★★★★★★★★★★
訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
安部勇磨、初ソロアルバム発売決定。D・バンハート、細野晴臣らも参加
★★★★★★★★★★
#349 --- ネバヤンの安部ちゃんと一緒!---
『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
★★★★★★★★★★
never young beachの安部勇磨さんをゲストに迎えて、
二人で番組を進行!
訓市が「安部ちゃん」と呼んで
親しくするようになったきっかけとは?
6月30日にリリースされる初のソロアルバムに
収録されている曲を解禁!初オンエア!
昨年1月に訪れたアメリカ西海岸の旅で得たもの、
ソロ作に込められた想いについて伺う。
★★★★★★★★★★
「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエストをお待ちしています!!
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
The Way It Is / Bruce Hornsby & The Range
Rocky Trail / Kings Of Convenience
Give Me Strength / Eric Clapton
明るい未来 / Never Young Beach
Ohm / Yo La Tengo
Mare / Rodrigo Amarante
おまえも / 安部勇磨
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
★★★★★★★★★★
野村:一応って言ったらアレなんですけど旅と音楽がテーマの番組なんですが、安部ちゃんは永積崇くんに聞いたりしたら「西海岸があの人すごい好きだからね」って。
安部:あ、でもそうですね。好きです。
野村:よく旅行とかは行ったりしていたの?
安部:行き始めたぐらいなんですけど。コロナって確か去年の3月とか4月くらいから出てきましたよね。その年の1月とか2月にちょうどロサンゼルスに遊びに行ってて。で、その後コロナになっちゃって。本当はもっと行きたかったんですけど行けなくて。旅、訓市さんとかに比べたらまだ全然できてないですけど、やっと最近そういう海外とか色々文化とかに触れてみたいなと思う風になりました。
野村:もう、あつ森とかは飽きたの?
安部:なーにを言ってるんですか、訓市さん。はははは!
野村:外の本当の島に行かないと
安部:あはははは!あつ森やってましたね。恥ずかしい、はい。そうですね。でも、そうコロナになっちゃってどこにも行けなくて、あつ森やっちゃってました。
野村:まぁそういう旅をバーチャルでも
安部:旅をしたくなっちゃった。バーチャルでもいいからさせてくれって、はい。
野村:ロサンゼルスにはその時どれくらい行ってたの?
安部:その時は2週間くらい。
野村:結構じゃあちゃんと長く休めて。
安部:そうですね、1月とかはライブあんまり入らないので、その時はバンドメンバーと一緒に行って向こうの友達の人とかにまた人を紹介してもらって。
野村:安部ちゃんがロサンゼルスでどういう時間の過ごし方をしていたのかがとても気になるんですけども。なんかドライブしたりとか?
安部:あ、ドライブ。なんかすごいスターウォーズみたいで楽しかったです。
野村:スターウォーズ…?
安部:高速走ってたんですけど、日本よりも道が広いじゃないですか。あとスピードも速い気がして。スターウォーズとかの宇宙船に乗っているような気分になって。
野村:やっぱアーティストさんは視点が違うっていうか。前からの景色にワープの線みたいに見えちゃって…
安部:あ!でもそんな感じです!うわーみたいな。で、LAのディスニーランドにも行きました。
野村:100%観光じゃない。
安部:そうですね、でもそう、まだ僕も一昨年初めて行って去年2回目だったんですけど、本当にただただ普通に生活するだけが日本と違うことがいっぱいあるんでやっぱり楽しかったですね。
野村:環境っていうか普段の日常と離れるってすごい気持ちがいいっていうか、あるもんね。
安部:そうですね、日本のいいところもそれのおかげで分かるし、日本ってここがこうなのかなとか、自分も含めこうなのかなとか、ここはこうだけどこうだなとか、色々すごい楽しいし考えさせられる気がしました。
野村:あと結構アルバムとかに煮詰まっちゃっていたり?
安部:あーでも本当それはありました。バンドとか上手くどうしよう、何しようとか悩んでた時に向こう行ったら、なんで自分こんなこと気にしてたんだろうとか。これでいいじゃんとか、これでかっこいいんだとか色んな刺激があって楽しかったです。
野村:ね、本当に旅の醍醐味ってもちろん外国を見るとかあるんですけど、自分自身の考えをまとめたりとか、そういうのも旅の大きい自分にとっては大事なもので、それがもう1年以上ないから。
安部:そうですよね。
野村:だんだん、ひょっとして自分は崩れてきているんじゃないのかってシャンプーしてる時とかに思うわけ。目閉じてる時に。
安部:可愛いですね。
野村:かつての自分と最近違うぞ、みたいな。バランスがすごく取るのが難しいなって思っているんだけど。アメリカ行って向こうの西海岸の音楽とかって好きなものってあるの?
