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訓市が antenna* からセレクトした記事は・・・
ザ・スミス、「最初から規格外だった」結成3度目のライブを振り返る
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#398 --- 今夜も、“お便り”でゆったり、まったり ---
番組リスナーの皆さんから多数お寄せいただいている
“お便り”をご紹介!
今年も恋愛の話題から日々の生活で感じていること、
旅の思い出などなど... 多種多様!
選曲のオーダーにもお応えします。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
メッセージをお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
皆さんからの“お便り”をお待ちしています!
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
Our Frank / Morrissey
In Heaven / Joey Dosik
Like Someone In Love / Bruno Major
Love Hurts / Julian Lage
あなたのキスを数えましょう / 小柳ゆき
My Favorite Part / Mac Miller feat. Ariana Grande
What A Difference A Day Made / Jamie Cullum
Young At Heart (Live Version) / Bill Tapia
Perfidia / Phyllis Dillon
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
Kunichi was talking …
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★From RN:サフジャン さん
いつも寝る前に聴いて、耳心地の良い声で穏やかな1週間を過ごせています。ありがとうございます。「穏やかに」と書きましたが自分には1年前に付き合っていた方がいまして、別れて時間が経ってもなお引きずっている日々を過ごしています。と言うのも、「立ち直った!もう大丈夫!」と新たな出会いに前向きになろうとする度に、彼女の存在が頭をもたげてくるからです。彼女とは音楽や映画や本などの趣味だけでなく、色んなものの見方が似ていたり、影響を受けることがたくさんありました。訓市さんのことやこのラジオのことを教えてくれたのも彼女です。こういう内容はたくさん読まれているかと思いますが、年齢30にして未だウジウジ悩んでいる自分に何かアドバイスを訓市さんからいただけたら幸いです。
☆Kun:
まぁどんどん美化されていきますからね。でも、どんなに仲良しで上手くいってたバンドでも4、5年で解散したりするじゃないですか。音楽性の不一致とか。たまたまその時期っていうのが色んなものが重なって平行で走れた線だったとして、やっぱり色んな小さいところで違うところがあったりして別れていったりするものです。終わった恋にすがるよりもですね、やっぱり次に行った方が良いんじゃないんでしょうかっていうのを、無理にそうするっていうのも難しいと思うんですけども…。そういう時こそなるだけ出歩いて、強制的に色んな人と会ったり、一人で飲みに行って隣の人と話してみたり、これをチャンスと思って自分の世界を少し広げてみるっていうのはいかがでしょうか。
★From RN:あいか さん
図書館が好きでよく行くのですが、その帰り道にこのラジオを聴くのが習慣になっています。私は今年20歳になる19歳です。物心ついた時からずっとやりたい将来の夢が私にはありますが、最近はずっとやりたいと言っているからやりたいと思っているだけなのか、本当に今もそれが自分のやりたいことなのか考えてしまいます。将来の夢が明確にあるというだけで周りに褒められるのは10代までかなと思ってしまうので、焦りにも似た感情もあります。訓市さんは10代の時、将来についての悩みや不安はありましたか? またそれらをどうやって乗り越えたかを教えていただければ幸いです。
