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Let's travel! Grab your music!
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#501 --- 極度の方向音痴ですが... ---
友人との飲み屋話から派生して思いついたテーマ・・・
「ニューヨーク・マップ」
常日頃、番組でも公言している「方向音痴」の訓市が
ニューヨークの街だけは道に迷わずに
スイスイと歩き回ることができる理由とは?
訓市の頭の中に描かれている
「ニューヨーク・マップ」の詳細について語る。
ニューヨークのダウンタウンを歩く時に聴いて
気分がアガル曲もセレクトします。
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
What You Want / My Bloody Valentine
Now You're Not Here (Special Remix) / Swing Out Sister
Herose / Peter Gabriel
In Another Life / Sandro Perri
Cry Me A River / 八代亜紀
Skater / Four Tet
So High / Wiz Khalifa
Better Together (Nightmares On Wax Mix) / Jack Johnson
Footsteps / Vanilla
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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この間、飲んでいる時に年下の友達とニューヨークの話になったのですが、何でだか地図の話になりました。最初はどこが面白かったですか?とか、馴染みの店は?みたいなことを話していたような、いなかったような。そこで、「どうやったらニューヨークの街を覚えられのるか」?という話になって、「そんなの簡単だよ」とベラベラ喋っていたら、そういうことをラジオで話してくれたら良いのにと言われまして、今日話すことにしました。忘れる前に。僕は方向音痴です。何度か番組でも言っていますが、それも病名が付くんじゃないかというくらいのかなりひどい音痴でして、地図を見たり、それを理解して人に説明したりするのは得意なんですが、自分が実際に動いていると右と左が分からなくなってしまうんですよ。テクテクと歩いてお店に入って出た時には自分がどっちから入ってきたか全く分からなくなりまして・・・。だいたい飲み屋をハシゴして回るのが好きなんですが、「次はあの店だ!」なんて言いながら友達を引き連れてスタスタと歩き出して、後ろをついて歩いてくる友達に「なんで、あの店に行くって言ってたのに逆に歩いてるの?」と突っ込まれることがよくあります。そのくらいひどいです。と言う訳でニューヨークの街というのは僕にとって本当に慣れない街でした。何しろ碁盤の目のように道があります。普通の人でしたらあんなに歩きやすい街はない。分かりやすいじゃんとなるのですが、僕にとっては反対です。全部の道が同じに見えてしまうので大変なのです。来た道を戻って歩いてしまうことを何度繰り返したことか。しかし、もう100回以上行ってると思うんですが、何度も繰り返しニューヨークに行くうちに、どうすれば迷わないか、どこに向かっているのかっていうのを理解できるようになりました。それも独学で。ということを皆さんに話したいと思います。まずその前に言いますが、これは“ダウンタウン限定”だと思ってください。僕はミッドタウンやアップタウンには余程のことがない限りまず行かないというか用がないですね。高い店しかないですし。ニューヨークのマンハッタンは下からダウンタウン、ミッドタウン、アップタウンとありまして、そこから大きなセントラルパークがあって、その向こうはハーレムですね。南北に細長く伸びた半島のようなものですが、下側・ダウンタウンにいる時にもし真ん中辺りにいて進行方向にエンパイアステートビルが見えたら、自分が南から北に向かっているということが分かります。ビルは29丁目かな、コリアンタウンの近くなんですけども、それがありますので正面にエンパイアステートビルが見えて、右に行けば東側。ドンツキはイーストリバーという川になるんです。そして左に行けば西側、ハドソン川に辿り着きます。
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ダウンタウンと言えば皆さんも一度は聞いたことがあると思いますが中心地は「ソーホー」ですが、それは“South of Houston”の略です。「ハウストン」と言うのはマンハッタンのダウンタウンを左右に横断する大通り。つまり、ソーホーとはハウストン通りの南側、“South of Houston”。下は「カナルストリート」という道までのエリアを言います。そして、ソーホーの下側が「ノーホー」です。つまり、“North of Houston”。友達と待ち合わせようとか連絡があって「どこにいる?」と言われた時にエリア名を言うとダウンタウンって分かりやすいんですけど、特にニューヨークはそういう地名がエリアと紐づいているんで、意味を理解するとすごく分かりやすい。ハウストン通りの南側・ソーホー側のハドソン側から地名を言っていくとソーホーの下にあるのが「トライベッカ」です。「トライベッカ・フィルム・フェスティバル」とか聞いたことあると思うんですけど、これは“Triangle below Canal”。つまり、カナルストリートの下にある三角地帯の略です。そう言われると、「ああトライベッカ・・・ハウストンをドンツキまで行って下に行けば良いのか」ってすぐ分かると思うんですよね。その隣が「ノリータ」。これは“North Of Little Italy”の略で、当然その下が「リトルイタリー」になります。「リトルイタリー」はその下あたりにある「チャイナタウン」にどんどん侵食されて小さくなっていますが・・・。その隣が昔、厨房設備屋さんが並んでいた「バワリー」。その隣、イーストリバー側が「ロウワーイーストサイド」となります。友達と連絡を取っている時に、「LES にいる」と友達が書いてきたら、それはロウワーイーストサイドにいるという意味です。僕がニューヨークに行くと一番長く滞在しているのはこの辺りでしょうか。今度はハウストン通りの北側を西側から言うと、「ウェストヴィレッジ」、「グリニッジビレッジ」と続いて、先ほど言った「ノーホー」に着きます。この西側の「ビレッジ」って付く辺りは昔の住宅地で古い割と洒落た建物と、緑もあって東側よりかスノッビーというかお金の匂いが、ちょっとします。そしてその隣に「イーストヴィレッジ」。この辺りも友達が多く住んでいて、よく行きます。安いバーとかカフェもありますし。さらに東に行くと、また違うエリアがあります。ニューヨークって縦に伸びる通りは普通は数字なんです。ブロードウェイとかは別にして、「1番街」「2番街」、有名な「5番街」とかですが、これは英語だと「1st Avenue」「5th Avenue」となります。それがイーストヴィレッジのはずれは、「Avenue A」とか「Avenue B」っていうのが続きます。ですので、そこは「アルファベット・シティ」って呼ばれてるんですが、初めてニューヨークに行った80年代の頃はとにかく治安が悪くて、「アルファベット・シティ」だけは絶対行ってはダメだと言われていました。ここも今はビリヤードバーとか安いカラオケ屋があって、よく行きます。どうですか?話だけ聞いていると分からないかもしれませんけども、ダウンタウン・エリアマップっていうのを見ながら、今言った話をなぞって行くと、ニューヨークのエリアがどこにあって、隣が何だっていうのがすぐ分かると思います。日本の政治家がどんな考えを持って円安を容認しているのかは分かりませんが、海外旅行がものすごく大変な時代になってしまいました。夏休みにちょっと友達がいるからアメリカに行こうって簡単に言えない値段ですけども、もしニューヨークに行く機会がありましたら、ぜひ、このエリア分別法を頭に叩き込んでください。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。