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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
チャック・ベリーは死んでも、ロックンロールは4万年後を目指して宇宙を旅する
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Theme is... Voyager
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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--- 計り知れない “音楽のチカラ” を実感する日々 ---
番組前半はリスナーの皆さんから手紙、ハガキ、メールでお寄せいただいた
旅のエピソードと、その旅に紐付いたリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーや悩み相談にもお答えします。
後半のテーマは「ボイジャー」。
1977年にアメリカが打ち上げた探査機、
「ボイジャー」に込められた未知なる宇宙に向けた人類の思い…。
積載する音楽としてセレクトされたのは、
アメリカの黒人によって生み出された歴史的遺産。
真の音楽がもつ力について訓市が語ります。
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番組では皆さんの「旅」と「音楽」に関する
エピソードや思い出のメッセージをお待ちしています。
「旅」に関する質問、「旅先で聴きたい曲」のリクエストでもOK!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
メールの方は番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエスト・・・ お待ちしてます!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Slave To Love (12inch Remix) / Bryan Ferry
I Will Survive / Cake
Alice Childress / Ben Folds Five
Without You / Harry Nilsson
ライブハウスの妖精たち / 佐古勇気 & 大塚謙一郎 feat. YURINA da Gold Gigger
Our House / Crosby, Stills, Nash & Young
Flightless Bird, American Mouth / Iron & Wine
Two Out Of Three Ain't Bad / Meat Loaf
We'll Let You Know / Morrissey
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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先日放送した夏至の為の特別番組でアコースティックギターとともに歌ってくれたUAとHIMI。あの番組は僕の友達もたくさん聴いてくれて、「とても良かった。UAの新曲も良いし『HORIZON』久しぶりに聴いて素晴らしかった」とか、「HIMIくんが『ミルクティー』をカバーして良すぎてに本当にびっくりした」と言われて僕も本当に嬉しかったです。本当に素敵な1時間だなーと思ったのは改めて感じた音楽の力についてです。UAもHIMIくんも2人とも昔から知ってるんですけど、特にHIMIくんはお父さんが僕と同い歳で初めて会ったのは彼がまだ小学生の時でした。自転車屋さんを紹介して、BMXを勧めて。僕はその頃にBMXの個展をラフォーレでやってたんですけど、お父さんと一緒に遊びに来て床をゴロゴロしていたのがいつだったっけ?って感じなんですけど、彼は去年の暮れに20歳になったばかりです。いわば僕の息子でもおかしくないような年齢でもあり、友達の息子さんということで、ほぼ自分の息子とも思ってるんですけど、それを抜きにしても彼が奏でる音楽に普通に感動している自分がいるっていうのがすごいなと。音楽は国境も言葉も超えると言いますけど、性別も年齢も本当に全て超えていくんだなーと。多分12年前だと思うんですけど、初めて会った時の自分に、「お前は将来、この目の前の床で転がっている小学生の音楽に感動するよ」と伝えてもきっと信じなかったと思います。音楽っていうのは本当に素晴らしいもので、この番組のリスナーさんたちからのお便りを僕は毎週全部見てるいんですけど、上は今までで1番最高年齢が95歳だったような気がするんですが、それから下は小学生までいるわけです。住んでいる場所も、それぞれの環境もバラバラ。中にはこれから新婚旅行に行くという人生バラ色な感じのお便りを送りつけてきて、こちらをケッという気分にする人もいれば、フられて死にそうだという人、仕事がなくなって辛いというお便りもよくきます。それからどこかで僕のことを雑誌かなにかで見かけておしゃれなおじさんと勘違いして番組を知ってくれた人、とにかく色んな人が番組を聴いていただいているんですけど、それが結局のところリスナーさんとして継続して聴いてもらえているかというと、ここの番組でかかっている音楽で繋がっているということです。僕はなるべく心の負担にならないようなゆったりとした曲調の音楽をなるべく色んなジャンルから、そして色んな年代から選んでかけるようにしています。中にはとんでもなく古い音源のものから最近の若い人が作った、先月出たみたいな新しい曲もあるんですけど… そんな音楽は聴いているまたバラバラの人たちを出自に関係なく耳を通して、心に響いていくわけです。
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昔ボイジャーのゴールドレコードというのがありました。僕と同い歳とかそのぐらいの人はよく覚えてると思うんですけど、ボイジャーとはアメリカのNASAが1977年、今から43年前ですか? 打ち上げた2機の探査機です。ずっと太陽系を離れて離脱する時とか割とニュースになったと思うんですけど、何年も何年もかけながらずーっと日本に撮影した宇宙の写真を送り続けてきた探査機です。片道の旅行で永遠と宇宙を旅するこの探査機にはどこかで知的生命体と遭遇した時の為に金属板が乗せられています。世界の言語での挨拶や自然の音。それとともに色々な音楽も収められました。その中にはバッハやベートヴェンといった人類の宝っていうやつだと思いますけど、古典のクラシックや様々な民族が奏でる民族音楽、その中には日本の尺八の曲かなんかも一緒に入ってるんですけど、そこにチャック・ベリーの「ジョニーBグッド」やル・イアームストロングのジャズなんかも入っています。何万年、何億年かの後、もしかしたら僕たち人類も地球も存在しない頃、どこかの星の生き物がロックンロールやジャズを聴いたらどんな風に聴こえるんでしょうか。踊ったり跳ねたりするとしたらこれほど愉快なことはないと思うんですけど、それにしても宇宙人にでも伝わる音楽をと探査機を飛ばしたアメリカが、自分の国を代表する音楽としてガーシュインとかシナトラ、エルヴィス・プレスリーなんかを選ばなくてブラックミュージックだったことを今のアメリカの人たちは是非忘れずにいてほしいと思います。オリジナルっていうと確かにアメリカが本当に作った音楽っていうのはロックンロールであり、ジャズやソウルだと思いますから。とにかく、もし宇宙人が存在して地球人のことを知ってほしいという、そんな時の一つのの媒体として選ばれたのが音楽。その素晴らしさっていうのを本当にこのコロナの時代に再確認しました。良い音楽が増えれば世界は少しかもしれませんけれど必ず良くなると思います。今年の夏はフェスもなければ、夏祭りも花火大会も海の家も無いです。個人的には1年の全てを夏に照準を定めている私。酒を飲んで朝日が来るまで千鳥足、そんな夏が今年は味わえないかもしれない、いや味わえない感じです。「どうやって訓ちゃん夏過ごすの?」ってよく言われるんですけど、そこで言える答えというのは一つしかありません。「まだ僕たちには音楽があるじゃないですか」と。今年の夏は、いつもちゃんとやってるんですけども、より気合いを入れて良い音楽をセレクトして番組でたくさんかけることができればなと思っています。そして皆さんもたくさんおススメの夏の曲をリクエストで送ってください。ただ一つ、お願いがあります。この番組では昔よく言ってましたけどBPMは120以下とか、同じ曲はかけないという勝手なルールがあるんですけど、是非その枠内でビールがちょっと美味しくなるとか、散歩に出ようかなって思えるような色んな年代の方が聴くことの出来る素敵な曲をお待ちしています。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。