☆Kun:
きっと1番楽しくって1番悩む時期だと思うんですけども、先日も僕は20歳ぐらいの若い友達が亡くなってしまうっていうことがあって、すごい落ち込んだというか考え込んでしまったんですけども。なんでしょうね、今皆さんが生きてるこの時代っていうのは本当に19歳とか20歳の皆さんには厳しい時代だと思うんですよ。どの時代もそのくらいの年代の方にとって楽しかったり大変だったり孤独を感じる年齢だと思うんですけども、本当に夢を見たり自由にどこかに動くってことが奪われた時期でしたから、この2年っていうのは。さらに悩むことも多いと思うんですが、僕はどうだったかな…。将来の悩みや不安をたぶん人一倍持っていましたけども、それを遊びとかお酒でごまかしていましたが、本当に自分がやりたいことを知っていたり出来ている人っていうのは、ほんの一握りだと思うんですよ。そしてそれっていうのは学校に入って卒業したら見つかるとかそういう簡単なものではなくって、何年も何年もかかるものです。そういう事実に不安になったり落ち込んだりすることもあると思うんですけども、多分あいかさんもそのやりたいことの輪郭がぼやけていたものが少しずつしっかりしてくると思うんですね。僕は何度もこの番組でもお話していますけども、何がやりたいか全く分からなくって。興味があるもの片っ端から手をつけて嫌いじゃなかったものを続けて新しいことをやるっていうのを無我夢中でやってるうちに、40代くらいになってからかな?ちゃんと仕事してるとか実感を持つようになったのは。そんなに時間がかかるって言ったら絶望するかもしれませんけども、今でも僕は何がしたいのか漠然としたとこもありますし、それで良いと思ったりすることもありますし。何か一つのきっかけでパーンと答えが出れば良いんですけども、そんなことは無いっていうのが現実です。だから不安でいる自分も何もちゃんと自分の一部として認めて、楽しい時は心の底から楽しんで毎日を大事に歩いていけばきっと見つかるんじゃないんでしょうか。頑張ってください。
★From RN:しおさい さん
私は野鳥が好きでよく森林公園へ散策に出掛けます。この時期は冬鳥が北へ帰り、夏鳥がもうすぐやってくる時期なのですが、鳥によっては元気な囀りが聞こえ始めていて今年も聞けたと嬉しくなります。囀りは雄から雌への愛の表現でもあります。種固有の美しい鳴き声は鳥の存在自体が愛情に溢れているようで、いつもちょっとドキドキしながら探しています。人間社会ではコロナにより海外のアーティストのライブが中止になってしまい残念です。でも鳥たちは毎年同じ時期に遠い国からやってきて、高度な鳴き声の技術を披露してくれます。彼らの長い旅路を想うことも動かない旅の一つのようで、メッセージを送らせていただきました。
☆Kun:
鳥の声って良いですよね。僕が好きなのは明治神宮で、都心にこんなに深い森があるのってくらい色んな木が生えていて、色んな鳥が鳴いています。ちょっと芝生の辺りで休憩して目でも閉じてみると、本当に自分が東京にいるのかどこにいるのか分からなくなったりします。たまには公園とかに行ってそういう自然の音を聞く時間を持つっていうのも良いんじゃないんでしょうか。
★From RN:黄色い自転車 さん
私は色々な物を失くしてしまう癖があります。財布、ケータイ、鞄、車の鍵、家の鍵、ありとあらゆる物を失くしてきました。最近失くした物の1つにBluetoothのイヤフォンがあります。片方を失くしてしまい、しばらく片耳で音楽を聴いていたのですがどうにも調子が悪く、彼女が使わずに置いてあったAppleのコードのイヤフォンを見つけました。昔、DJが大きなヘッドフォンではなく、このイヤフォンでプレイするのが流行っていたのを思い出して、少しワクワクして使ってみることにしました。結論から言うとこのイヤフォン、とても良かったです。何が良いかと言うと「懐かしさ」です。この前は彼女と家に帰る間に聴かせたい音楽があったのでイヤフォンを片耳ずつシェアしたのですが、少し離れると耳から外れてしまいます。この手間がとても懐かしく、不便なのになぜかとても温かい気持ちになり、学生時代もこんなことをしていたなと思い出すことができました。何より耳から外れてしまってもケータイに繋がっているので失くすことがなく、安心して使っています。訓市さんも手間がかかったり不便なのになぜか好んで使っている物や、やっていることはありますでしょうか。
