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Just relaxin' because it's Sunday Night...
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『TRAVELLING WITHOUT MOVING』・・・
「動かない旅」をキーワードに旅の話と、
旅の記憶からあふれだす音楽をお届けします。
ナヴィゲーターは世界約50ヶ国を旅した野村訓市。
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#500 --- 節目となる通算500回目のオンエア ---
テーマは、「通算500回」
番組スタートから500回目のオンエアに当たり、
訓市から“お知らせ”があります!
そもそも、どのような気持ちで
番組を担当するようになり...
常に感じていた“今だから言える思い”とは?
今、訓市が番組を続ける為の
モチベーションとなっているのは一体???
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「旅」と「音楽」に関するエピソードや思い出の
“お便り”をお待ちしています。
「旅先で聴きたい曲」のリクエストも大歓迎!
手紙、ハガキ、メールで番組宛てにお願いします。
番組サイトの「Message」から送信してください。
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宛先は・・・
〒106-6188
株式会社 J-WAVE
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING 宛
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MUSIC STREAM
動かなくても旅はできる。
ミュージック・ストリームに
身をゆだねてください。
If You Don't, Don't / Jimmy Eat World
Bachelor Kisses / The Go-Betweens
Serotonin / Girl In Red
Lovers / Michael Kaneko
I'll Be / Mr.Children
Helpless / Neil Young
Tras De Ti / Andres Beeuwsaert
Right On Time (In The Canyon Haze) / Brandi Carlile
Honesty / Beyonce
ON AIR NOTES
どんな会話を交わしたのか。
何を見たのか、何を聞いたのか。
その音の向こうに何があったのか。
KUNICHI was talking
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気付いたら今日で通算500回目のオンエア。僕はどこかに通い続けるというのが本当に苦手で、習い事とか子供の頃から続いたことが無いんですよ。あと、2週間後の予定を入れるとかもすっごく嫌で、「毎週の週頭に連絡くれ」って言って気分で決めていくんですけども、そんな自分が500回。もしこの番組を毎日放送したとしても1年以上続けるぐらいアーカイブがたまってしまいました。これはもうですね、僕の親もびっくりだと思うんですよね。お父さん、お母さん、おめでとう。息子は継続力がつきましたよっていう感じなんですけども。41歳の時に始まりましたから自分の40代のほぼ全てにラジオがあった、ラジオに捧げたと言っても過言ではありません。「捧げた?週に1時間でオーバーな」、そう思うかもしれませんが、それは番組でもずっと話していますが苦痛だったからです。「1度かけた曲はかけない」という自らに課してしまった“鉄の掟”というのは何度も言いますが番組がせいぜい3ヶ月とか6ヶ月の短期だろうと踏んでいたからです。それがですね、放送1回目で思いがけず「スポンサーが付きました!」と言われ、どうも一向に終わる気配が無いという空気感になるにつれ、「やばいぞ、曲のストックが」と思うようになりました。1回の放送で9曲、しかも、「日曜の夜に合う、ゆったりとした曲しか選ばない」という、また“別の鉄の掟”もあるのです。Excelで今までかけた曲を管理し、テーマも被らないように過去のものは全てフォルダにまとめてタグで分かるようにして管理する。管理社会をあれだけ嫌っていたのに自分がものすごく管理して番組をやっていたわけです。ものすごく真面目に取り組んだ500回でした。まぁでも辞めたい、辞めたいと思い続けて、実際最初の3、4年っていうのは真顔で担当の方に辞めたいと言ったこともあります。が、まぁやっているうちにその素晴らしさにも気付かされることがたくさんありました。ラジオというのはradikoのプレミアムとかで聴かない限り基本タダです。そして基本、 “ながら聞き”ができます。聞きながら運転したり、食事を作ったり、洗濯したり、酒を飲んだり。気軽に誰でも聴くことができる。僕はラジオを始める前、色んなメディアで働いてきました。と言ってもほぼ雑誌がメインだったんですけども、編集をしたり、そこで原稿を書いたりしました。もう始めて24年くらいになるんですけども、その24年の中でラジオほどバラバラな老若男女に見てもらったことは1度もありません。先日、僕は番組でマーガレット・キルガレンという2001年に亡くなったアーティストについて話したのですが、ギャラリーをやっている友人が「ラジオリスナーの方が随分と毎日来てくれましたけど、幅が広くて良いねぇ。今までギャラリーをやってきて、見たこともない人たちがたくさん来てくれたよ」と話してくれました。娘に言われて薦められて来たというお母さんや家族連れ、栃木から来たタクシーの運転手さんなどもいたそうで、僕はそれを聞いてとても嬉しくなりましたし、ラジオってすごいなあって感動しました。
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僕が雑誌で編集したり書いてきたこと、例えば大好きなカルチャーやアーティストのことは意識が高い人であるとか、その業界のすごい人に見てもらいたくてやってきた訳ではありませんでした。できれば、それまでに一切、そんな物や人に興味もなければ聞いたことも無いという人たちにこそ知ってもらいたいと思ってやってきたんですけれども、雑誌っていうのはやはり基本はその雑誌のターゲット層の、そのまた一部にしか届きません。偶然コンビニで立ち読みをして知りましたということも無いことは無かったですが、とても少ないのです。それに対してラジオは“偶然の出会い”がたくさんあります。今、こうしてこの番組を聴いてくださっているリスナーの皆さんも、そのほとんどが偶然番組を知って、聴いてくれている方達だと思います。だから偶然って素晴らしいです。アメリカに行ったことの無い年配の方がニューヨークのスケーターに興味を持ってもらえたり、逆に服やサブカルが好きな若いリスナーが、僕がそういう話をすると思ってアジアの旅の話をして興味を持ってくれたり。そういうことがラジオって起こるんだなっていうことに気づいてから、僕なりに一生懸命やってきたわけですよ。全部のお便りを、スタッフが送ってくれたものは全部ちゃんと読んでいます。そして、それにあるリクエスト曲も全部、通しで1度聴きます。それで、今回はこのお便りを読もうかなって決めるわけです。良いお便りなのにリクエスト曲がとんでもなく残念だったり、リクエスト曲は素晴らしいのにお便りの内容が電波に乗せられないかなーというものだったり、悔しい思いもたくさんあるんですよ。毎回あっという間に1時間が過ぎますが準備には5時間以上はかかります。それが500回。何時間かかってるんですかね?放送だけで500時間だとすると、その5倍ですよ。そんなに時間を費やしたきたのかって、先日思った時に、「ジカンヲカエセ!」と思ったりしなくなくはなかったんですけども、とにかく続けてきて良かったです。これが今後どのくらい続くかは検討もつきません。スポンサーさんが「こんな番組嫌だ」と言えば当然終わるでしょうし、僕の滑舌が悪くなれば当然、翌週には終わるでしょうし。でも、気付けば人生の5分の1もやっている番組。できる限りはもう少し頑張りたいなと思っているので、皆様末長く、適当に聴き続けてもらえると大変嬉しいです。
野村訓市
1973年東京生まれ。幼稚園から高校まで学習院、大学は慶応大学総合政策学部進学。
世界のフェスティバルを追ってのアメリカ、アジア、ヨーロッパへの旅をしたトラベラーズ時代を経て、99年に辻堂海岸に海の家「SPUTNIK」をプロデュース。世界86人の生き方をたったひとりで取材した「sputnik:whole life catalogue 」は伝説のインタビュー集となっている。
同名で「IDEE」よりインテリア家具や雑誌なども制作。現在は「TRIPSTER」の名で幅広くプロデュース業をする傍ら、ブルータス等の雑誌などで執筆業も行う。