安部:そうですね、僕はデヴェンドラ・バンハートさんっていう方が好きなんですけど。
野村:ね、これ書いてあってびっくりしたんだけど、僕も知り合いなんだよこれ。
安部:あ、そっかそっか。そうなんですよ、それで今デヴェンドラさんがLA住んでいて、僕がLA行ったのもデヴェンドラさんがLAのお店とか色々メールで教えてくれて。それでちょっと僕の好きな人がどういうところに住んでて生きててどういうところで制作しているんだろうっていうのを少しでも感じてみたくって行って、そのニュアンスを体験できたからこういうソロのアルバム作ろうとか色々創作意欲が湧いたりしたので。
野村:そうなんですよ。なんか忘れてたけど安部ちゃんはソロアルバムを作って出すんですよね。
安部:そうなんです。
野村:いつ出るのかな。
安部:これは6月30日に出ます。
野村:ちょうどぴったり1ヶ月後に。
安部:そうです、はい。
野村:やっぱりバンドじゃなくって今回ソロ出そうと思ったのは、なんかそういう旅先で考えたりとか?
安部:はいはい。
野村:デヴェンドラも個人名義でやっているけど、そういうのも影響があったりとかっていうのは?
安部:そうですね。コロナになって自分のバンドの活動がライブもできなくなったりとかして、何を作っていいか分かんなくなっちゃったんですね。この状況で何を歌ったらいいんだろうとか、なんと書く自分の中でnever young beachはこうだなっていう自分の中のイメージとか考えた時に、今どうやって作ったらいいのか分からないっていうことになっちゃって。なんかこう、SNSとかもういっぱい色んな人が色んなこと言うじゃないですか今って。
野村:うん。
安部:なんかそういうのも聞けなくなって、どんどん何をしたらいいんだろうみたいになって落ち込んじゃったんですけど、その時にアメリカ行ったりとかした時のことがずっと頭の中に残ってて。 なんかこう1回ちょっとそういう考えちゃうのを止めて、自分で音楽を始めた最初の頃のような気持ちで誰にも何にも迷惑をかけず自分で色々黙々とやってみよう、みたいなので作り始めましたね今回は。だからそういうアメリカ行った経験はかなり深く入っています。
野村:なんかアルバムを聴くのがすごい楽しみになってきたんですが。
安部:本当ですか?
野村:旅の影響もあってできたソロアルバムって言ってましたけど、ソロでやったってことは全部楽器も自分でほぼやったの?
安部:デモの段階では全部自分でやってたんですけど、ちゃんと録音する時は友人とかパートごとに呼んで自分はギターとかできるやつ、簡単なシンセとかは弾いたりとかはやってましたけど。
野村:じゃあ今までのnever young beachの感じとはまた違う人たちと。
安部:そうですね、もう全然違う感じでやってます。
野村:どうなの?そういうのって。なんかこう新鮮なところもすごくあるだろうし、やっぱり元カノがいいなみたいな。
安部:あー、でもバンドはバンドでやっぱり安心感があっていいなーっていうところもあるんですけど、やっぱ型になってきているっていうか。それで悩んでたんですけど。仕事になってきてんのか?みたいな悩みみたいなのがあったんですけど、そういうのが1回全部取っ払えて、「今日ヒマ?レコーディング手伝ってもらえる?」みたいな感じでできたのがすごい楽で、楽しくて。まぁそれをやった結果やっぱバンドのここってすごい助かってたなとか、ここめっちゃいいなとかもあったし。
野村:ありがとう言えてなかったなみたいな。
安部:みんなやっぱ素敵やな、みたいな感じで作りましたね。
野村:同じ言い方したら「お前何言ってるの」じゃないけど、そんな急に合わせらんないよっていう人もいるでしょ?