☆Kun:
昔はそんなに失くさなかったんですけども、最近家を出る時にメガネがないっていってメガネを付けてる間に手に持っていたイヤフォンを置いてきちゃったり… 全部を1発で持って出掛けるっていうことが年々日々難しくなってきているんですけども。僕は今もインタビューとかする時、鉛筆とノートを使いますし、古い車を愛していますし、まだレコードも買っていますし。どれも不便っていうか面倒臭いんですけども、その準備している時の一手間で「さぁ音楽を聴くぞ!」とか「車に乗るぞ!」っていう気が高ぶるのかもしれません。
★From RN:Kenny さん
先日仕事でネパールに行ってきた51歳です。初めての場所で国内線はキャンセルし車移動へ変更など、troubling with movingでした。仕事を始めた90年代に中国へ出張に行っていたことを思い出した旅路でした。生きることへの必死さと仕事をしないで軒先で話をしているような大らかさと不思議なエネルギーを思い出し、とても刺激的な旅でした。トラブルがあるからこそ旅の楽しさを感じました。訓市さんは初めての土地に行く際に準備とかされますか。
☆Kun:
自分たちがバックパッカーを始める時は『地球の歩き方』っていうガイドブックが流行っていて、その本の周りが青いんですけども、「地球の迷い方」って言われてました。それを持って外を歩いてると現地の人たちはもうそれが『地球の歩き方』だって分かっていて、そこの中に書かれている値段を把握しているんですよね、何故か。だいたいオファーされた金額の半分が本当の値段だとか忘れましたけど、だからその分をアップしてオファーしてきたり。こんなもの持ってちゃダメだと思ってから準備はあんまりしないですね。なんとなく気候だけは調べますけど、間違った服装で行って痛い目にあったことっていうのは何度もあるのでそれだけは気をつけますが、あとは持ってくものを少ないですし、特に準備はしない方が行き当たりばったりで楽しいんじゃないんでしょうか。
★From RN:夜中のパンチョ さん
私の旅の話を聞いて下さい。ロネッツの「Paradise」という曲にぶっ飛んだ私は、自分にとっての楽園を探そうと熱く胸に誓いました。そこで国という地名の場所には別の国があるんじゃないかと与那国島へ行くことに決め、仕事を退職し、石垣島への航空チケットをツアー会社の窓口で購入しました。石垣島で一番安い宿に泊まり与那国への船が出る日まで待機と情報収集、そして泡盛、入れ替わり入ってくる旅人たちとの交流と、若かったこともありとてもアグレッシブでした。そして酔うと脅された与那国島行きの船に乗り、船のスタッフさんに向こうで仕事をしたいことを伝え、いざ与那国に着くとすぐに仕事先の軽トラックが迎えに来てくれ、「宿は取ってない」と言うと、あるおじさんが「うちに泊まっていいよ」とトントン拍子にことが進んでいきます。仕事はテトラポットの製造。タバコはどこに捨てればいいですか?と聞くと、?マークの顔をして道路を指差す。楽園かと思って来た場所にあった山盛りのゴミ。たまにヤギも捨ててあるという笑い話。そして広大な自然と田舎の風景と青い海と太陽。紆余曲折だらけでしたが、あれは20代だったから楽しめたのかなと50歳近い私は思ったりします。その後も八重山で点々と島を巡って暮らし、持ち金が帰りの航空券ギリギリになったところで東京に帰ってきました。今の仕事がダメになったら1ヶ月なら好きなところ行っていいよと妻から言ってもらい、倒産するのを少し楽しみにしている自分がいます。
☆Kun:
なんか懐かしい気持ちで読んでしまいましたが、今はどうなんでしょうね。2000年近くに八重山諸島に行くとサトウキビ畑の収穫があって、僕らみたいなのが行っても仕事があるんですよ。最初は南の島から始まってだんだん北上していって、キャンプ場に貯めたお金で暮らしたりとかですね、そういうバックパッカーの方もたくさんいました。僕も倒産したらっていうか困ったらまたバックパッカーになりたいなーと思ってるんですけども、その頃もちゃんとリュックが背負えるんでしょうか。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。