ON AIR DATE
2020.06.07
BACKNUMBER
  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54

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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・

ロックもギークもストリートも!この夏はTシャツで自分の『好きなモノ』を体現しよう!

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TUDOR logo

Theme is... 村上T

『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


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--- レコードも、Tシャツも、収集は村上ルールで ---

番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールで
お寄せいただいた旅のエピソードと、
その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。

後半のテーマは「村上T」。
雑誌の取材がきっかけで始まった村上春樹さんが
コレクションするTシャツをテーマにした連載が一冊の本に!
レコード収集家としても有名な村上さんが
設定している“ルール”とは?
予定時間を大幅にオーバーして話を伺って
訓市が思ったことについて語る。


★★★★★★★★★★

番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト… お待ちしてます!!

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2020.06.07

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

On A Clear Day / Anthony Strong

2

God Only Knows / Brian Wilson

3

Work To Do / The Isley Brothers

4

Summer '68 / Pink Floyd

5

季節は変わる / 踊ろうマチルダ

6

Everytime You Go Away / Paul Young

7

More Than I Can Say / Leo Sayer

8

Walking In The Rain / Flash And The Pan

9

Hungry Heart (Live version) / Bruce Springsteen

2020.06.07

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。

Kunichi was talking …


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先日、片付けということでTシャツの話をしましたが、まぁとにかく沢山あって、さらにまた色んなところから出てきてしまったりですね、それにいちいち思い出が頑固な汚れとしてくっついて取れないものですから捨てられない。事務所の片付けも始めましたら今度はそちらでもまた沢山Tシャツが出てきまして。さらにスニーカーもダンボール2個分くらい。どうしたかっていうと気分は大沢誉志幸みたいな感じなんですけども… 元々、Tシャツだのスニーカーだの本とかたくさんあるんですけど僕は決して収集癖があったわけではなくて、第1にものぐさだというのと、趣味が多方面に広がっていてそれをコロコロ変わらないというか、ず〜っと好きだっていうのが長く続いた結果、あくまで偶然にそうなってしまったので、なにか体系的に揃っているとかそういうわけではありません。ただ、もちろん自分が好きになったもの、ハマったものっていうのは時代時代によって少しは変わってくるわけで、例えばTシャツにしても音楽ものだけを見ても自分が好きになったバンドやアーティストのものばかりで、自分のiTunesに入っている曲と見事にリンクしています。ラジオで何をかけようかなと悩んでいる時に自分のTシャツを見て思い出したことも何度もあります。“立体的思い出インデックス”… それがTシャツなんですけど、世の中にはもちろんすごいコレクターというのがいてですね、ある種の狭い範囲内で貴重なものをばんばんコレクションする人たちがいます。ロックT、バンドのTシャツですけどもそれだけでもパンク系だけ猛烈に持っている人もいれば、ハマると泥沼に落ちるグレイトフルデッド系のもの、これはブートがオフィシャルというか異常にあるので大変です。それから90年代のヒップホップ系だけを収集する人たち。自分が好きな音を身に纏いたい、もしくは好きだったミュージシャンが着ていた同じものを着たいなど理由は様々でしょうけど、そうやってみな収集癖を刺激されてコレクターという泥沼に落ちていきます。そんな中、ちょっと変わったTシャツのコレクションをまとめる本の製作に関わりました。それが確か今週出版されていると思うんですけど、村上春樹さんのTシャツコレクションをまとめた本『村上T』です。村上春樹?作家の? 本とかレコードじゃなくてTシャツ? きっとそう思ったリスナーの方もいるかと思いますが、そうなんです。作家の村上さんが集めてきたTシャツです。


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数年前にレコードを愛する人の部屋を特集する雑誌を作った時のことです。もうジャズの欲しいレコードをほぼ全て集めてしまった村上さん、とはいえレコードを掘るのは辞められないということでそこから買い出したのが2ドル以下で買うとか、人の家のガレージセールのガラクタの中を掘るとか、もしくは自分が好きなジャケ写真で選んでいくとか… そういうルールを付けて楽しんでいる話をしてくれたので、この感じでいうと絶対何か他のものも収集しているぞと聞いてみますと「Tシャツを集めている」とポロリとこぼしたので、そこに食らいつくのが編集者。そして始まったのが雑誌『POPEYE』でのTシャツ連載「村上T」でした。1年半にわたるその連載と、そこからこぼれてしまったものを集めてさらにお話を聞いて1冊にしたのがこの本です。この連載っていうのは全部村上さんがエッセイで原稿を書いてくださいまして、それぞれハワイのどこで買ったとか、着ていたらこんな風に声をかけられたとか、もしくはこんなもん目立ち過ぎて着られないとか、色んなエピソードが付いています。しかもそこからいかに村上さんが音楽とお酒を愛しているかということも伝わる、“夏のビールの友”の本としてぴったりです。旅の思い出の収集として安いTシャツを買うというのは本当に良いなと思いました。Tシャツにもレコードを買う時と同じように“村上ルール”があるんですが、レコードと一緒でお金にものを言わせて買うことは絶対しない。そもそもこういう収集するということはゲームで、ゲームはルールがないと成立しないという言葉は本当に心にしっくりくるものでしたし、下品に買い漁る人たちに読んでほしいなと思います。それだけじゃなくて、バラバラに本当に言葉の意味も分からないけど絵面で買ったとか、好きな車もので買ったというTシャツを見ていくと、なんとなく村上さんの著作の背景やディテイルを感じたり、その人となりというものを感じることができると思います。そして本を見るとハワイに行きたくなると思います。のんびりと昼から安いビールを飲み、何をするでもない午後を過ごすハワイに… そんな雰囲気の本です。でも1番村上さんの話で胸に残ったのは今でも定期的にタワーレコードへ行って、時間をかけて試聴盤を全部試して新しい音楽を買い続けているということ。「1、2年も空けると何が新しい音か分からなくなって聴けなくなるんだよね」と。僕の周りにも音楽命で色んなものを聴いて調べていた同級生が、年をとってすっかり聴かなくなって、理由を聞くと「新しい音楽はわけが分からないし、良いものがないから聴かない」と言ったりします。聴き続けていけば理解出来たり、良いなと思うものもたくさんあるんですが、これは音楽だけではなくて全てに言えることなんじゃないのかなと思いました。政治家が最近よく話のタネに登りますし僕もタネにしますが、彼らは一般のいわゆる普通の生活、過ごし方というものを長いことしていないんじゃないんでしょうか?情報として見るだけで。歳をとっているから老害だとか、若者の政治家に変えたほうが良いとかということではなくて、ちゃんと今という時代と繋がっているかどうか… それが1番大事なんじゃないんでしょうか? そう考えると今の政治の方たちっていうのは頭でっかちで実際の生活からくることっていうのを実感を持っている訳じゃないんじゃないのかなってすごく思うんですけど、そんなことまで考えてしまうTシャツ本、機会があったら是非手に取って見てみてください。他局で冠番組をやっていますが、1度でいいから村上さんにこの番組に来ていただいて車で聴くというロックをかけていただきたいんですけども、無理かなぁ。