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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
台湾の「38歳」デジタル大臣から見た日本の弱点
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Theme is... Debate
『Travelling Without Moving』=「動かない旅」を
キーワードに旅の話と、旅の記憶からあふれだす音楽を
お届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 誰もが未経験の現状に、訓市が思うこと ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールでお寄せいただいた
旅のエピソードと、その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。
後半のテーマは「ディベート」。
“移動すること”さえ不自由になってしまった今、訓市が思うこととは?
世界中が目に見えない恐怖に包まれている中、
“議論すること”=ディベートの重要性について語る。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト… お待ちしてます!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Walkin' / Thunder Cat
One More For The Road / Don Shirley
I Will Be There With You / David Foster
Little Dreamer / Peter Green
ずっと前 / Fishmans
Everybody Everybody / Arthur Russell
Don't Make Me Over / Dionne Warwick
Cadence And Cascade / King Crimson
piano un10 it happened / Aphex Twin
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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タイトルに旅が付くように、旅をテーマに謳っている番組ですけど、海外旅行はおろか色んな所に移動する旅がいよいよ出来ないような現実を迎える日常がやってきました。ヨーロッパに入れない、アメリカでは外出禁止、日本人が入国するのも難しいような国っていうのも大分増えてきました。海外の友達からも「職を突然なくした」という者もいれば、「この状況が1ヶ月続いたら手持ち資金がなくなる」とか、「家賃がもう払えない」とか色んな話が耳に入ってきます。今まではどこかで地震があったりハリケーンが直撃したとか何かあった時に、どこか自分たちとは関係がない、もしくは不謹慎ですけど自分でなくて良かったとホッとしたりとか、そう思っていたことが多々あったんですけど、今回は本当に特殊で同時多発的に世界中で同じ問題が起きています。こういう不足の事態が起きた時にこそ本音が出たりして、ニュースを見ていると特定のアジア人に差別があったとか、突然ある国を非難しだしたりとか、人権とかを高らかに謳っていた国が実は結構醜い行動をとったりして、やっぱり自分が問題がある立場になった時にそれまで言っていた事と同じ事をキープするっていうのはすごく難しいのかもしれませんが、色んなニュースを見ているうちに今まで自分たちがどんなに恵まれていたかということを強く思います。好きな国や街に行ったり、友達とご飯を食べに行ったり、2ヶ月後の予定を友達と話して決めるなど行動の自由があるという事がどんなに素晴らしい事かってことが本当によく分かります。仕事が忙しくてどこにも行けない時でも、お金に余裕が無くてしばらく旅行なんて無理だとしても、その気になったら行けると思える余裕があるのは素晴らしいことです。またそういう機会を持ちたいがためにフリーランスという仕事の働き方を選んだ知り合いもたくさんいるんですが、それが今回のようなウィルスで突然失われる。僕は海外での仕事が普通の人より多いというか、むしろそれがメインのような感じだったんですけど、これから数ヶ月というかとりあえず分かる範囲では全てそんな機会も無くなりました。移動が出来ませんし、何よりこのウイルスに対してどう対応するかというのは前例が無いので誰も分からないという事がさらに状況を難しくしてると思います。特にこの番組でも話しますけど、これだけ世界が密に繋がってしまった以上は逆に同時に色んな事を止めるっていうのがすごく難しいわけです。それでも今回はいつもは権力を持ってる強力な西側諸国も、搾取される側の貧しい国も等しく同時に同じ敵と向かい合わなければならなくなったわけですから、なんとかこれを今まで無かった良い機会として、世界が一緒に行動出来る良いケースになればいいと思います。
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皆んなと「どうすれば良いの?」「どうすれば良いの?」っていつも話していますけど、出来る事といえば手をひたすら洗い、マスクをして人混みに行かないっていう事に尽きると思います。生まれてこのかたこんなに毎日頻繁に手を洗った事が無くて、慣れってすごいものでちょっと外に行くと自然に手を洗うようになりました。こんな僕でも。思えばインドにいた時も手なんか洗わないで右手で全部食べてましたからね。残ったソースもしゃぶったりしてました、恐ろしいものです。こういう生活が皆さん続くわけなんですけど、最近さらに頻繁にニュースも見るわけで、1つ強烈に思うようになったのが、国の説明が非常に分かりづらいという… いきなり初めて聞く英単語が出てきたり、どうすれば良いのかっていうのが最後のところがお任せします的な語尾で終わるのが多くて、40代の僕でも分かりづらいんですから、70代や80代のお年寄りが見たら「自主的に」って事だから関係ないでしょと思ってしまう人も多いんじゃないのかなと思います。そもそも「極めて遺憾」とかそれで話が終わると遺憾だと思うのはわかるけど、それに対してどうしたいっていうのが抜けてるじゃないですか。そしてデータを全然提示してくれない。前代未聞のことなんだから分かんないのが当たり前だっていう人もいますけど、分からないなりに例えば2週間街を閉めるからその間に調査して、無作為に人のウイルスを調べて少なかったら自粛解除するとか。この辺っていうのはどんなお役人でも政治家の方でも必ず分かりやすく話してほしいなと。もし、これが社会人で会社のプレゼンとか決算でこんな説明をしたら多分みんなクビになってしまうと思うんですよね。だって何も分からないじゃないですか。「今までより強く対決する」とか、どういう意味なんだろうみたいな。そしてもう一つすごく気になったのがニュースを見ているとコメントのとことか、誰かが発言した事に猛烈に批判するコメントを書く人達がたくさんいますが、コメント欄なんですから自分の考えを言ったりすれば良いわけで、良い考えがあればなるほどと思えば良いし、そうじゃないなと思えばそれを無視すれば良いだけだと思います。こういう風に二分化してしまうと議論にならなくて良い民意というか考えがなかなか出てこないんじゃないのかなと思いました。随分前ですけど僕がアメリカの高校に行って確かに一番驚いたのが「ディベート」の授業っていうやつでした。クラスで半分に分かれて同じテーマについて話したり、もしくは1つのテーマについて皆んなの前で自分が話すわけですよ。それについて皆んなが議論するんですけど、そこに教師もフラットに入ったりして皆んなが自分の意見を恥ずかしがらずにオープンに話すっていうのはとても素晴らしいなと思いました。だからといってアメリカの方が議論に優れていて、より優れた政治とかそういうのが行われているかっていったら一概にそうも言えないと思うんですけど、ただ良いなと思うのは議論をする時に相手の考えを看破するっていうか、それは間違ってるとかっていうのはアリなんですけれど、その時に自分の考えを言わなきゃいけないですし、その相手の意見が嫌いだからといって相手の人格を否定するわけじゃないので、そこが素晴らしいなと思いました。日本の匿名の議論を見ていると発言を否定するだけじゃなくて言った人のことを想像して、どうせこんな人だろうとそのものも否定してしまうことがすごく書き込み見ると多いなと思いました。こういう未曾有の事態という時にこそ、今までと違った形で物事が進められるようになれば一番良いんじゃないのかと思います。とにかくこの自体が早く、もはや日本だけのことではないので世界中で落ち着いて、そしてまた皆さんそして僕も好きなところに行けて、そこでの思い出とか考えというものをこの番組内で手紙で読めたら良いなと心から思います。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。