会いに行ったりします。写真のメッカとしてニューヨークはドキュメンタリー、ファッション、広告と新しい才能が一番生まれてくる街です。
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ニューヨークに行くと毎回感心するのが、もう撮り尽くされたと思われる街を独自のアングルでルポしたり、新しいキッズたちの日常を捉えたり、面白いなーと感心することが多いです。今っていう時代ほど写真が溢れた日常を送っている時代っていうのは過去には無いと思います。僕が若い頃っていうのは例えば海外のファッション写真が見たいと思ったら洋書を扱う書店に行って、ある限られた雑誌にしか載っていなくて、そこから世界の流れというのを勝手に想像して学んだものでした。まぁ最初は全然分かんなくて覚えたてのタバコやコーヒーと同じで、「うんうん。この写真が今っぽいよねー」とか言いながら、実は何を意味しているのかすらさっぱり分からず、そのうちに何となく「あぁ、これが今っぽいんだ」とか、なかなか面白いんだなと理解するようになったりしました。世界中でファッションフォトっていうのはある種ピラミッド型の共通学校のように雑誌が機能していました。例えば最初はイギリスの『ID』という雑誌などに写真が採用されると、そこからブランドから仕事が来て、もうちょっと予算のある今度は雑誌でタイアップみたいな撮影をしたり、そこからやがて大きなバジェットの広告を撮る。それがファッションフォトの王道でした。それを皆んなが目指して世界中の若いフォトグラファーがロンドンを目指したりしていました。今の写真の流れは?となるとある程度体系立てて学ぶことが出来たのです… まぁ勝手にですけでも。それがSNSの登場で全てが変わったと思います。音楽のアルバム聴きとシングル聴きのようなものですが、長ったらしいフォトストーリーなどを見てその意味を考えるようなことを誰もしてくれなくなりました。そもそも雑誌自体がどんどん減ってきましたし、携帯を持っている人全員がフォトグラファーとも言えて、毎日洪水のように写真が吐き出されています。その中で目立つものやキャッチーなもの、わかりやすいもの… そういうものが良い写真とかファッションに興味がある人が流行を探すリソースとなりました。昔が正しかったのかどうかは分かりませんが、とりあえず良い写真とか良いファッション写真というものの意味があったと思うんですけど、今はそういうものが全く変わりました。と言うよりもいわゆるファッション写真という僕ら40代が想像するゴージャスだったりアブストラクトだったりと言ったものはもう存在しないのかもしれません。じゃあ、今という時代にファッション写真のモードとかストリートというお題で20代、30代、40代と違う世代のフォトグラファーが写真を撮って、それを同時に並べて見ることが出来たら今の若い子たちはどういう風に感じるんだろうという好奇心から企画したのがジャイルで開催している『LOOKIN THROUGH THE WINDOW』という写真展です。水谷太郎くん、小浪次郎くん、石田真澄さん。ちょうどそれぞれ10歳ずつぐらい離れていて、育った環境も見てきた写真もファッション写真はこういうものだっていう風に最初の初期衝動っていうのも全く違います。それぞれの個性とその世代感が出た写真、入場は当然無料。また時間ばかり取られて僕には何も見返りが無いとは言え、自分が最も見たいなぁ〜と思っていた張本人ですから、こんなに素敵なことはありません。皆さん、夏休みに原宿のほうへ行く機会がありましたら是非見てみてください。そして、その写真の背景にあるストーリーなんていうものを自分なりに考えてみてください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。