TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING

『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

#387 --- これまでの人生で、一番つまらない時期 ---

前半は番組リスナーの皆さんからお寄せいただいた
“お便り”の中から訓市がセレクトした
メッセージとリクエスト曲をオンエア！
選曲のオーダーにもお応えします。

後半のテーマは「グルテンフリー」。
昨年末、訓市が受診した検査で思わぬ結果が・・・
それを受けて訓市が日々の食生活に取り入れた
新たなチャレンジについて語る。

グルテンフリーを実践する中で実感していること、
種類も制限される中で初めて口にして、
その味わいに魅力されたお酒とは？


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎！

手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています！


_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

Kunichi was talking …

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

グルテンフリー。大体の方は一度は聞いたことはあるんでしょうか。その意味というのはグルテンが含まれない料理のことをいうのですが、大体において小麦、麦抜きの食事ということですね。というのも小麦にはグルテンが含まれていて、それに対してアレルギーの人たちがいるということです。そもそもグルテン自体が身体に良くないと言う人もいて、自らそれを避けたり、ヴィーガンになった上にさらに色々勉強してグルテンフリーになる人。僕の周りには結構そういう人が特に海外にいて、最初に知った時はなんとなく意識の高い人の流行りなのか？くらいに思っていましたし、どちらかといえば避けていました。なんでかと言うと、そういう友達とご飯を食べに行くと、選んだレストランが健康食すぎてですね、全く自分の舌に合わずに落ち込んだりしたものです。味がしなかったり、嫌いな野菜がたくさん入っていたり。特にブロッコリーとかカリフラワーとかすごい食べるじゃないですか。僕はサラダは野菜よりドレッシングが好きな男ですので、ここのドレッシングは美味しいかなとかって思うと、そういう健康的なレストランって味がしないじゃないですか。すごく良いワインビネガーとオリーブオイルだけよ、みたいな。本当に寂しいですよね、そういうドレッシングが出てきた時って。人間はそもそも雑食なんだから何でも食べれば良いのに、アレルギーなら分かるけど、なぜ自ら楽しい食事を修行の様なものにするのだと僕は思っていました。大抵当時の僕のヴィーガンだったりグルテンフリーの知り合いというのは痩せていて、それが健康的なのか、それとも栄養が足りてないから痩せてしまったのか微妙なライン過ぎて僕にはよく分かりませんでした。海外にいて会う時は良いんですけど、そんな友達が日本に遊びに来て「さぁクン、一緒にご飯に行こう！」「私はお寿司が食べたい」「俺は和食が食べたい」って言っても、「グルテンフリーにしろ」とか色んな条件を付けられて本当に困り果てて大変な思いをしました。何しろ出汁もダメだっていう人いますからね、魚の出汁とかだと食べられないとか。彼ら自身も困って滞在中ずっとコンビニのおにぎりを食べている人もいましたし、それも時代が変わり今ではグルテンフリーという言葉もヴィーガンも身近なものになり、東京以外はどうだか分かりませんけど、少なくとも東京ではそういう料理を食べれる場所がないということはなくなりました。楽になりましたよね、ヴィーガンのラーメンとかもありますし。聴いていると「訓市さんは絶対にグルテンフリーとかヴィーガンとか好きじゃないくせに、なんでこんな話をするんだ？」とお思いのリスナーの方もいると思いますが、何を隠そう僕はこの1ヶ月以上麦抜きのグルテンフリー生活をしている、意識の高い男なんです。以前の放送とかでもしゃあしゃあとウイスキーの話をしていましたが、ビールもウイスキーも1滴も飲んでいません。「楽しいか？」ってはっきり言って人生最悪の日々ですよ。ボクサーの減量というのはこんな感じなのかとすら思っています。何しろ食事が楽しみじゃない。そして晩酌がつまらない。こんなことって、ありますか？



