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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
孤高のラッパー、5lackが見つめる次なるランドスケープ。interview〈前編〉
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#365 --- 訓市がお気に入りのラッパー登場!---
前半はリスナーの皆さんから寄せられた
数多くの“お便り”の中から、
訓市がピックアップして紹介します。
旅の思い出、恋愛、進路、生き方などなど、
テーマはさまざま・・・。
後半は・・・ with 5lack。
ラッパー、トラックメーカーの5lackをゲストに迎えて...
現在に至るまでの経緯、
福岡と東京の「デュアルライフ」で感じる利点と不利点、
活動の源となっているスケートの魅力と影響や
今後のヴィジョンについて伺います。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからのメッセージ&リクエストをお待ちしています!!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
The More You Ignore Me, The Closer I Get / Morrissey
Doin' It / Herbie Hancock
Runnin' (Jay Dee Extended Mix) / The Pharcyde
東京 (Extended Dub) / Silent Poets feat. 5lack
中板物語 / Gapper
Last Stop: This Town / Eels
終演 / 5lack
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking with 5lack
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訓:今夜はwith 5lackということで、ラッパーでトラックメーカーの5lackをゲストに迎えてお送りしています。まず最近の活動ということで、自分の曲を作ったり人のプロデュースをしたりとか色んなことをやってると思うんですけど、今自分的に最も聞いて欲しい曲っていうのは?
5lack:先月にGAPPERっていう地元のラッパーなんですけど、PSGっていうPUNPEEとやっているチームのSが自分で、Gの男ですね、GAPPER。っていう奴のアルバムを全部プロデュースさせてもらって、今自宅にいなきゃいけないことだとかが増えて、エンジニア業だとかミックスとかそういう技術的な部分にすごいハマったんですよ。それにハマっている過程の中で自分の曲だけじゃ足りない部分とかがあって、やらしてくれというかミックスさせてくれじゃないですけど。そういう流れからアルバム作らないかってなったりして1年くらいですかね?かけて作って。
訓:コロナが無かったら腰を落ち着けてそういうトラックを作ったりとか、そこまでしようと思わず外できっとね、短いお酒を飲んで歩いちゃったりしてたと思うので。
5lack:確かに。
訓:良かったっていう。
5lack:そうですね。完全にきっかけにはなってるし。
訓:ヒップホップやる人たちって結構地元の仲間がいるじゃないですか。例えば世田谷とか川崎のここからみんなで出てきたとか町ぐるみでみんな出てくるっていう。5lackの場合は板橋で、やっぱり仲間っていうかクルーがいて、みんなとコロナ前飲んでると出くわしたりして、男子校じゃないけど学生生活がそのまま続いてる、なんかいいなあって男冥利に尽きるなっていう。普通大人になると仲良くてもやっぱり離れていくじゃないですか、環境も変わるし。仲良くやれてるっていうのは羨ましいんですけど。5lackは福岡に拠点を置いて、仕事の度に東京に戻ってくるっていう、普通は自然の中に暮らしてたまに東京に来るっていうのがどっちの町もお酒と誘惑の多い街に暮らしてますが、福岡に住みだしてどのくらい?
5lack:5年くらいですかね。
訓:飽きない?
5lack:飽きないですね。寂しさとか愛着とかっていう部分を無しにしたら日本で自分なりに色んなところ行ってきて福岡は総合得点のすごい高いっていうかバランスがやばいなと思って。
訓:それはご飯も美味しいしお姉ちゃんは可愛いと言われているし、なんか悪いところ無いんじゃないのかっていう。
5lack:そうですね。意外と港町だし、サウスですけど西海岸的な部分も持ってたり山もあって田舎っぽいな〜みたいなところにも行けないこともないしというのではすごい過ごしやすいかなというのと、都会にいると遊び続けちゃうというか転がり続けちゃうので、少しリセットして1回ゼロに戻しながら来れる。
訓:福岡も遊び転がり続けることできるっしょ?
