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2024.04.14
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  • J-WAVE
    EVERY SUNDAY 20:00-20:54


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Let's travel! Grab your music!

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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。

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#497 --- 意外にも、訓市史上「初」でした! ---

先日、「上海」を訪れた訓市。
これまで世界50ヶ国以上の都市や街を巡った
経験がありつつ、意外にも「上海」は訓市史上初!

これまで縁が無かった上海に
行くことになった“理由”とは?

初めて上海の地に降り立って抱いた
第一印象、率直な感想

初の上海訪問で最も印象に残った出来事は、
まさかの・・・

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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。

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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛

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2024.04.14

MUSIC STREAM

旅の記憶からあふれだす音楽。
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
1

The Passenger / Iggy Pop

2

Voice Of Chunk / The Lounge Lizards

3

Pink Moon / Beck

4

Festival / Sigur Ros

5

Last Scene / スーパーカー

6

Don't Forget Neighborhood / Cola Boyy & The Avalanches

7

If I Should Die Tonight (SaLaAm ReMi Piano Mix) / Marvin Gaye

8

Beach House Club / Alex Stevens

9

Beautiful / Christina Aguilera

2024.04.14

ON AIR NOTES

野村訓市は、どこで誰に会い、
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。



KUNICHI was talking

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先日、初めて上海に行ってきました。香港や北京には以前、何度も行ったことがあるのですが、その当時、上海というのにはまるで縁がなく、そのうち何だか色々と遠い国になったなと感じていました。正直に言えば、あまりいい話を聞かないじゃないですか。上海じゃなくて本国についてですが・・・。中国系の友人はたくさんいて、仲がいい人も何人もいます。が、彼らが中国に住んでいるわけではなく、住んでいて引っ越したとか、香港の友達も本土に組み込まれてすっかりつまらなくなったとか、そういう話を聞いているうちに行きたいとは思わなくなっていたのです。ところが今回、もう20年以上の付き合いがあるSupremeという、ニューヨークが本拠地のスケートブランドが上海にとうとう店を出すというので、そのオープニングに来ないかと誘ってきたのです。まぁこんな機会でもなければ行くことはないと思っていましたし、ちょうど先日、パリに行った時に上海に住んでいる子と知り合いまして、「いい街だから、ぜひ行った方がいいよ!」とすごく勧められたタイミングでもあったので行くことにしました。一応オープニングに出席するだけとはいえ、“もしも”があったら面倒臭い国だということで、ただの観光ビザじゃなく一応ビジネスビザの簡単なやつみたいなのを申請したのですが、これがもう面倒臭い。エージェントが間に入ってやってくれたのですが、この書類に書いてくださいっていうのが家族構成、学歴、もう何でもかんでもです。個人情報をここまで渡すのか!と、それだけで中国行きを不安に思い、キャンセルする人もいたらしいのですが、まぁ本当に色々と書き込みます。証明写真の背景は白のみだとか、申請に大体1ヶ月かかるとか。もうこれは最初で最後の上海行きだなと、行く前から割とピリピリしていたわけです。しかも上海は不動産バブルが弾けた後とかで、ビルだらけでつまらないよとか言う人もいました。そういうわけで期待値ゼロで行ったわけです。飛行機で3時間弱、あっという間に着いた街の僕の印象は「へぇー」という、良い意味で期待を裏切られたものでした。確かにものすごい近代的で巨大なビルがボンボンと立っています。スケール的には東京よりはるかに大きいですし、「見るからに金のかかった建築」。渋谷あたりの再開発の「見るからに安っぽいハリボテ感」が無いのです。それが、古い戦前からのアパートのような建物と一緒に目に飛び込んでくる。思った以上に古い建物が残っていました。2,000年代、外国人観光客が増えた東京の謳い文句っていうのは「古い町並みと新しいビルが織りなすカオス」っていうものでしたけど、上海の方が今となっては相応しいんじゃないのかって思いました。


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とにかく味のある建物が点在していて、巨大なビルを背景に窓からは洗濯物がひらひらと干してある。高層になっていない商店街のような建物も連なり、不動産バブルが弾けたせいか、絶妙なバランスで街が成り立っていました。もちろん上海のビジネス街みたいな所に行ったわけではないですし、東京でいえば銀座みたいな場所とか渋谷みたいな所しか行ってないと思うんですが、それにしても映画監督のスパイク・ジョーンズがコロナよりもずっと前に近未来を舞台にした映画を撮る時に上海で撮影すると言って、「なんで東京に来ないんだ?」って言ったんですけども、その意味が分かったような気がしました。アジアの街を行くといつも感じるんですけど、東京を舞台にしていた映画っていうのがだんだん他の国にいくんじゃないのかなーとまた感じました。あと上海でびっくりしたのが幹線道路が異様に静かなんですよ。渋滞もあるし、スクーターもそこらじゅうを走っているんですけども、静か。どうも電動化が進んでいるわけです。そこは社会主義の国。国策で進めたいことは強引にも進めますから、すごいですよね。良いんだか悪いんだかっていう電気化の弊害なんていうのもよく皆話していますが、一緒にいたヨーロッパから来た友人が「先進国と呼ばれる国は色んなインフラとかが昔からある分、アップデートが遅いんだよ。逆に後進国と言われていた国は今からインフラを一気に整備するから内容が新しいものにするから、結局なにが先進国なんだかよく分からないよね」と話していましたが、なるほどなと思いました。お金の支払いも全て携帯で、現金は一度も使わなかったですし、中国という国というか政府にはどちらかと言えばネガティブさしか無かったのですが、だからといって見ないというのはダメで、自分の目で見てみるのは大事だなと思いました。良いところっていうか、なるほどねっていうところもあるじゃないですか。でも、今回の一番の思い出は「カラオケ」です。Supremeのオープニングということで、世界中のストアやオフィスで働く知り合いや若いスケーターたちが集まってどんちゃん騒ぎをしていたのですが、最後に大人数でカラオケに行こうとなりました。下は20代から上は50代まで、人種もバラバラ。その時にプラスモデル、いわゆる体型を自然のままでっていうモデルさんですが、その第一人者でモデルをしながらSupremeでプレスもやっているパローマという女の子がいるのですが、ステージに上がって「私はこれを歌う」と言ってクリスティーナ・アギレラの「Beautiful」を歌ったのです。それが本当に大合唱になりました。この曲はLGBTや人種差別などマイノリティの人たちのアンセムになっている曲で、歌詞を読みながら聴いていると何か胸にくるものがありました。「何と言われようと自分を肯定してあげよう、私は美しい」という曲なんですけども、それをそのパローマが歌ってバラバラの人種の子達がみんな大声で叫ぶように歌ってて、なんかとても良いなと思って。4月になって新しい環境を迎えて、自分を他人と比較して落ち込んだり、厳しい言葉を投げつけられて傷つくことも沢山あるかと思うんですけども、この歌のように自分らしく胸を張って行きましょう。