ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2021/03/13
GUEST
上野万梨子
DESTINATION
Paris

フランスの美味しいを巡る旅。

それまでのフレンチの重厚なイメージから、フランス料理を軽やかに日本の家庭で楽しむ新しい流れを作ってきた料理研究家の上野万梨子さん。パリに住んで30年の上野さんが知る、素顔のパリとは? さらに、フランス各地の美味しい料理を巡るお話を伺います。

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MEMORIES

パリに来る友人に宿泊先を相談されたときは、食に興味があるなら商店街の中の小さなホテルをお勧めする、という上野さん。街の活気もよく分かるし、気軽にお総菜を部屋に買って帰ったり出来るのもポイント。普段のパリは街のあちこちでマルシェが週に4回ほど開かれ、その文化にとても豊かさを感じられるそう。また、街自体のサイズが小さいので、自分の家を中心に暮らせる感じがとてもいいんだとか。
美味しいものが盛り沢山のパリで、目にも楽しいグルメの1つが、海の幸が豪華に盛り合わせられたFruits de mer(フリュイ・ド・メール)。そして、上野さんと葉加瀬さん二人とも大好きなのが、タルタルステーキ! 他方でフランスの家庭料理を覗いてみると、まず基本となるのは一鍋料理。一鍋料理を沢山煮込んでおいて、まず肉を食べ、ブイヨンを頂き、ゆで野菜を食べて、そのまた残ったブイヨンでスープを作って……茹でた肉の残りは細かくしてジャガイモと混ぜてグラタンにするなど、一つのお鍋からどんどんレシピが広がっていくのは楽しいですね。
20年程前に訪れたフレンチバスク。ヤギが沢山いる小屋があったりと、とてものどかで美しい谷あいの村で、なぜか人だかりが。どうしたのかと思ったら、村に日本人が来るというので皆集まって来ていたんだそう。あまりに珍しかったのか、どこから見てもフランス人のカメラマンに「あなたも日本人ですか!?」と聞いてしまうほど。そんな純朴な人々が暮らすこの地域は、低い山が沢山連なっているのが特徴的。モンブランのような高い山でもトンネルを1つ掘れば向こうの国に行ける場所とは違い、小さい山でも登って降りて、登って降りてを繰り返さなければ隣の国に行けないバスク地方。そのため、同じ地域でありながらも互いの文化が浸食し合わないままに、両サイドで全く違う文化が育まれたそうです。

PLAYLIST

GUEST

上野万梨子

東京生まれ。大学時代より料理研究家の飯田深雪氏に師事。料理家を志し、パリに留学する。1976年、ル・コルドン・ブルー・パリ校卒業。帰国後の77年、東京の実家にてフランス料理教室をはじめる。80年、「オムレツやスープもフランス料理です」というメッセージをこめた初めての著書『シンプルフランス料理』(文化出版局)を上梓。重厚なイメージだったフランス料理を日本の家庭に普及させた功績は大きい。基本の上にたつ自由な発想の料理と、新しい時代を開く料理家としての生き方で人気を博す。多くの雑誌やテレビなどの媒体で活躍するなか、91年、パリ左岸に自宅を移す。以来、日本とフランス、二つの国の食と生活文化に関わる企画・編集・発信を続ける。『WA-fumi, à la rencontre des saveurs du Japon 』(Flammarion)、初の書き下ろしエッセイ『パリのしあわせスープ 私のフランス物語』(世界文化社)、『アペロでパリをつまみ食い』(光文社)、『小さなフランス料理の本』(NHK出版)など著書多数。

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ON AIR
2024.11.30
GUEST
森百合子
DESTINATION
Copenhagen
ライター・エッセイスト。北欧の暮らしやインテリア、旅をテーマに執筆。主な著書に『3日でまわる北欧』シリーズ(トゥーヴァージンズ)、『北欧のおもてなし』(主婦の友社)、『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(パイ インターナショナル)など。近刊『探しものは北欧で』(大和書房)では、20年近く通う北欧の町や旅の様子をエッセイで綴っている。北欧食器とテキスタイルの店『Sticka スティッカ』も運営。インスタグラム HP:北欧BOOK