安部:みんななんか、距離が近い友達なので録音するまでにも何回か家に来て「このベースラインをずっと弾いててほしいな」とか、そういうやりとりも自分で直接友達に言えるからそれがすごい精神的に楽で楽しくて、すごいレコーディングってこんな楽しかったんだみたいな久しぶりでした。
野村:良かったね、久しぶりに楽しかったって。辛くなっちゃうのが1番嫌だもんね、自分が好きなことで。
安部:そうですね、だからちょっと…。もちろん今も色んな方にお手伝いしていただいてリリースできてるわけなんですけど、自分でこういうレーベルを作ったりとかしてそういう自分のタイム感でできたので、すごく生活してる延長戦上な感じですごく楽しかったです。
野村:最後にLAに行ってから1年以上、多分安部ちゃんもそんなに旅行とか移動っていうのはできてないと思うんだけど、このコロナの間にどんな音楽を聴いてたっていうか、趣味が結構変わったりとか。
安部:あー、変わりました!歌詞とかも言葉を聴けなくなってきちゃって。多分色んな人が前向きに歌ってくれていることだとは思うんですけど、自分の精神状態なのか聴けなくなっちゃったんですけど、こういう時に初めてアンビエントをすごく聴くようになって。環境音楽っていうアメリカで出てたグラミーかなんかにノミネートされていたと思うんですけど、日本の70年代、80年代の色んなアンビエントの曲が集まってる曲をアメリカに行った時に遊んでくれた方から教えてもらってずーっとそれを日本で聴くようになって。そこからモート・ガーソンっていう「Plantasia」っていう植物に聴かせるために作ったみたいなアルバムが、それもシンセサイザーでファ〜みたいなやつなんですけど。そういうのずっとブライアン・イーノ、空港で聴くやつ。
野村:Music for Airports?
安部:あれをずっと家で聴いてて。
野村:結構病んでたんだね。そんなことはない?でも本当に気持ちいいよね。
安部:すっごい気持ちよくて、それで何かを言ってるわけでもないのに勝手にこっちが受け取るものがあったりとか。なんでこんな歌も何もないのに音だけでこんなに、あっ音楽ってこんなのもあるんだっていうので。だから今回は自分のソロでそういうシンセサイザー使ってみようとか。そういう風な要素が増えました。
野村:そうね。なんか、俺コロナ禍になって本が読めなくなっちゃって。
安部:へぇー。
野村:活字中毒って自分でも思っていたし、忙しくしてても必ず週に何冊か呼んでたんだけど、時間があるってなったら…。それで家にいる時に読み始めても字が全然入ってこないみたいな。あと映画を見なくなっちゃって。
安部:あ、そうなんですね。へぇ。
野村:今こそNetflixだなんだで時間があるわけだからそれも観れないっていう。なんでなんだろうって、だから音楽とかも聴き方やっぱりすごく変わったと思うし。この1年ってこんなに変化があるのって不思議だなって自分でも思ってたんだけど。じゃあ安部ちゃんは歌詞より今は音?
安部:そうですね、音のことをどんどん気になってって。良い音っていうのはなんなんだろうというか、綺麗だけが全てじゃないしそういう自分の良い音っていうのをどんどん研究したいって気持ちが増えていきました。
野村:っていう感じで、今日新曲を初めてラジオでかけさせてもらうんですが、これはそのアルバムの1番最初にできた曲なの?
安部:これ本当に1番最初です!
野村:じゃあアルバム全部の道標になったみたいな。
安部:そうですね。これが1番自分の中で…。まぁ全部大切な気持ちを書いているわけなんですけど、この曲のこの歌詞を書いてるうちに、あぁ自分今こういうこと言いたいのかなとか、なんとなく全体のテーマになってきました。
野村:すごい思わせぶりなタイトルなんですけど、「おまえも」。その下に何がくるのかすごい想像してしまったんですけど。
安部:これは、僕家にお人形とかおもちゃ好きでゴジラの人形があるんですよ、偽物のどこかの国が多分作ったような。そのゴジラは普通の正規のゴジラじゃないんで目とかも黒目とか右と左向いちゃってたりとか。
野村:かなりおっかない感じの。
安部:そうなんですよ。それで身体もピンク色だし。でもそういうの見てたら、冷静に考えたらこいつも元々はトカゲだったわけで。
野村:そんなに振り返るの?
安部:放射能とかをかけられていきなり大きくなっちゃって、気づいたら口から光線も出ちゃうんだよな…とかそういうことを考えたら、これは人形だけでなく人に対してもそうだなーとか、嫌だなって思っているあいつも何かのカーテンをどけてあげたら自分と同じようなことで悩んでるし、コロナで色んな人が攻めたりとかやっちゃうけどみんな同じだから優しくしなきゃな、みたいなことを歌ったような曲です。
野村:それのタイトルが「おまえも」。
安部:そう。あはははは!
野村:優しさもないんだけど、
安部:でもそういう優しくしないとなっていう風なことを。
野村:お前も本当はそうなんだぜっていう。
安部:そう、お前もっていうのは自分のことでもあるしっていう感じですね。
野村:なるほど。ちゃんと世相を巧みに捉えた曲っぽいですが、すごい楽しみなので是非ここでかけたいと思います。では今日お付き合いいただきありがとうございました。安部ちゃんありがとう。
安部:ありがとうございました。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。