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

なぜこの僕がグルテンフリー野郎になってしまったかというとですね、実は去年くらいから飲んだ酒の量に関係なく、たまにお腹を壊したりするようになったんですよ。僕はインドでお腹を壊したこともないぐらい丈夫な方で、なんでだろうと思っていたんですよね。例えばテキーラだけボトルで飲んでも翌日ピンピンしているのに、ご飯を食べながらビールを飲んでいると突然お腹を壊したり。なんでだろう？ とうとう歳？ それとも病気？ それとも何かご飯に当たったのかな？ 色々と考えてはいたんですが、それでお酒を止めるっていうのもないですからそのまま放っておいていたんですが、そんな時に僕と同じ歳ぐらいのお母さんの友達が「訓ちゃん、それはもしかしたら遅延性アレルギーかもよ」と話し出しました。彼女はハイボールを麦茶のように飲む、お酒が大好きな人で、夕方5時を過ぎたら自分にご褒美ということでハイボールを飲む、そんな素敵な暮らしをしていたらしいんですね。それがある時から飲むと顔が赤くなるだけじゃなくて、ただれるようになったらしいんです。それで皮膚科に行ったり何したり、分からないっていう時に遅延性アレルギー検査を勧められて、それをしてみたと。すると大した食品にアレルギーは無かったんですけど、唯一最も数値が悪かったのが大麦。ウイスキーは大麦で作ってますから止めてくださいと言われて、それから飲むのをワインに変えたところ、あっという間にただれるのが治ったっていうんですよ。遅延性アレルギーっていうのは要は花粉症の様なもので、自分の身体の許容量を超えてその食品を摂った
時に身体に出てくるらしいんですね。僕はこういうのを信じないタチなんですけど、まぁ年末に1回やってみようかなと。血液検査で結果は1ヶ月後。そしてそれを見たらですね、思った以上にこれにもあれにもっていう小さい量のアレルギーがあったんですけども、無視出来ないものがあったんですよ。それが麦全般、グルテン、ビール酵母、パン酵母！「とりあえず3ヶ月は抜いて様子を見てみてください。数値が下がるまで」と言われました。その後、下がったら頻繁じゃなくてローテーションで食べろと。生まれてからそんなことやったことないんですが、面白半分に始めたんですよ。まず食べ物が困ります。醤油に小麦もグルテンも入っているのをすっかり忘れてましたし、主食のラーメン、うどん、パスタ、餃子も食べられない。それを咀嚼する時に無いと飲み込めないビールも飲めない。お酒といったら飲めるのはワイン、いも焼酎、テキーラですからね。最初の晩にその3種類を飲んだら飲み合わせが悪いったらありゃしない。楽しくないですよね。そして今回気付いたんですが、麦ってありとあわゆるものに入っているんだなって知りました。特に僕がほぼ毎日食べるもの。自分がどれだけ麦に依存してきたかっていうのを思い知りました。なんですが抜き始めたらですね、お腹はどんなものを食べてもお酒を飲んでも壊さないんですよ、不思議と。こうなるとこれからの生き方をどうしようかと今思い悩んでいるところです。このまま少し、小麦無しの生活を続けるべきなのか。それでお酒に困っていたんですが、すごい良いお酒を見つけてしまったのでリスナーの皆さんにもお教えしようかと。今の僕の酒の主役はですね、「ジェムソン」ではなくてウォッカの「シロック」といいます。日本で売っているウォッカって穀物でできているんですよ。大麦、小麦とかそういうのを混ぜて。なので飲めないと思ったら知り合いのバーテンさんが「訓市さん、麦アレルギーになったと人の話で聞きまして。こんなものをご用意しましたよ」って出てきたのがこのウォッカでして、ラッパーのジェイ・Zが作って愛飲しているウォッカだっていうのを今回知ったんですが、このウォッカは白ワイン用の葡萄から作ったウォッカなんですよ。またこれ、めちゃくちゃ飲み口がスムーズで、ウォッカが嫌いっていう友達が結構いるんですよ、匂いがあるとかアルコール臭いっていうのかな。ただこの「シロック」は全くそれが無くて、とにかく美味しい水としか言いようがないですね。すごく危ないウォッカで、気に入って自分もAmazonで買って家に取り寄せて、どれどれ飲んでみようと思って気付いたら1本飲んでましたからね。そのぐらい美味しいウォッカです。なかなか飲み歩けない、美味しいお酒が飲みたい、私も俺もグルテンは嫌いだ、音楽を聴きながら知らないお酒が飲みたい。そんなリスナーの皆さんがいましたら是非、「シロック」を飲んでみてください。