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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
「上司からの友達申請はスルー」SNSにまつわる新入社員の本音
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#393 --- きっかけは、聖闘星士星矢 ---
前半は番組リスナーの皆さんからお寄せいただいた
“お便り”の中から訓市がセレクトした
メッセージとリクエスト曲をオンエア!
選曲のオーダーにもお応えします。
後半のテーマは、「新学期」。
新年度に入って環境が変わり、
新しい職場、学校などでの生活の中で生まれる感情・・・
同じ経験を経てきた訓市が
自らの対処法、処世術を語る。
中学時代の親しい同級生が実践した
何とも微笑ましいエピソードとは?
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Charlie Brown / Rejjie Snow
So Far To Go (Instrumental) / J Dilla
Just Friends (Sunny) / Musiq Soulchild
I Like It / DeBarge
子供たちの子供たちの子供たちへ / ピチカート・ファイブ
Now You're Not Here (Ambient Mix) / Swing Out Sister
Why Don't You / Cleo Sol
Untitled #5 / Jim O'Rourke
のうてんき野郎 / 鎮座Dopeness & Doping Band
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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4月の1週目が過ぎて、いよいよ新年度・新学期という環境が大きく変わった方も多いんじゃないのかなと思います。新しい職場、新しい学校、緊張と期待、不安と興奮。きっと色んな感情がたくさんあるのだと思いますが、それはとても素晴らしいことだと思います。なぜならですね、僕などは何も環境は変わらずこうして4月の新しい期だなんて言われても何一つ変わらない。例えばこの局にいてもですね、ぶつぶつと一人で話して、毎日原稿や内装の締切に終われ季節感っていうのが特に無いですからね。卒業とか入学とか入社とかっていうのはある一定の年齢に達するとほとんど無いですから、あるとしたら終活だよ〜とか、卒婚だって言われたとか、暗い話しかないです。なので今の緊張感というのを是非楽しんでほしいなと思います。だいたい4月いっぱいというのは緊張感もあるし気分も高揚しているものですが、ゴールデンウィークも終わる頃、ちょっと慣れてきた頃に、俗にいう五月病になったりする人も出てきます。なので最初だからと無理をしないで、是非肩の力を抜いていってください。新年度というと力が入りますが、なんだかんだ短距離走というよりかは長丁場のマラソンみたいなものです。最初から決して飛ばさずゆっくりと。そのうちに周りにいる人たちがどういう人かだんだんと実態が見えてくると思いますから、焦らずによく人間観察をして誰が本当に気が合う人か、信用出来る人っていうのを見極めていかないとまずいと思います。すぐ皆LINEを教えたりするんでしょうけども、僕はLINEをやらないので誰かと出会ってすぐに「LINEを交換しましょう」って言われて教えられないものですからあまり実態を知らないんですけども、大変みたいですねグループラインとか。作ってすぐ仲間はずれにされたりとか、考えただけでも胸糞悪い話だと思うんですけども。新しい環境の時ってついつい自分だけ何かを知らないと取り残されたような気がしたりして、なんでも知っていたいと交友関係とか手を広げがちじゃないですか。広げるだけ広げてしまって後で面倒になるということもあると思うので、是非気をつけてください。人は見かけによらないことがあって、良い人そうに見えてすごく意地悪だったりします。とは言えその逆のこともあるから難しいんですが、僕が高校に入学した時、付属中学から一緒の仲良しの友達が焦って僕のところに来ました。何でも自分のクラスの隣の席の人が高校から新しく入ってきた人で、ものすごくおっかなそうなヤンキーだと言うんです。喧嘩売られたらどうしようと。どれどれと見てみると、確かにズボンは軽くテーパードの入ったボンタンですし、髪の毛もうっすらと脱色したパーマで、どことなく上品に剃り込みが入っているようにも見えました。そして見方によっては眼光も鋭くメンチをきっているようにも見えましたし、切れ長の綺麗な目をしているようにもみえました。
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中学からの僕の友達っていうのはとにかく喧嘩が苦手で、通称ビビリという奴だったんですよ。そんなもんですから隣のヤンキーに見える子に僕はやられてしまうと強烈にビビっていたんですが、入学して数日か経った後、いきなりそのお隣さんとものすごく仲良くなってたんですよ。「あんなに怖がっていたのに一体なにがあったんだ?」と聞くと、身体測定があって服を脱いだ時にそのヤンキーくんの下着のパンツが聖闘士星矢だったらしいんですよ。友達も漫画好きで聖闘士星矢が大好きで、それをすごく皆にバカにされていたんですけども、同じ星矢が好きだということで恐る恐る声をかけたら盛り上がったと。そしてその後ずっと親友になっていましたから、人付き合いというのは分からないものです。なんて偉そうなことを言っていますが、僕が交換留学でアメリカの高校に入った時はリラックスどころか、ものすごく力が入っていました。何しろ白人だらけの学校で有色人種と呼ばれる非白人が僕を含めて3人しかいませんでしたし、いかつい、後ろ髪だけが長いマレットと呼ばれる髪型のアメフトチームのレギュラーが幅を効かせる学校でした。しかも以前にも日本の留学生がいたことがあり、ものすごくおとなしくて運動部にも入っていなかったということで、これは最初に舐められたら大変だと思い、柔道黒帯、剣道5段、そろばん1級のようなことを適当に言いましたら、日本からすごい奴が来たということになりまして、ちょっかいを出されることはありませんでした。時には嘘も方便で悪いことじゃないのかなと思います。ただ実際に腕前を試されたらかなりのピンチになっていたと思います。「ちょっと俺に技をかけてみろ」、なんてことをあのガタイの良いアメリカ人たちに言われていたら、すぐばれてしまうところでしたから。でもそこから上手く溶け込みまして、僕もアメフトのチームに入っているうちに、「お前日本人なのにやるな」となって、1年間楽しく一緒に時を過ごすことができました。嘘も方便と言っても僕はもともと体育会系だったので、アメフトをやる中でこいつはちゃんと出来るかもと思われたからでしょう。今は色んな門出がとにかくあると思いますが、その中で辛いことが多くて環境を変えたとか、今までの流れをここで断ち切りたいと思う人もたくさんいるかと思います。ですけどもとにかく力を抜いて、そして新しいスタートというのはどこかそれまでをリセットできるものですが、そのスタートしたリセットをですね、持続可能なものにする。でないと息切れしてしまいます。のんびり、ゆっくり、楽な気分で、新年度をやっつけてやりましょう。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。