5lack:できると思うんですけど!自分の設定としては飛行機乗って…
訓:その距離でね
5lack:はい、その地に着いたらこの街ではこうやって生きていこうっていう感じとしては本当にリズムが一定な普通の穏やかな生活をしてますね。
訓:5lackっていうのは東京出身で東京でやって、若い子たちのファンもたくさんいて。そういう音楽をやる人たちっていうのは多分東京から離れるのはすごい怖かったり、常にそういう流行の発信地にいないとダメなんじゃないのかって昔は絶対思ってたと思うんですけど、最近は変わってネットもあるし色んなところに住んでも物書きだったら田舎でもできるしとかっていう中で、ヒップホップで東京でやってたのに離れたところに拠点を置くっていうのはすごい面白いなと思ったんですが、じゃあ離れたから出来なくなったことっていうのはない?
5lack:ん〜やっぱりすぐ友達に会えないとかっていう部分は。それこそ地元の繋がりが長いので、そういうところはたまにありますね。
訓:あれだけ一緒にいたんだからもういいでしょ?
5lack:まあこっちに来たら1週間くらいで「帰るわ。」みたいな気分にはなって、すぐお腹いっぱいになるんですけど。ずっと遊んでたいなっていう若い時から変わってない感覚はあるんですけどね。
訓:僕は5lackがヒップホップを作ってるっていう時にすごい面白いなあと思って。ヒップホップってサンプリングっていって、一番最初は元々あった音楽のレコードからドラムを録音して繋いだりっていうのでできたんですけど、僕が若い頃ってもうみんな昔のソウルとかリズム&ブルースとかのレアな曲とかそういうのをひたすらレコードで掘ってそれを使うっていうのがある種当たり前だったんですけど、5lackのサンプルネタとか音楽の話をした時に「なんでこんなの使ったの?」って言ったら、「スケートビデオで後ろに流れてて」って言って、すごい良いなあって思って、違う世代なんだなって寂しくも思ったんですけど。スケートビデオ、結構たくさん今まで観てきた?
5lack:はい、一応ビデオ世代でもあるんですけど、当時普通の小中学生の頃からスケートビデオを買ってあの世界に入るのってすごい特別な感じがあって。まあ今でいったらインターネット的な要素ではないんですけど、海外のリアルな情報が色々溢れてるっていうか。
訓:パッケージになってたもんね。
5lack:そうっすね。
訓:その世界観の中にそれこそジャズが入ってたりヒップホップが入ってたりロックが入ってたりで、無理してジャズとかカッコいいんじゃないかと思って好きじゃないのに好きになろうと必死になったりしたんだけど。5lack的に自分のヒップホップっていうか音楽の世界観にスケートのビデオとかの自由な音楽の使い方とかっていうのはものすごく影響をやっぱり受けてるの?
5lack:受けてますね、音はこのビデオでヒップホップのこの曲すごい好きなんだけどスケーターとして観ちゃってファッションパンクスのやつが好きで、同時にヒップホップの良さとパンクスの良さとかレゲエの良さとかが混合しちゃって、自然とミクスチャー世代というか。まあ今なんてもっとジャンルもすごい数になっちゃってますけど。
訓:もう訳分からないけどね。
5lack:そうですよね。でもその始まりの世代なのかもしれないですね、もしかしたら。
訓:このスケートビデオで知ったみたいな曲でEelsの「Last Stop: This Town」っていうのを上げてもらったんですが。
5lack:自分の中で一番最初に買ったビデオの1曲目に使われてた曲がこの曲なんです。
訓:覚えてるんだね、やっぱり。
5lack:そうですね。オンビデオっていうシリーズというかマガジンっぽいビデオがあって、その2000年頃のやつなんですけど、それの1曲目に入ってて自分の中で本当に始まりって感じなんでスケボーとかに対しても。
訓:じゃあ色々思い入れのあるブレイクビーツの曲なわけですね。
5lack:そうですね。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。