ANA WORLD AIR CURRENT

世界の各地で体験した思い出を語り合う60分。
EVERY SATURDAY 19:00-19:54 on J-WAVE

NAVIGATOR : 葉加瀬太郎
ON AIR
2021/03/27
GUEST
上木規至
DESTINATION
Naples

ナポリのスーツに魅せられて。

25歳でイタリア、ナポリに渡ったビスポーク・テーラーSartoria Ciccioの上木規至さん。いま日本で指折りのオーダーメイドスーツを仕立てる上木さんに、ナポリ修行時代に学んだスーツの奥深き世界と職人技について伺います。

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MEMORIES

ナポリの中央駅に初めて降り立ったときの感想は「すごい所に来たな」。迎えの車に乗りアパートに向かう道すがら、ものすごい渋滞と、その合間を縫って歩く人たちを見ながら、あまりの日本との違いに頭の中がクエスチョンだらけになったという上木さん。そこから午前中は語学学校、午後はダルクオーレの仕立て屋で勉強する生活が始まり、最初はポケット付けや前身頃を作るアシスタント等からスタート、約1年半その工房でお世話になったそうです。
ナポリ修行、次のステップは引き抜き!? 同じ工房にいた職人から「うちに住み込みで一緒に働かないか?」と誘われダルクオーレを辞めたものの、奇しくもバカンスシーズン。仕事が入らず、職人と「日本に帰れ」「いや、帰らない」そんな攻防が続いたある日、指抜きと針を持って連れて行かれた先はアントニオ・パスカリエッロの工房。訳も分からぬまま親方の言う通りにジャケットの袖丈詰めをすると、20ユーロと「次の月曜からおいで」という言葉をくれたんだとか。
ナポリのテーラーには、“なるべく柔らかく、着た時にそのお客さんにフィットする”という考えが基本にある中、加えて日本人のような緻密さも求めるパスカリエッロ氏の仕事に目から鱗の日々。彼が業界内で信頼が厚く一目置かれるテーラーだとは、後々知ることに。ナポリ修行を振り返って上木さん曰く「全てが順調にいった訳じゃ無いけど、間違った方に行ったかな?と思ったら、そこにちゃんと正解があった」

PLAYLIST

  • Made in Italy / Ligabue
  • Shy / Tuxedo with Zapp
  • Black Tie / SOIL&"PIMP"SESSIONS
  • 冷静と情熱のあいだ / 葉加瀬太郎
  • Étape par étape par étape / Joe Barbieri feat. Fabrizio Bosso

GUEST

上木規至

1978年生まれ。福井県出身。21歳から日本のスーツファクトリー「Ring Jacket」に入社。当時の工場長、金子一、副工場長、村上義夫からテーラリングの基礎を学ぶ。「ナポリの大らかで雰囲気たっぷりの服を、繊細で緻密な仕事の出来る日本人が作れば素晴らしい服が出来るに違いない」と思い、25歳でイタリア、ナポリに渡り、ルイジ・ダルクォーレ、アントニオ・パスカリエッロに師事。3年半修業し、ナポリのテーラリングを学ぶ。28歳で日本に帰国し、紳士服店「TIE YOUR TIE」の2階のアトリエで「Ciccio」をスタート。2015年、南青山に自身の店舗兼アトリエ「Sartoria Ciccio」を構える。日本に限らず海外にも顧客を持ち、日々アトリエで服を作り続ける。

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ON AIR
2024.12.28
GUEST
角幡唯介
DESTINATION
Philadelphia
1976年北海道生まれ。探検家・作家。チベットのヤル・ツアンポー峡谷の単独探検や、極夜の北極探検など独創的な活動で知られる。近年はグリーンランドとカナダ・エルズミア島の地球最北部で狩りをしながら犬橇で旅をするエスキモースタイルの長期旅行を実践する。『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞など、『雪男は向こうからやってきた』で新田次郎文学賞、『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で講談社ノンフィクション賞、『極夜行』で大佛次郎賞などを受賞。近著に『裸の大地』第一部・第二部、『書くことの不純』。