TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING

#363 --- 無音で、ひたすら走らせるのが素敵！ ---

前半はリスナーの皆さんから寄せられた
数多くの“お便り”の中から、
訓市がピックアップして紹介します。
旅の思い出、恋愛、進路、生き方などなど、
テーマはさまざま・・・。

後半のテーマは「ドライブ」。
例年のように自由に旅ができなかった今年の夏、
訓市が楽しんだのが自らハンドルを握って、
目的地もなく車を走らせること。
これまでは後部座席で爆睡して通り過ぎていた場所に
初めて降り立った時の感想とは？
訓市流のドライブスタイルについて語る。


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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎！

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの「お便り」をお待ちしてます！


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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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Kunichi was talking …


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とうとう９月なわけですが、本当に寂しいものですね。と言うのも夏にすがりたいと思ってしまいながらも、空の色というのは確実に秋の気配で。公園の緑も５月や６月の初夏の頃の燃えるような緑ではなくちょっと寂しい季節、でも気候はとても素晴らしい。そんな時こそ車を引っ張り出してドライブです。窓を開けて、外の空気を感じながら車を走らせる。もしかしたら一人で乗る車だけがマスク無しで外の世界を見ることができる唯一の空間かもしれません。どこにいても、ワクチンを打っても、マスク無しで外にいることはできないのですから。なんだかマスクの付け過ぎで口角が下がってきたような気すらしています。鏡で見た時、「こんなへの字だったっけなぁ…」みたいな。ですから車の中こそが自分一人の自由な空間、王国と言えるのです。何しろ一人のドライブだったらマスクはしなくていいし、なんだったらタバコを吸ってもいいし、好きな音楽を爆音でかけてもいいし、気に入った場所に通りかかったら車をそこで停めてぼーとしてもいい。夏の初めにもこんな話をしたと思うんですけど、実際にこの夏もたくさん車に乗った気がします。車に乗って何してたのって言われると何もしてないんですけど、夏の間に気に入ったドライブコースを皆さんに言いたいと思います。いつもは大嫌いな首都高、オリンピックのせいで日中はえらく高速料金が高いということでガラガラでした。どこかへ行って帰ってこようっていう時の手段として首都高を使うとしたら高いなと不満だらけだったと思うのですが、ガラガラの首都高を走りたいということを目的にすると、アトラクション代だとすればまぁありな値段だなと思いました。もちろん湾岸族でもなんでもないので、そこをすっ飛ばすわけでもなく、ただスイスイと進む快適な首都高の状況を楽しむわけです。気持ちが最高に良かったのは首都高を廻ってそのままなんとなく中央道に入ったりした時で、天気は良いし空いてるし、そうこうするうちに正面に見えるあの山はなに？はっ、富士山？なんていうので気づいたら八王子の方まで行っていたり。だいたい都心から出てしまえば同じ東京でも色々あります。西東京の方に行けば大きな公園がいくつもありますから、そこでぼんやりしても良いし、福生あたりを流してちょっとだけアメリカ気分を味わっても良いし。コロナ禍で中央道がお気に入りになるとは思いませんでした。渋滞が酷いとか、夜は暗いとか、前は全然好きではなかったんですけど、今ではすごい中央道が好きになってしまいました。まるで気分はユーミンです。気に入った場所と言えば海ほたるもそうですね。東京と千葉を結ぶアクアラインの中継点、海ほたる。撮影のロケバスとかで千葉に行く時にアクアラインを使ったことはあるのですが、大体気絶して寝ていましたし、そもそも海ほたるというところに行ってみようと思ったことすらなく、このコロナ禍で初めて行ってみました。


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初めてアクアラインを自分の運転で通って、そういえばついでだから海ほたるってどんなもんだろうと寄ってみました。そしたら確かに景色も良いですし、海風に吹かれているだけで気分がとても良くなりました。トンネル側じゃない、橋桁が通っている道路の方の海を見ると、なんだかサンフランシスコあたりの風景を思い起こさせました。本当にちょっとした海外旅行気分を味わうことができたんですけども、その空気の感じも良かったですね。アメリカの西海岸を訪れている時に旅行気分を一番かき立ててくれるのは、どこの場所というよりとにかく移動中の車からの景色です。そして気になった景色を見つけると車を停めてあたりを眺めたり深呼吸をしたものでした。いる場所によって空気の味は本当に違うもので、ソムリエじゃありませんけども、その空気を鼻から思いっきり吸って、舌の上で転がすみたいなことをして味わったものでした。うん、ここには微かな塩の匂いと、なにか森の土の濃い匂いがするなとか。牧草と乾いた土の風味を感じるなとか。もちろんたまになんか変な花粉があるぞって感じた時もありましたけど。何かをやりに行くのが目的のドライブというのは中々今の状況で難しいと思うんですけど、こういうただのドライブというのはまだまだ楽しめるはずです。海沿いだけを走るドライブとか、山道を走るだけのドライブとか。気持ちの良い晴れた日に山をドライブしたんですけども、そうなると最早、目的地があるとして早くどこかに着かないかな〜ではなくて、この道が永遠に続かないかなという気持ちの方が強くなります。そしてこの夏には、以前にもお話しましたが無音ドライブもたくさんしました。無音とは音楽をかけないことです。ラジオもiPhoneからの音楽もかけず、窓を開けてただ走る。外の音と自分の車のエンジンの唸る音だけを聴きながら運転するというのは、下手な音楽をかけて運転するよりよっぽど心が和むといいますか、チルな気分になります。出歩くことが減った日常で、僕もなんですけどついつい歩く時はヘッドフォンで音楽を聴いて、家でも何かかけたり、見たり、携帯をいじっていたり。以前の当たり前の日常の中で少しですけどあった、何もしない静かな時間とか開放的な場所でぼーっとするっていうのが無くなったからかもしれないんですけど、この無音ドライブっていうのはすごく良くてですね。皆さんも是非この9月、時間があればやってみてください。車は持っていないし、レンタカーをする時もあるけど、それは旅行に行くとか目的がある時だけだという方は、是非どこにも行かない、ただ走り回るだけの目的で借りてみてください。そして30分は窓を開けて、無音のドライブをしてみてください。案外素敵なものですし、もし車がV8のアメ車みたいなエンジンでしたらさらに最高ですよ。アメ車のメカニックが前に言っていましたけど、「あの音っていうのは低周波で、α波が出てるから体に良いんだ」と。それを聞いてなるほどと思うぐらい、気持ちの良い音ですから。